プロローグ
見つけてくれてありがとうございます。
初めて書く上に、日本語が下手くそです。
一応、挿絵も描きました。
完全に自己満のために書いています。
それでも大丈夫なら読んで欲しいです。
ピピピ……ピピピ……
「……」
「朝か……」
枕元にある目覚ましを止め、軽く伸びをする。
「お兄ちゃん起きた~?」
リビングから聞こえる妹の声。
まだ開ききっていない瞼を軽く擦る。
「……起きますか」
ベッドから下り部屋を出て、リビングへ。
「おはよっ、お兄ちゃん」
「おはよう。今日もバイトか?」
「うん、バイト~。今日は散歩の当番~」
今は春休み中で2人とも学校は休みだが、妹の未桜はペットショップでアルバイトをしている。
ペットショップ埴原。母の親友が営んでいる店だ。
ペットショップには犬や猫の他に、人間の子供に犬の耳や尻尾が生えたような動物”狛仁“、猫の耳や尻尾が生えたような”猫仁”がいる。
狛仁と猫仁は、人の言葉を喋ることができる。加えて犬や猫とのコミュニケーションを取ることもできる。
「お皿並べるの手伝って~」
「うい」
テーブルに皿を並べ、椅子に腰を下ろす。
うちは両親とは別で暮らしている。…というか、俺が専門学校に上がるときに1人暮らしを始めるため、アパートを借りて1人暮らしを満喫していたのだが、未桜が高校に上がるとき、進学先の高校が俺の住んでるアパートの方が近いという理由で、勝手に転がり込んで来やがった。
「未桜が家に来てからもう1年か。急に家に転がり込んで来たときは驚いたよ」
「あはは、ごめんね~。もういいでしょ、その話は~」
「ーーよし、できた。食べよ食べよ」
トーストの香りと、コーヒーの香りが空気の中で混じり合う。良い香りだ。
「いただきます」
「いただきま~す」
トーストにはやっぱり、いちごジャムだよな。いちごジャムをたっぷりと塗ったトーストに噛り付く。外はサクサク、中はふんわりのトーストに乗った、いちごジャムの甘味、柔らかい果肉とつぶつぶの食感。ん~~~!たまらん!!美味い!!!
「お兄ちゃんは今日どうするの?」
「ん…。本屋にでも行こうかなって考えてるよ」
俺はデザインの専門学校に通っている。
学校では、いろいろなデザインの勉強や、デッサンにクロッキー、デジタルイラスト等を描いたりしている。
今日は雑誌の表紙や中身のデザインの勉強しようと思っている。
「じゃあ、方向一緒だし、一緒に家出る?」
「やめとく。この時間に家出ても本屋開いてないし」
「え~、ぶ~~ぶ~~」
未桜が頬を膨らませる。
「ごちそうさま~。お兄ちゃん後片付け頼んでいい?」
「おっけ。任せとけ」
「じゃあ、いってきま~す」
「いってらっしゃい」
未桜は食器を流しに持って行くと、バタバタとリビングから出て行った。
食事を済ませたら洗い物をして、小1時間クロッキーするか。
◇
「この時期は服装に困るんだよな~」
朝は肌寒く、昼間は暖かい。体調を崩しかねない。すぐ着脱できるように上着を1枚着ていくのがベストだろう。
上着を羽織り、財布にスマホ、家の鍵を持ち、俺は家を出た。
本屋は家から少し距離がある。歩いてもいいのだが、今日は自転車を使おう。
自転車で本屋に向かう最中、ペットと散歩をしている人を何人か見かける。
「やっぱり狛仁、猫仁の散歩は、親子で散歩してるように見えるな~」
人の子供と、狛仁、猫仁の見分けがしづらいことが偶にある。そういうときは、首元を見ると良い。狛仁と猫仁は必ず首輪をしている。一目瞭然だ。
「あっ!春く〜ん!」
横断歩道を渡ろうとしたとき、向かいの歩道から声をかけられた。声のする方を見ると、大きく手を振る長谷川先輩の姿があった。
「あ、長谷川先輩…!」
長谷川莉乃先輩は俺と同じデザイン科の1個上の先輩だ。
俺の通う専門学校は4年制で、俺は3年で先輩は4年生だ。
先輩との出会いは体験入学のときで、そのときからずっと親切にしてもらっている。
俺は横断歩道を渡り、長谷川先輩に駆け寄った。
「こんにちは長谷川先輩」
「こんにちは。どこかにお出かけ?」
「はい、本屋に。雑誌のデザインの勉強しようかなと思いまして」
「真面目だね〜!私も見習わないとな〜」
「長谷川先輩たちたちはどこに行くんですか?」
「お花見をしに公園に行くの」
「いいですね!お花見」
俺はそう言いながら、先輩の隣にいる子たちに視線を合わせるようにしゃがみこんだ。
「こんにちは、フローラちゃん、ルナちゃん」
「こんにちは!はじめ!」
「はじめさん、こんにちは…」
先輩と繋いだ手をブンブン振っている子がフローラちゃんで、先輩の脚の後ろに隠れてる子がルナちゃんだ。2匹は狛仁の双子の姉妹。
最初会ったときは目すら合わせてくれなかったが、今では挨拶を返してくれるし、おしゃべりもできるようになった。嬉しいよね。
「な~ぁに春くん、私の脚じぃ~っと見つめちゃって」
「や、ち、違いますよ!フローラちゃんとルナちゃんに挨拶してただけです!」
立ち上がって否定する。
「焦っちゃて可愛い、冗談よ」
……
くいくいっ
上着が引っ張られる。下を向くとルナちゃんが小さな手で俺の上着を掴んでいた。
「……はじめさんも一緒にお花見行く?」
ルナちゃんがこちらを見上げ、小首を傾げる。
「俺は今から行くところあるから……」
「ええ~!行こ~よ~!!」
フローラちゃんまで……
「こら、春くんが困ってるでしょ」
怒られてなのか、一緒に行かないことに対してなのか、
しょんぼりするふたり。
「じゃあさ、今度一緒に遊ぼうか」
そう俺が言った途端、フローラちゃんとルナちゃんは晴れやかな表情になった。
「本当?!約束だよ!」
「約束……!」
「うん。約束」
「良かったね、フローラ、ルナ」
「「うん!!」」
「じゃあ、私たちはもう行くわね。私とも遊びましょうね、2人っきりで」
「えっ、あ……はい。バイバイ、フローラちゃん、ルナちゃん」
「バイバイ!はじめ!」
「……バイバイ」
先輩たちに手を振り、別れる。フローラちゃんは大きく手を振り、ルナちゃんも小さくだが手を振り返してくれた。
可愛かった双子と綺麗な先輩の脚を思い出しつつ、自転車で再び本屋へ向かう。
本屋で雑誌を数冊購入し、すぐ帰ろうかと思ったが、少し遠回りをして桜を見に公園に寄ってから帰ることにした。もしかしたら、また先輩たちに会えるかもしれないし。
公園に到着。駐輪場に自転車を止め、ぶらぶら歩く。桜が満開で視界が桜色でいっぱいだ。桜を見ながら歩いていると見知った顔を見つけた。
「よっ!館花!」
「あ、桃渓くん。こんにちは~。桃渓くんもお花見?」
彼女の名前は館花ゆかり。クラスメイトだ。
「うん、ちょっと見に来た。も、ってことは館花も?」
「そうなの。今日ね、この子が桜を見に行きたいって言うから一緒に見に来たの」
館花はそう言いながらリードを握っている左手を少し上げる。握られたリードの先を見ると、ツインテールの猫仁がいた。
「あれ?館花って猫仁飼ってたっけ?」
「飼ってるよ~。あ、そうか会わせる初めてだし、飼ってること言ったこともなかったね」
うむ、初耳だ。
「この子、あゆちゃんっていうの」
「こんにちは、あゆよ。いつもゆかりがお世話になってるわ」
ぺこりとお辞儀。
「どうも……」
こちらも思わずお辞儀。
「可愛いでしょ」
「うん、可愛い。それと、しっかりしてる……ね」
ちょっと気になるところあるけど……
「ーーそれにしても、今日は良く晴れてて、絶好の花見日和だね。ね、あゆちゃん」
「あゆ」
「あゆちゃん?」
「あゆ!」
困っていると、館花がこっそり俺に耳打ちした。
「……多感な時期みたいで、大人に憧れてるみたいなの。だから、ちゃん付けが嫌みたい」
そういうことだったのか。あれ?おかしいな、館花は『あゆちゃん』って呼んでるじゃないか。
「私はいいの」
心読まれた?!
「……ほら、あゆって呼んであげて」
俺は館花を見て小さく頷いた。
「今日は絶好の花見日和だね。あゆ」
「そうね!綺麗だわ!」
尻尾が左右に大きく揺れてるのを見て、館花と顔を見合わせて笑う。
「くしゅんっ」
「どうしたの、あゆちゃん花粉……症ではなかったよね。寒い?」
あゆが腕を両手で擦り、肌寒そうにしている。
「少し、ね」
「そうだ、これ着なよ」
俺はいそいそと上着を脱ぐと、あゆに差し出す。
「いいよ、桃渓くん。私たちもう帰るから」
「いいんだ。ちょうど暑いから脱ごうと思ってたんだよ」
そう言うと、俺はあゆの肩に上着を掛ける。
「ありがとう……。暖かい……」
上着で自分の体を覆うようにして、穏やかに微笑んだ。
「どういたしまして」
優しく微笑み返す。にやけてないよね?大丈夫だよね?
「ごめんね、桃渓くん。今度、洗って返すから」
「おう。別に洗わんでもい……」
「洗って、返すからね」
「……はい。お願いします」
その後、さんにんでお花見をしながら、まったりおしゃべりをした。
「あ、もうこんな時間。帰らなきゃ」
空を見ると日が傾き始めていた。
「それなら俺も帰ろうかな。じゃあ、また学校でな」
「うん!またね〜」
「あゆも、またな」
「また会いましょ。……上着、貸してくれてありがとう」
「おう」
桜も見れたし、俺も家に帰るか。
◇
「ただいま~…」
部屋で買った雑誌を見ていたら未桜が帰ってきた。
「おかえり~」
雑誌を見ながら返事をする。
「あの~、お兄ちゃん?話があるんだけど~……」
……ん?なんだ?
雑誌を閉じ、玄関へ向かう。
「なんだ~?…って、ご、狛仁?!」
「うん……。家で面倒見れないかな~って……」
読んでくださりありがとうございます。
狛仁、猫仁は似非中国語読みです。正直気に入ってないです。




