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10 地下施設の発見

 ここしばらく、王都では若い女性や子どもを狙った誘拐事件が増加していた。王立治安局が中心となり捜査を進めていたが、決定的な手がかりは得られていなかった。


 そんな折、レディアが見た夢の報告が宰相のもとへ届いた。


「地下施設……か」


 厳しい顔をした宰相は、即座にいくつもの組織に合同捜査を命じた。

 王立治安局、第三者監察院、そして王立魔術大研究所の一部調査班までもが動員される。


 監察院の参入によって捜査は一気に加速した。

 エドワード王弟殿下の指揮のもと、各組織の情報網が統合され、王都中の地下道や放棄された建物が徹底的に洗い出されていく。


◇◇◇


 数日後。


 ついに発見された。


 王都の外れ、古い水路に隣接した廃倉庫。その地下深くに、複雑な通路を持つ隠し施設が存在していた。


 鉄格子を破り、重い扉をこじ開けた治安局の兵士たちが松明を掲げる。暗闇の中から、怯えた瞳が無数にこちらを見上げていた。


「落ち着け、我々は王国の者だ!」


 汚れた服を着た子どもたち、若い女性たちが次々に救い出されていく。長い間閉じ込められていたのだろう、痩せこけ、震えていた。


 現場を見回していたエドワード王弟殿下は、表情を崩さぬまま静かに命じた。


「全員を保護し、治療を。関係者を一人残らず捕らえろ」


 夜の空気が、緊張に震えていた。


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