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十四 橋

 コンクリートブロック、電信柱、高層ビル。それらはどれも見覚えのあるもので、一也は図書館から飛び出してまだそんなに遠くない場所にいることを自覚した。

 目の前には赤い傘を畳んだ女の子が立ち止まって、こちらに振り返っている。

「何か用?」

 不機嫌そうな感じではなかった。しかし、図書館からずっと後を付けられていたのは気分の良いことではないだろう。

 「ごめん」と謝りながら、右手に何かを握りしめていた事を思い出す。

 そこにはあの、銀色の指輪があった。そうだ、これを届けにここまで来たんだ。

 左手の指でつかみ取ると、手の平には丸く握りしめた跡が残る。

 灰色の雲の隙間からは、青い空と共に光が差している。

 一也は彼女に歩み寄ると、その指輪を差し出した。

「忘れ物だよ」


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