第百四十三章〜走る
書かせていただきます。逃亡の過程を書きます。マンネリにならないようにしたいです。お呼びになっていただけましたら幸いです。
龍と夏は息を切らしながら走った。
龍はサングラスを掛けて顔の印象を変えていた。夏は、ふとした思いつきで口の中に脱脂綿を大量に入れて頬裏に貼り付けて、ぷっくり膨れた頬を装っていた。
しばらく入れ替わりのことを考えていなかった。が、入れ替わりを解消しようなどとは少なくとも夏は考えていなかった。
━━龍はそれを望んでいるわけではないのだろうか?彼女は、一生蘭馬のままでいいと思っているのだろうか?訊いてみれば手っ取り早いのだろうが、その勇気はなかった。もし、解消してくれと言われた場合に、それに同意できる自信がないのだ。彼=夏は、できることなら、このまま夏美でいたいのであった。龍は走り疲れたのか、歩を止めてしまった。
荒い息をしている。両膝を曲げ、そこに手のひらを当ててくの字になっていた。
「大丈夫か?夏美。もう走るのはやめるのか?それともまだ行けるのか?」
「アンタ。運動してなかったでしょう?アンタの体、物凄く、基礎体力ないわよ。全然走れない」
夏美は言い返した。すごく正論であった。
お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。リアクション、御評価、メッセージ、などお受けいたしております。よろしければ いただけましたら幸いです。よろしくお願い申し上げます。




