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41日目:プリンさんおすすめ

 ミウちゃんと契約獣たち、カパルさんにめいいっぱい遊んでもらって楽しそうだった。

 シャルが疲れ果てて寝ちゃったので、そこで解散。生まれたばっかりだもんねえ。


「結局午前中使っちゃったねえ」

「ピーチャンタノシカッタノヨー!」

 テトもたのしかったのー♪

 と、満足そうなテトとピーちゃんである。カパルさんすごいよ、4匹相手に両手で別々の猫じゃらし持って振りまくってたからね。あれはプロのわざと言っても良いかもしれない。

 シャルは寝ちゃったので、今はテトの頭の上ですやすやです。<騎乗者保護>スキルがあるから落とさないという信頼がある。

 僕とプリンさんはどっちがかわいいスクショを撮れるか勝負をしてたんだけど、途中から如月くんも参戦して、色んな角度からかわいい成分を摂取したのである。3人それぞれのベストショットを見比べたりして楽しかった!

 でもしれっと最後にイオくんが差し出したスクショがめっちゃ素晴らしい一枚だったので、イケメンの上に写真センスあるとかさすがイオくんだな、親友の僕も鼻高々ってなものである。


「ちょっと早いけど、お昼になるから、私のおすすめのパスタ屋さんでいいかしら?」

 プリンさんの提案にみんなで頷いて、うきうきと南北通りへ向かう。北門の方に向かって、途中で西方向へ。「雨雲通り」という通りで、灰色の石畳の道が伸びている。この通りは主に食品を扱う店が立ち並んでいて、地域密着型の商店街みたいな印象だ。

「ゴーラだから魚介類を扱う店ばっかりだけど、お刺身とかナマモノを扱う店は無いわ。すぐそこに干物を作っている作業場もあるのよ」

「おお、干物もいいねえ!」

 乾屋ジゼルでも色々売ってたけど、ここで作られたものも扱ってたのかな? どんな作業してるのかちょっと見てみたい気持ちもあるけど、とりあえずはお昼ごはんだ。

「こちら! パスタ屋・きまぐれキッチンよ!」

「おおー!」

「お、ゴーラで珍しい店だな」

「ガラスきれいですね」


 プリンさんが紹介してくれたお店は、とにかく1階部分ばーんと開け放っている店が多いゴーラにおいて、珍しく開放感のないお店だった。

 とはいえ、閉鎖感はない。なぜならガラス窓が他の店よりも大きいから!

 すごく大きなガラス窓がどどーんと壁に設置されているおかげで、他の店に負けない開放感もある。そして店内にカラフルなタイルを散りばめているので、すごく印象が明るい感じだ。

「若者の店って感じ」

「客層もそんな感じだな」

 なんて冷静に言い合っているイオくんと如月くんの声を聞きつつ、プリンさんが扉をあけて店内へ。テトもその後に続くので、僕もテトの後ろから店内へ……テト、扉を開けてくれてる? ありがとう、なんて気が利く猫なんだ……! えらい!

 ナツかよわいからテトにたよるのー!

「頼りになるテト最高では? ありがとうありがとう、撫でます」

 わーい♪

 にゃふっとドヤ顔するテトさん、実に素晴らしい猫である。


「ほら、早く店に入れ?」

「あ、ごめんごめん。テトがすごく優しくて良い子だなって」

「席に着いてからにしてやれ。プリンが呼んでるぞ」

 見れば奥の方の席からプリンさんが手を振ってくれている。慌ててそっちに向かうと、向かい合わせのソファ席を確保してくれていた。

「テトは2人分の席使うかしら? それなら奥を使ってもらって大丈夫よ」

「ありがとう、プリンさんも気が利いて素晴らしいと思います!」

 奥側のソファに僕とテトが座り、その対面にイオくん、如月くん、プリンさんの順番で座る。すぐにプリンさんが知り合いらしい店員さんを呼んだ。

「今日のパスタって何かしら?」

「今日の日替わりはイカスミパスタですよ!」

「ありがとう!」

 多分プリンさん、この店通い詰めてるんだろうなーって感じだ。すごく慣れている。


「このお店のメニューは今聞いた日替わりパスタと、エビとイカたっぷりのペスカトーレ、アサリとトマトのピリ辛ボンゴレロッソ、爽やかな風味のジェノベーゼの4種類よ。知ってるかもしれないけど、ゴーラってお肉の値段が高いの。だから定番のボロネーゼとかは置いてないのよね」

「ランチは全部セットの金額? 全部1,000Gなのはわかりやすいね」

「そうよ、サラダとスープがセットになってるから、パンがほしかったら追加で頼んでね。デザートは200G をプラスすれば追加できるわ」

 むむ、デザートはティラミスかジェラートかパンナコッタ……パンナコッタいいね! 白いからテトも気に入るかも。デザート単品だと400Gで頼めるって書いてあって助かる。

「テト、このパンナコッタっていうデザートが甘くて白いよ!」

 すてきー! テトそれにするのー。

 即決のテトさん、決断が早くてえらい! 僕はどうしよっかなー。ジェラートはサンガで買ったのがまだ残ってるし、ティラミスはこの前食べたような気がするから、僕もパンナコッタつけよう。


「色々迷うけど、ジェノベーゼにしよう! イオくんたちどうする?」

「俺はペスカトーレ。パン追加で、デザートはいらない」

 ちなみに昔パスタ系のファミレスに行った時、イオくんに教えてもらったんだけど、イカスミパスタって本場イタリアのヴェネツィア発祥っていわれてるらしい。なんかああいうのって日本の創作パスタなのかなって勝手に思ってたから、本場の味で驚いた思い出。明太パスタの派生かと思ってたんだよ昔は。

「俺はボンゴレロッソにします。辛いの食べたいし……パンとデザートも追加で!」

「うーん、イカスミは見た目があんまり食欲をそそらないのよね……。私もボンゴレロッソにして、デザートだけ追加しようかしら」

 店員さんを呼んで注文し、僕とテトとプリンさんはパンナコッタを追加、如月くんはジェラートを追加した。辛いものの後には冷たいものが食べたくなるんだって。

 追加できるパンは、白くて柔らかいパンか、フランスパン系の……覚えてるぞ、クッペ! それか、ライ麦のパンの3種類が選べる。白いパンだけ+300Gで、他のは+200G 。

 ライ麦ってちょっと酸味のあるやつだったような気がする、ちょっと苦手なんだよねあれ。というわけで僕と如月くんとイオくんはそろってクッペを頼んだ。


「ライ麦パン、私は結構好きなんだけど。ちょっとナッツっぽくない?」

 とはプリンさん談。確かに香ばしい感じあるよねー。

「僕、酸味が苦手で」

「俺は歯ごたえが……すごく噛み応えありますよね」

「食い慣れたやつが一番」

 上から僕、如月くん、イオくんの言い訳である。パンの味って結構好き嫌いあるよね。食パンが苦手って人もいるし。柔らかいパンが好きとか、硬いパンが好きとか……僕はサクサクしたパンとか、クルミ入りとか触感が楽しいのが好き!

 テトははちみつぬってあるのがすきー。

「テトの好きなパンは甘いやつだもんねー」

 でもねー、エクラのはちみつぬってあるのがいちばんなのー。イオいつもぬってくれるから、とってもしあわせなきもちー。

「イオくんはマメな男だからね、さすが行動もイケメン」

 さらっと気遣いできるところ、尊敬である。


 そんな会話をしていると、さほど待たずにパスタがやってきた。うーん、いい香り。あんまりお腹空いてない気がしてたけど、いざパスタを目の前にするとすごく食べたい気持ちになる。

 テトのパンナコッタも、浅めのお皿に入れてもらってるから食べにくくはないと思う。相変わらず「しろくてすてきー」ってニコニコしながら目で楽しんでいる。ゆっくりお食べ……。

 では僕もいただきます!

「ん、美味しい! 結構チーズ効いてる!」

 フレッシュバジルとオリーブオイルとにんにくの、結構シンプルなパスタなんだよね、たしか。こっちの世界の作り方なのか、レモン風味で爽やか、さっぱり食べられる味だよ。

 モッツァレラチーズが入ってて、個人的にすごくポイント高い。

「えー、これいくらでも食べられるかもしれない、すごくさっぱりしてて食べやすい」

「ナツはリアルだとあんまりジェノベーゼは食べないよな」

「ナポリタンとかボロネーゼとか好きだよ! あとカルボナーラ!」

「見事なお子様味覚」

「美味しいものは美味しいので!」


 そう言えば定番のカルボナーラはメニューにないんだね。乳製品だから定番メニューでもおかしくないと思うんだけど……と思っていると、プリンさんがたまに日替わりで出ると教えてくれた。

「ベーコンの安定したツテがないらしいわ」

「そういうこともあるんだねえ」

 残念だけど、また食べに来たいので、その時にでも遭遇できたらいいなあ。

 ちなみに僕の得意料理はと問われたら、迷うこと無くパスタと答えるんだけど、作成頻度が高いってだけでソースから手作りとかはしてない。たまにベーコン足したり冷凍ほうれん草足したりはするけど、市販のパスタソース美味しいからそれでいいよね?

「俺はリアルだとパスタ苦手なんですよね、ソースが絶対跳ねるんで」

「そうなんだ? 如月くんしっかりしてるから意外だね」

「トマトソース系が好きなんで、跳ねると目立つんですよね」

「すごくわかる……!」

 僕もよくやります。リアルでは白い服着ないからいいけど。


「午後なんだけど、私の師匠のやってる手芸店へ案内してもいいかしら? さっき<鑑定>させてもらっちゃったんだけど、ナツくんたちの手袋、それ強化可能の装備よね?」

「あ、そう言えばそう」

「どこで強化すればいいのかわからなかったんだが、心当たりがあるのか?」

 ちなみに武器や防具については、武器屋さんがまとめて強化してくれるんだそう。杖は杖工房か杖屋さん、靴は靴屋さんだ。布製品はどこで強化すればいいのかわからなかったし、未強化状態でも充分に強い装備だから、別に急がなくていいかってことでそのまま置いてるんだけど。

「裁縫店で強化できると思うわ。でも、布製品の強化って、武器みたいに前提条件をクリアしたら強化可能、って感じじゃないのよ」

 プリンさんが言うには、依頼する裁縫師によって多少の差があるものの、基本的に布製品の強化は使いたい素材と一緒に預けて強化してもらうって感じで、特に前提条件とかはないらしい。

 ただ難しいのが、強化したい布製品と素材に相性があって、しっかり相性を考えて素材を選ばなきゃいけないところ。一応、裁縫師さんがなんとなーく相性いいかもとか、悪いかも、とかわかるらしいんだけど。

 それと、布製品の強化については武器より強化回数の上限が低くて、多くても5回強化したらそれ以上強化できなくなるんだって。


 これ、神獣エクラさんからもらった手袋なんだけど……他の布製品と違うところってあるのかな? と考えていると、

「布用の強化素材はあまり揃ってないな……」

 とイオくんが難しい顔をした。確かに。

「だが、腕の良い裁縫師がいるなら紹介はしてほしい。ナツの装備縫ってもらいたい」

「そういえば良い布もらってたんだっけ」

 ダンジョン産の布だから、あれもなんかすごいかもだ。扱える職人さんがいるなら是非依頼したいね。

「じゃあ午後は手芸店のある通りを案内でいいわね。そちらは他に行きたいところがあるかしら、付き合うわよ」

「あ、じゃあ、教会! スペルシア教会に顔出せたら嬉しいかも、午後3時で閉まっちゃうから、間に合うようなら」

「スペルシア教会? 私の地図に載ってないわ、ぜひ行きましょう」

 白地図が埋まるのが嬉しいのか、顔を輝かせるプリンさん。午後3時で閉まるなら、先に教会に行きましょうかと提案までしてくれる。ありがたくそれに乗ることにして、午後の予定は決まりだ。


「じゃあ、ランチ終わったら教会、その後手芸店。その後はできればプリンさんの新しい仲間を紹介してほしいかも!」

「もちろん、OKよ!」

息抜き回。

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