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♂転性してもエアラインパイロット♀  作者: 月隠優
第一章 パイロット復帰
14/29

12話 沖縄

『はいコックピット有馬です』


後ろから連絡が来たので、奏が返事をする。


『ベルトサイン消灯まだでしょうか?』


CAさんからにこやかな通達が来た。

奏は慌ててシートベルトサインを出すスイッチをautoに入れると、ベルトサインは消える。


実は出発が20分遅れている。その分早く着こうと思うと速度をあげたり少々ショートカットした飛行ルートを飛ぶ必要がある。

しかし燃料や他の飛行機の運行状況を考える必要があるので、そちらに気を取られていたら忘れてた。

言い訳ですすみません。


ちなみに、飛行時間が短くなる→ベルトサイン消灯時間が短い上消すのが遅れる→サービスの時間が...


あ、本当にすみません。


奏はシートベルトを外してサンバイザーを前につける。西側を向いているのでそこまで日差しは入って来ないが。


管制官とは色々な話をする。仲良くしてくださる方やそうでない方色々いるが。


「787って聞いた時から結構楽しみだったんですけど、知ってはいましたけど画面ばっかり、まさにハイテクって感じですね」


「そうですね。昔の機体と比べれば大分見やすいですし扱いやすいです、」


仕事の話が終わると、お互いがお互いの様子を窺いながら雑談を始める。奏はコーヒーを啜りながら話を続ける。


「私はこのディスプレイが標準装備になってくれたことが1番嬉しいです」


奏は折りたたんであった透明なディスプレイを下ろす。

頭上にあるプロジェクターから飛行に必要な必要最低限の情報を外の風景を見ながら得ることができる。


画面のシミュレータでは感じにくいかもしれないが、これがあるのとないのでは、目線移動の距離が大幅に変わるので楽だしトータルで得られる情報量も多くなる。


「確かに見やすいよな、後付けできるらしいから787以外にもつければいいのにって思う」


拓也も気に入ってるらしい。


「って最新鋭って言われてるけど、これ出来たの10年前だけどね」

「そういえば777から移ってもう10年も経つのか」


拓也と奏が入社した時は、777の免許を取得した。それから新たに787の導入が決まった時、乗り換えたのは一部の777のパイロットだった。その後資格の併用が可能になり、両方日によって乗務できるようになったのはもう少し後の話。


「実際77と比べて78どうなんですか?」

「私は特に違和感ないよ。燃費良くなったとは思うけど」

「軽いなーって思ったかな」

「なんというか、そういうもんですか?」

「77に愛着はあったから最初はちょっと寂しかったけど、78の最新ってのが私は普通に楽しかったから。ていうか今両方乗れますしね」

「乗り換えそんな時間もかからなかったですしね」


「そういえば、有馬さんって今いくつなんですか?」

「ん?秘密」


ゴタゴタ話しているうちに降下開始地点が迫っている。


『有馬です。あと10分くらいで降下開始します。そちら大丈夫ですか?』


『承知しました。ご心配なく、こちらは大丈夫です』


よかった。


「拓也、あの雲避けようか。リクエストヘディング220」


「ほーい」


管制から許可をもらい右旋回。その後降下を開始する。


この後沖縄の上を通り少し遠ざかり、大きく右旋回して滑走路に正対する。


「さすが沖縄海が綺麗」


島の周りを囲う海は空から見ても島から見てもとても綺麗だ。

あの青というより緑というような、なんとも言えない綺麗な海の色。

浅瀬の部分なのだろうか?あの色の変わっている感じがとてもいい。


奏は那覇空港を目視すると例のディスプレイを降ろす。

本格的に着陸準備だ。


左手にあるタブレットでチャートを確認しながら飛行機が指示通りに飛んでいるか目で確認する。


管制から着陸許可をもらい、空港に近づく。


フラップ、着陸装置を展開しオートパイロットを切る。


「か、風が」

「流されるなよ」

「わかってる」


那覇空港には滑走路が2本ある。昔は747も離着陸していた空港なので長い。(今も海外の航空会社は74使ってる?)

一本の滑走路は離島のようになっているが、滑走路と滑走路の間にある海の水が、これまた色鮮やか。


タイヤを地面に設置させるとブレーキが自動でかかる。


「スポイラー。リバースノーマル」


ガタガタ揺れながら滑走路の3/4くらいの地点で右に曲がり、ターミナルへ向かう。


お客様を降ろして、最後に奏たちもターミナルに向かう。


白い柱と通路の中心にある植物と花がとても可愛く、この地点で沖縄に来たことを感じさせられる。


めんそーれ


の、ーが〜になってるのも可愛い。


めんそ〜れ


拓也がトイレに行きたいとのことで、ターミナルの席に座ってスマホをいじっていると中学生?が話しかけてくる。奏よりも体格は大きい。


「すげー、コスプレですか?めっちゃリアルですね」


「いえ、ちゃんと本物ですよ」


そう言ってフライトバックの上に載せてある帽子を手渡す。


「え、マジなやつじゃん、」


なんでそれで信じるんだよ笑


「写真撮ってもいいっすか?」

「いいけどTwitterにあげたりしないでね」

「やったー」


帽子を被せてあげて、(学生がしゃがみ、奏が背伸びをして...)

2人で写真を撮っていると拓也が戻ってきた。


「うわ、本物きた」

「いや私も本物だからね」

「そうだった」


奏が預かっていた拓也の荷物を渡し事務所に向かおうとすると


「沖縄楽しんでくださいねー」


と手を振ってくれる。


「ありがとう」


軽く手を振りかえしてニコニコしながらターミナルを歩く。



よし、これから沖縄エンジョイ!!...


とでも思った?


1時間後には羽田にトンボ帰りである。

沖縄。観光行けるようにならないかなー...。


って書いたのが結構前。もう今なら観光できそうですね

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