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《揺れる真実》セレナの違う力に戸惑うルクシア



旅の途上、幾度目かの野営の夜。

焚き火の炎を前に、ルクシアはセレナに問いかけていた。


「……どうして、あなたの妖精の力は私たちのものと違うの?」


その声音には苛立ちよりも純粋な疑念が滲んでいた。短剣で胸の紋を突き、無理やり妖精を呼び出す自分たちに対して、セレナは歌だけで自在に妖精を顕現させる。

同じ「妖精使い」でありながら、あまりにもその在り方は異なっていた。


セレナは火の揺らぎを見つめたまま、短く答えた。

「……私は一族の血を受け継いでいる。ただそれだけ。あなたたちのように、傷つける必要はないそれだけ…」


その説明に、ルクシアは深く黙り込む。

セレナの瞳には、どこか哀れみの色さえ浮かんでいた。

――この子たちは、本来の使い手ではない。無理やり作られた兵器にすぎない。

セレナはそう思っていたが、口には出さなかった。


その翌日。森を抜ける途上で、突如として影が現れた。

黒い仮面、冷たい声。アニマエウンヴラエの一人だった。


「……ノクティアのやり方はぬるい。私がここで終わらせる」


その刹那、空気が裂けるように妖精の力が放たれた。

ルクシアとミリアが応戦し、セレナもまた歌で妖精を呼び出す。


――そして、ルクシアは気づいてしまった。


「……セレナの力……あの影の女と同じ……?」


歌に応じて姿を現す妖精の在り方。それはアニマエウンヴラエが操るものと酷似していた。

同族の力?。

それは偶然ではない。


「どうして……? セレナ、あなたと彼女たちは……同じなの?……」


ルクシアの震える声に、セレナ自身も一瞬目を見開いた。

彼女の胸の奥に、今まで否定してきた疑いが突き刺さる。


「……まさか……私の一族と……」


焚き火の夜に語った自分の血筋。

それが仇として名を刻むアニマエウンヴラエと繋がっているのではないか――。


ルクシアの心に疑問が渦巻いた。

仇と呼んできた存在は、もしかするとセレナの同族。

ならば、自分は何と戦っているのか。復讐とは何なのか。


燃えるような戦闘の中、その疑念だけが静かに心を侵食していった。

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