el mariachi 1
「今晩は、乙鬼」爽やかな表情で円城が挨拶をする。
「・・・・・・・」
「おや、どうしましたか?」
「・・・・・・円城・・」
「はい?」
「・・でてってくれ」
震えるような声で乙鬼が返事をした。
今からおよそ5分前、ブックオフで散々立ち読みをした乙鬼は、近くにあったロイヤルホストで夕食をとる事にした。そしてメニューを取ろうとした時、どこからともなくこの眼鏡男、円城が現れたのだった。あと少なくとも4ヶ月は見たくなかった顔を前に、乙鬼は今にも襲い掛かりそうなほど怒っていた。「まぁまぁそんなに怒んないで、飲食代は僕が払いますから、ね?」
「・・で、話は何?」
シーフードドリアをほおばりながら乙鬼は喋る。まだ少しムスッとしている。
「三週間程前ですね、世田谷区に潜伏していた暴力団員13名を逮捕したんですよ」
「それがどうした?」
「銃火器ですよ、乙鬼。」
「銃火器?」
「まぁ、あとは車の中でお話します」
杉並区環七通りの交差点を黒いクラウンが巡航する。速度はやや遅め、デンソー製のデジタルメーターは24km/hを指している。
「暴力団連中から押収した銃です。」
円城は左側後部座席の足場においてあるダンボールを指差した。
乙鬼はダンボールを開け、中からAK-47を取り出した。
「カラシニコフ、こんなもの、どこでだって手に入るだろ?」乙鬼は不思議そうに尋ねる。
「まぁその銃なら、どこからでも入手できますし、その気になれば、自分で製造だってできます。
問題なのはもっと奥の方ですよ」
乙鬼はAK-47を隣の座席に置き、ダンボールの中を覗いた。
「・・・・・!」突然乙鬼が驚きの表情を見せた。そして一丁のアサルトライフルを取り出した。
「・・H&K G36・・。」
「他にもフランキ・SPAS12、ベネリM3,M16A1、ステアー・AUG、エトセトラx2、それに、」
「それに?」
「そのG36,よく見てみて下さい。」乙鬼は言われるままにG36を観察し始した。
マガジンを外し、バレルを抜き取った。そして手を止めた。
「・・・組み立て方に少し荒さが見える、バラして輸送したんだ。」
「なめられたものですね、我々は見事に盲点を突かれました」円城の声のトーンが変わった。表情は冷めきっている。
「・・・・・・・。」乙鬼は何も言わなかった。
「これは政府、そして公安調査庁にとって有るまじき失態です。だから・・・」
「「マイナス」を始末するのが僕の仕事だ。」G36のマガジンを装填しながら、乙鬼は答えた。
円城はフッと笑うと、乙鬼のマンションの前でクラウンを止めた。
「詳細は後ほど送ります、それまでは「寝て待て」です。」
ウルキオラ製のソファーの上で乙鬼はベレッタ90-Two を掃除していた。テーブルの上には、弾丸とマガジンが大量に散らばっていた。
氷のような瞳は、黒く光る銃を見つめていた。
ここで、一応実物のものを説明したいと思います。
デンソー:トヨタ・日産・ホンダなど、車のメーターを作る&デザインする会社です。
ウルキオラ:イタリアの家具メーカー。奇抜なデザインが特徴的。B〇EACHの敵キャラとは何の関係もありません。
銃器説明はまた後で出します。




