薫、諦める
今回からいきなり長くなります。
「薫ちゃん、どお?あたしの作ったご飯」
「お・・・美味しいです・・・。」
「あら、よかったわぁ~ささ、どんどん食べて!今日は忙しくなるわよ~」
「は、はい・・・。」
薫は現在、とてつもなく広いリビング|(よく貴族の人が住んでいるところにあるような食堂だ)で朝食をとっている。彼女の目の前にはスーツの上からピンクのエプロンをつけたイケメンの男性がいる。彼は短い金髪を後ろで縛り、オカマ口調でニコニコと薫に話しかけてくる。
こんなカオスな状況に陥ったのは、薫がベッドの上でうなだれているところに彼がやってきて、朝食に誘ったからである。
最初は怪しいので渋っていた薫だが、腹の虫がグーグーと朝食を最速してくるうえ、自分がどこにいるのかも知らないので彼についていくことにしたのだ。
「薫ちゃん、あたしの名前フリケルセ。気軽にリケ姉って呼んでちょうだい~」
「は・・・い。」
薫はすごく悶々としている。ありえん、アニメでもあるまいし、イケメンに限って残念な性格になるなんてありえん。
「どうかしたの?薫ちゃん?」
よほど顔をしかめていたのか、フリケルセが心配そうな顔で薫に尋ねる。薫はため息を深く着いてからフリケルセに尋ねた。
「色々聞きたいんですが、とりあえずここはどこですか?」
「あらぁ、源おじさまから何も聞いてないの?薫ちゃん。あなたは今日からここに住むのよ?明日からはミドルスクール{中等学部}に通うのよ?」
フリケルセがさも普通そうに言うので、そうですか、わかりました・・・。と言ってしまうところだった薫。もちろん頷かず、ぽかんと口を開けてフリケルセを見つめた。
「源おじさまったら、薫ちゃんびっくりするわよねぇ・・・。あ、薫ちゃん、いきなりで何がおこっているのかわからないかもしれないけれど、これからちょこっとずつおしえてあげるわ」
「はぁ・・・。」
薫はぽかんとしたまま生返事をしたが、しょうがない、諦めてこの人のいうことを聞いておこう。そう決心した。
「さ、着替えて着替えて!今日はお買い物よ!!!」
フリケルセに促されて、薫は手渡された服に着替えることにした。今まできていたジャージではなく、ファンタジーものに出てきそうな白いチュニックと同じく白い膝上丈のスカートだった。
スカートとは今まで無縁の生活をしていた薫だが、フリケルセがくれたものなので、いそいそと着替えて彼と共に買い物へと出かけるのであった。




