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ESQUISSE  作者: 2k43
第一章-出会いと別れ-
1/8

プロローグ

見つけてくれてありがとうございます。

初めて書く上に、日本語が下手くそです。

一応、挿絵も描きました。

完全に自己満のために書いています。

それでも大丈夫なら読んで欲しいです。

 ピピピ……ピピピ……

「……」

「朝か……」

 枕元にある目覚ましを止め、軽く伸びをする。

「お兄ちゃん起きた~?」

 リビングから聞こえる妹の声。

 まだ開ききっていない瞼を軽く擦る。

「……起きますか」

 ベッドから下り部屋を出て、リビングへ。

「おはよっ、お兄ちゃん」

「おはよう。今日もバイトか?」

「うん、バイト~。今日は散歩の当番~」

 今は春休み中で2人とも学校は休みだが、妹の未桜(みお)はペットショップでアルバイトをしている。

 ペットショップ埴原(はにはら)。母の親友が営んでいる店だ。

 ペットショップには犬や猫の他に、人間の子供に犬の耳や尻尾が生えたような動物”狛仁(ごうれん)“、猫の耳や尻尾が生えたような”猫仁(まおれん)”がいる。

 狛仁(ごうれん)猫仁(まおれん)は、人の言葉を喋ることができる。加えて犬や猫とのコミュニケーションを取ることもできる。

「お皿並べるの手伝って~」

「うい」

 テーブルに皿を並べ、椅子に腰を下ろす。

 うちは両親とは別で暮らしている。…というか、俺が専門学校に上がるときに1人暮らしを始めるため、アパートを借りて1人暮らしを満喫していたのだが、未桜が高校に上がるとき、進学先の高校が俺の住んでるアパートの方が近いという理由で、勝手に転がり込んで来やがった。

「未桜が家に来てからもう1年か。急に(うち)に転がり込んで来たときは驚いたよ」

「あはは、ごめんね~。もういいでしょ、その話は~」

「ーーよし、できた。食べよ食べよ」

挿絵(By みてみん)

 トーストの香りと、コーヒーの香りが空気の中で混じり合う。良い香りだ。

「いただきます」

「いただきま~す」

 トーストにはやっぱり、いちごジャムだよな。いちごジャムをたっぷりと塗ったトーストに噛り付く。外はサクサク、中はふんわりのトーストに乗った、いちごジャムの甘味、柔らかい果肉とつぶつぶの食感。ん~~~!たまらん!!美味い!!!

「お兄ちゃんは今日どうするの?」

「ん…。本屋にでも行こうかなって考えてるよ」

 俺はデザインの専門学校に通っている。

 学校では、いろいろなデザインの勉強や、デッサンにクロッキー、デジタルイラスト等を描いたりしている。

 今日は雑誌の表紙や中身のデザインの勉強しようと思っている。

「じゃあ、方向一緒だし、一緒に家出る?」

「やめとく。この時間に家出ても本屋開いてないし」

「え~、ぶ~~ぶ~~」

 未桜が頬を膨らませる。

「ごちそうさま~。お兄ちゃん後片付け頼んでいい?」

「おっけ。任せとけ」

「じゃあ、いってきま~す」

「いってらっしゃい」

 未桜は食器を流しに持って行くと、バタバタとリビングから出て行った。

 食事を済ませたら洗い物をして、小1時間クロッキーするか。


 ◇


「この時期は服装に困るんだよな~」

 朝は肌寒く、昼間は暖かい。体調を崩しかねない。すぐ着脱できるように上着を1枚着ていくのがベストだろう。

 上着を羽織り、財布にスマホ、家の鍵を持ち、俺は家を出た。

 本屋は家から少し距離がある。歩いてもいいのだが、今日は自転車を使おう。

 自転車で本屋に向かう最中、ペットと散歩をしている人を何人か見かける。

「やっぱり狛仁(ごうれん)猫仁(まおれん)の散歩は、親子で散歩してるように見えるな~」

 人の子供と、狛仁(ごうれん)猫仁(まおれん)の見分けがしづらいことが偶にある。そういうときは、首元を見ると良い。狛仁(ごうれん)猫仁(まおれん)は必ず首輪をしている。一目瞭然だ。

「あっ!(はじめ)く〜ん!」

 横断歩道を渡ろうとしたとき、向かいの歩道から声をかけられた。声のする方を見ると、大きく手を振る長谷川先輩の姿があった。

「あ、長谷川先輩…!」

 長谷川莉乃(はせがわりの)先輩は俺と同じデザイン科の1個上の先輩だ。

 俺の通う専門学校は4年制で、俺は3年で先輩は4年生だ。

 先輩との出会いは体験入学のときで、そのときからずっと親切にしてもらっている。

 俺は横断歩道を渡り、長谷川先輩に駆け寄った。

「こんにちは長谷川先輩」

「こんにちは。どこかにお出かけ?」

「はい、本屋に。雑誌のデザインの勉強しようかなと思いまして」

「真面目だね〜!私も見習わないとな〜」

「長谷川先輩たち()()はどこに行くんですか?」

「お花見をしに公園に行くの」

「いいですね!お花見」

 俺はそう言いながら、先輩の隣にいる子たちに視線を合わせるようにしゃがみこんだ。

挿絵(By みてみん)

「こんにちは、フローラちゃん、ルナちゃん」

「こんにちは!はじめ!」

「はじめさん、こんにちは…」

 先輩と繋いだ手をブンブン振っている子がフローラちゃんで、先輩の脚の後ろに隠れてる子がルナちゃんだ。2匹は狛仁(ごうれん)の双子の姉妹。

 最初会ったときは目すら合わせてくれなかったが、今では挨拶を返してくれるし、おしゃべりもできるようになった。嬉しいよね。

「な~ぁに春くん、私の脚じぃ~っと見つめちゃって」

「や、ち、違いますよ!フローラちゃんとルナちゃんに挨拶してただけです!」

 立ち上がって否定する。

「焦っちゃて可愛い、冗談よ」

 ……

 くいくいっ

 上着が引っ張られる。下を向くとルナちゃんが小さな手で俺の上着を掴んでいた。

「……はじめさんも一緒にお花見行く?」

 ルナちゃんがこちらを見上げ、小首を傾げる。

「俺は今から行くところあるから……」

「ええ~!行こ~よ~!!」

 フローラちゃんまで……

「こら、春くんが困ってるでしょ」

 怒られてなのか、一緒に行かないことに対してなのか、

 しょんぼりするふたり。

「じゃあさ、今度一緒に遊ぼうか」

 そう俺が言った途端、フローラちゃんとルナちゃんは晴れやかな表情になった。

「本当?!約束だよ!」

「約束……!」

「うん。約束」

「良かったね、フローラ、ルナ」

「「うん!!」」

「じゃあ、私たちはもう行くわね。私とも遊びましょうね、2人っきりで」

「えっ、あ……はい。バイバイ、フローラちゃん、ルナちゃん」

「バイバイ!はじめ!」

「……バイバイ」

 先輩たちに手を振り、別れる。フローラちゃんは大きく手を振り、ルナちゃんも小さくだが手を振り返してくれた。

 可愛かった双子と綺麗な先輩の脚を思い出しつつ、自転車で再び本屋へ向かう。


 本屋で雑誌を数冊購入し、すぐ帰ろうかと思ったが、少し遠回りをして桜を見に公園に寄ってから帰ることにした。もしかしたら、また先輩たちに会えるかもしれないし。


 公園に到着。駐輪場に自転車を止め、ぶらぶら歩く。桜が満開で視界が桜色でいっぱいだ。桜を見ながら歩いていると見知った顔を見つけた。

「よっ!館花!」

「あ、桃渓(ももたに)くん。こんにちは~。桃渓くんもお花見?」

 彼女の名前は館花(たちばな)ゆかり。クラスメイトだ。

「うん、ちょっと見に来た。も、ってことは館花も?」

「そうなの。今日ね、この子が桜を見に行きたいって言うから一緒に見に来たの」

挿絵(By みてみん)

 館花はそう言いながらリードを握っている左手を少し上げる。握られたリードの先を見ると、ツインテールの猫仁(まおれん)がいた。

「あれ?館花って猫仁(まおれん)飼ってたっけ?」

「飼ってるよ~。あ、そうか会わせる初めてだし、飼ってること言ったこともなかったね」

 うむ、初耳だ。

「この子、あゆちゃんっていうの」

「こんにちは、あゆよ。いつもゆかりがお世話になってるわ」

 ぺこりとお辞儀。

「どうも……」

 こちらも思わずお辞儀。

「可愛いでしょ」

「うん、可愛い。それと、しっかりしてる……ね」

 ちょっと気になるところあるけど……

「ーーそれにしても、今日は良く晴れてて、絶好の花見日和だね。ね、あゆちゃん」

「あゆ」

「あゆちゃん?」

「あゆ!」

 困っていると、館花がこっそり俺に耳打ちした。

「……多感な時期みたいで、大人に憧れてるみたいなの。だから、ちゃん付けが嫌みたい」

 そういうことだったのか。あれ?おかしいな、館花は『あゆちゃん』って呼んでるじゃないか。

「私はいいの」

 心読まれた?!

「……ほら、あゆって呼んであげて」

 俺は館花を見て小さく頷いた。

「今日は絶好の花見日和だね。あゆ」

「そうね!綺麗だわ!」

 尻尾が左右に大きく揺れてるのを見て、館花と顔を見合わせて笑う。

「くしゅんっ」

「どうしたの、あゆちゃん花粉……症ではなかったよね。寒い?」

 あゆが腕を両手で擦り、肌寒そうにしている。

「少し、ね」

「そうだ、これ着なよ」

 俺はいそいそと上着を脱ぐと、あゆに差し出す。

「いいよ、桃渓くん。私たちもう帰るから」

「いいんだ。ちょうど暑いから脱ごうと思ってたんだよ」

 そう言うと、俺はあゆの肩に上着を掛ける。

「ありがとう……。暖かい……」

 上着で自分の体を覆うようにして、穏やかに微笑んだ。

「どういたしまして」

 優しく微笑み返す。にやけてないよね?大丈夫だよね?

「ごめんね、桃渓くん。今度、洗って返すから」

「おう。別に洗わんでもい……」

「洗って、返すからね」

「……はい。お願いします」

 その後、さんにんでお花見をしながら、まったりおしゃべりをした。

「あ、もうこんな時間。帰らなきゃ」

 空を見ると日が傾き始めていた。

「それなら俺も帰ろうかな。じゃあ、また学校でな」

「うん!またね〜」

「あゆも、またな」

「また会いましょ。……上着、貸してくれてありがとう」

「おう」

 桜も見れたし、俺も家に帰るか。


 ◇


「ただいま~…」

 部屋で買った雑誌を見ていたら未桜が帰ってきた。

「おかえり~」

 雑誌を見ながら返事をする。

「あの~、お兄ちゃん?話があるんだけど~……」

 ……ん?なんだ?

 雑誌を閉じ、玄関へ向かう。

「なんだ~?…って、ご、狛仁(ごうれん)?!」

「うん……。(うち)で面倒見れないかな~って……」

読んでくださりありがとうございます。

狛仁、猫仁は似非中国語読みです。正直気に入ってないです。

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