chapter9
皆さんは“酒場”という施設をご存知だろうか。名前そのまま酒を飲む店を指す言葉である。本来、この娯楽&飲食を兼ね備えた店はRPGの中に存在する。私たちが暮らす日常ではお目にかかることができないような、そんな施設。
そんな施設は普通、単独で店を構えるんだが、
「新入りも見とけよ!!」
「「「イッキ!イッキ!」」」
「ウオォォォォ!!!。」
俺は宿場に来ていたはずだ。なのに何故、ここに酒場と比べても比べきれない程の威勢と熱気に当てられた空間が“食堂”として存在しているんだ?
とりあえずテーブルを囲んで一気飲みをしているおっさんたちを掻い潜り、奥にあったカウンターの席に着く。
「がっはっは!新入りにはそれなりに堪えるフインキか!」
先程もかけられた低い声。振り向くといつの間にか片手にビールジョッキを持つ俺に一番最初に声をかけた鎖帷子を身に纏うおっさんを見つける。するとその発言に同調するようにまた一人、一人と集まってくるおっさん。
「そりゃあそうだろ!なんたってここは酒場も同然なんだから、そのちっちゃい新入りには刺激が強いっての!」
「ちっちゃい言うなぁ!」←俺
「おぉう、威勢いいねぇ。おいおっちゃん!ここの坊主にメシと酒だぁ!」
気がつけば後ろは壁。前、左右はおっさん軍団がいつの間にか取り囲んでいた。えっ四面楚歌!? これが先輩冒険者の実力!?
んでいつの間にか手には酒瓶。
「さぁ坊主も飲め飲め!がっはっは!」
「「「イッキ!イッキ!」」」
「ぎゃあぁぁぁぁぁ」←俺
食事の前にイッキとは此れ如何に?
次に気がついたのは俺の部屋と思われる六畳ほどの部屋のベットの上。壮絶な頭痛とめまいを伴って起き上がる羽目になった。ベッドの傍らにはメモ。
[気絶したあんたはほかの冒険者が運んでくれたよ。二日酔いなら朝飯で薬出すからカウンターまで来な。朝飯はあんな大騒ぎにならないから安心して降りてこい。――女将]
・・・女将さん、冒険者さん。ありがとうございます。
俺は気絶したようだ。下手に酔っ払うよりはマシだったかもしれない。食堂での記憶が一分も無いのは俺の撃沈速度の速さを明確に表している。もう酒は飲まんぞ。
とりあえずベットから体を離し、おぼつかない脚で窓に取り付けられた木製のすだれを上げる。まだ外は暗く、日の出にはまだ時間がありそうだ。
外の空気をめいっぱい吸い込み、深呼吸を済ませ、気分を一新する。さぁ何しようか。
とりあえず革の鎧を装備。見た目は某モンスターハントゲームのレザー装備に少し手を加えた感じ。腰にクリス、懐の収納スペースに杖を挿し、アイテムボックスを取り付けて装備完了。
そういえばステータスを見ていなかったことを思い出し、ステータスバーを開く。もちろん【ステータス】スキルを使用して。
スキルステータスに変動は無いが、キャラクターステータスには変化があり、筋力値や耐久値、魔力値、敏捷値がそれぞれ上がっていて、レベルは2に上がっていた。
レベルが一つ上がると全てのステータスがあがる仕組みか。HP、MPも上がってる。spも上がっているがとりあえず置いておく。たった三ポイントでは出来ることも知れているだろう。
と、そこでバーに並ぶ活字で酔いを起こし、再びベッドに寝転がる。二日酔いってほんとに怖い。
「うぅ・・・頭ぁ・・・痛ぇ・・」
呟きながら枕に顔を埋める。
そのまま寝てしまい、どれくらいの時間がたっただろう。強い日が開けっ放しの窓から差し込んでくる。要するに日の出。眩しいので起き上がり、部屋を出て鍵をかける。
今から一時間は朝食だ。いち早く二日酔いの薬を手に入れないと・・・
~ステータス~
name 大嶺真牙
HP 500/500
MP 250/250
筋力値 18
耐久値 14
魔力値 15
敏捷値 25
sp 3




