プロローグ
JKパイロットいたら面白いだろうなーという楽観的思考から書き始めました。最初はTSも織り交ぜつつ、主にパイロットの日常を描いていくつもりです。
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私のモチベが上がります。
感想まで頂いたら踊って喜びます。
それではよろしくお願いします。
「キャプテンってどうしてパイロットになったんですか?」
高度11000mを飛ぶ旅客機のコックピットの中は焼き肉のタレのいい匂いで充満していた。
有馬奏は口に入れようとした肉を白米の上に置いた。
正面を向くと強化ガラスの奥に青空の地平線が広がっている。
「なに?人が飯食ってる時に急にどうしたの?」
「いや、実は今度...って言っても数ヶ月先ですけど、高校に行って仕事紹介するの任されたんですけど、」
春樹は操縦桿を右手でそっと撫でる。
「今まで仕事紹介やってきた人の子供から受けた質問集ってところにあったんですよ。どうしてパイロットになったのかって聞かれたと」
「そんなの正直に答えればいいじゃん。俺だったら飛行機が好きだったからで済ませるぞ」
「そんなありきたりな答え高校生が望んでると思います?あ、いや別に先輩の動機がありきたりでつまらないって言ってるわけじゃないですよ」
慌てて訂正するが儚く奏に無視される。
黙々と箸をすすめる奏はキャビンアテンダントを呼ぶ。
『あのー、すみません。吉原さん余裕がある時で構わないので、水持って来てもらえませんか?』
『分かりました。今手が空いてるのですぐ伺いますね』
しばらくするとコクピットドアをノックする音が聞こえる。
春樹はカメラでノックしているのが吉原である事を確認してドアの鍵を開けた。
「はい。これ水ですねー」
「ありがとうございます。今羽田結構天気悪くて混んでるから到着遅れるかも。燃料少ないから下手したら成田にダイバートってみんなに伝えといて」
「遅れたらゲート変わりますか?」
「どうだ春樹?」
「多分一緒だと思います」
「だそうだ」
「ありがとうございます。伝えておきますね。他何かありますか?」
「俺も水もらっていいすか?」
「こちらに」
「おお、ありがとう」
さすがチーフ。用意周到である。
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有馬奏。46歳。
小さい頃から乗り物が好きだった。
特に興味を持ったのは旅客機で、25歳で念願のエアラインパイロットになり今では監査官も任せられるベテランだ。
お陰様で後輩にも慕われている...
「キャプテン。これ外数字よりやばいっすよ。なんで一発で降ろせるんですか?一周回ってきしょいですよ」
多分...。
「もっと荒れる前に事務所戻って、新千歳向かうよ」
事務所に戻り飛行ルート、燃料計画を決定すると再び機体に戻ってくる。
「PFお願いしますね。俺先輩みたいな神業出来ないので」
「そうか?」
「ええ、先輩のあれは神業です」
「ごちゃごちゃ言ってないで手動かせ。オンタイムで出すよ。到着遅れてるから急いで」
「はい」
奏は再び新千歳に向かうため機体の外部点検のため外に出る。
大雨警報が出されている中での外部点検はなかなか過酷だ。
雨粒がカッパの帽子をかぶってても顔に当たる。
ピトー管の詰まりがないか確認して、ノーズギアのブレーキ周りを確認している時だった。
衝撃
コックピットでCDUにデータを入力していた春樹の元まで伝わってきた。
「何今の?」
ただ事ではないと思いコックピットを出て、ボーディングブリッジの階段を駆け降りる。
目の前に広がっていた光景は信じられなかったと言う。
作業車がノーズギアに衝突し、奏がその間に挟まれ、血肉が散乱し雨に晒されている。
春樹は冷静だった。
震える足を抑えつつ、階段を上がっていく。
対して奏はそうもいかない。
痛い?熱い。重い。熱い、熱い。
た す け て
声にもならない叫びは誰にも届かなかった。
下半身から液体が漏れている。きっと内臓も。
流れ出る血液と共に魂も流れ落ちる。
奏の意識はよろめきながら階段を登る春樹が見えなくなったところで途絶えた。
春樹は無線の周波数をグラウンドに切り替える。
『グラウンド、NHA 5961。16番ゲートに救急車をお願いします』
『NHA 5961。16番ゲートですね。了解しました。状況を教えてくださいますか?』
春樹のマイクを持った右手は脱力して垂れ下がり、マイクは床に落ちた。
『NHA 5961聞こえてますか?』
『NHA 5961応答してください!』
『NHA 5961!....』
コックピットの窓ガラスを叩く雨の音から、雨脚が強くなるのがわかった。
NHA 5961便は悪天候、および機体損傷のため欠航となった。
JK美少女パイロット可愛いよね
よろしくお願いします(2回目)
次回性転換です