第二百八十七章〜立つ
書せていただきます。久しぶりに新宿が舞台です。今回は どんな相手がつくのでしょうか?濡れ場は R 18ではないので控えめな表現になりますが お許しください。
満員電車の中で 悔しい思いをした蘭馬は、いつになく気分がハイだった。
━━こうなったらいつもの倍稼いであげなくちゃ。
そんな風に意気込んだ。だが、苛々が顔にでも出ているのか、なかなか声は掛からなかった。
基本、キスとフェラチ〇なしなら相手の年齢は選んでいなかった。キスとフェラチ〇は、オプション、別料金となるというシステムにしていた。お金くれるなら 我慢してやるよと いう意味だ。
30分ほどしただろうか。肩幅の広いカーキのコーデュロイ・パンツに、ラコステのポロシャツをゆとりを持って着ている三十前後と思われる男が近寄ってきた。眼と眼が合ったのでこちらに来るのだろうと確信した。蘭馬は待った。ほら 耳元に口を近づけて 囁くように言った。
「三万でどお?」
蘭馬は小さく頷いた。俺はバブル絶頂期みたいな時代だったら桁が違くなるのだろうが、この不景気な世界でそれは充分な額に思えたのだ。
男は香水をつけているようだった。が、そのブランドは分からなかった。
男はまっすぐに ホテル街に向かっていた。蘭馬もそれにつき従っていた。速足の男についていくのは大変だった。ポロシャツの裾を2本指で摘んで離れ離れにならないよう合図を送った。すぐにホテルに着いた。ホテルは男が独断で決めるようだ。そういうのは嫌な感じでもある。が、蘭馬は我慢した。大切なお客様だ。好きにしてもらおう。
オーソドックスな部屋だった。キングサイズのベッドが1台、部屋の中心に据えられていた。ベッドの脇に着くと、ようやく男が喋った。
「シャワー、先に浴びるかい?」
こっちから先に浴びたいと言うならともかく そうでないならどっちでも良かった。
「お好きになさって」
蘭馬は判断をまかせ。いきなり男が肩を抱いてきた。かなり強く。胸板の方に顔を圧し付けられた。香水の匂いはやっぱり きつかった。夏美ならそのブランドを言い当てられるのだろうが…。
お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。




