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51.思い描く明日へと

 ラルフはぶちぶち言いながら会場内をうろついていた。

「みんな周りからうるさいんだよ。僕だってちゃんと考えてるんだ……実行が伴わないだけで」

 皆が急きたてて来るけど、自分だってタイミングを計っているのに。

 ラルフはお節介が腹立たしくって仕方ない。自分自身うまくいってないとわかっているだけに。


 頭を振って気を静める。

 他の事を考えようと改めて店内を見回してみると、この祝賀会、実にいろいろな人が呼ばれて来ているのが目についた。

「……世話になった人だけ呼んだはずだけど、ずいぶんな人数になったよね」

 クラエスフィーナと付き合いが深い人もそうでもない人もいるけど、皆が今回の課題審査に一肌脱いでくれた人たちだ。そして、大なり小なり課題研究のおかげで今後もクラエスフィーナと縁ができた人たち。


 ラルフたちに切羽詰まって声をかけて来た時、クラエスフィーナには友達どころか知人と言える人間でさえダニエラしかいなかった(四散した旧研究室の人間を除けば)。

 それがあの勧誘からラルフとホッブに縁が繋がり、その家族へ、いつも利用している店へ、そこからさらに他の関係者へ。気がつけばラルフだって知らなかった人たちまで次々課題研究に巻き込み、昨日の審査本番なんか何の見返りもないのに二百人を超える人間がクラエスフィーナを応援するために集まってくれた(過半数はジュレミーが動員したんだけど)。

 ラルフは壁際で立ち止まり、三か月前は存在も知らなかった少女を祝いに集まった人々を眺めた。

「……あの時の一言から始まったんだよな」



『お願い、私の手伝いをしてくれないかな!?』



 引っ込み思案で田舎者で、他人とコミュニケーションを取るのが苦手なクラエスフィーナ。ラルフをはじめ同級生たちはそんな内面的なことは全く知らず、見た目で近寄りがたくて話しかけることも出来なかった。

 そんな彼女が起こした快挙は、課題審査を突破したことよりも……その過程でこれだけの人間関係を築いたことかもしれない。


 課題をクリアするための大変な毎日は昨日で終了したけれど、生活が元に戻るからって全てが白紙に戻るわけじゃない。ラルフとホッブは変わらずクラエスフィーナの友達であり続けるし、かかわりのできたアントンたち他の学院生もこれからは話ができるようになるだろう。街に出たってこれだけの知人がいる。もうクラエスフィーナは孤独にならない。

 それはクラエスフィーナが人生の一大事に、意を決してラルフたちに声をかけることができたから始まったのだ。



 勇気を出してラルフたちに話しかけた。そのたった一言が、エルフの少女の世界を変えた。


 

 その事に思い至ったラルフは自然と身震いしていた。

 自分の中でよくわからない何かが花開く気がして、知らず知らず胸いっぱいに空気を吸いこむ。

「その様子だと、やっと腹が据わったみてえだな」

 不意にかけられた静かな言葉にラルフが振り向くと、近くの椅子に父が座っていた。

「父さん! ……あの、クラエスの事は僕だって今考えてるからね」

 クラエスフィーナの件を催促されるかと身構えたけど、父から帰って来たのは意外な言葉だった。

「それでいい。おまえが思うようにやれ」

「……父さん?」

 いつもはあれほどエネルギッシュで恐ろしい父が、不思議なほどに今日は穏やかな顔を見せている。

「なんだかんだ言ったが、嫁取りってのは結局はおまえの人生だ。俺はもう、うるさくは言わねえ」

 ラルフ父はジョッキを傾けて一口含み、喉を湿らせた。

「だが、最後に一つだけ言わせてくれ。後から言わずに後悔するぐらいなら、ダメもとで吐き出しちまった方が絶対良い。それで振られたって、やるだけやったって明日からも清々した気分で過ごせらあ」

 父の言葉をかみしめながら、ラルフもジョッキを半分ほど空ける。

「父さん」

「なんだ?」

「父さんは……母さんに告白するときはどうしたの?」

「なんだよ、そんなの親に聞くもんじゃねえぞ」

 “粉屋横丁のオーガ”と呼ばれる武骨な父が、珍しくも照れ臭そうに笑った。こんな顔は息子のラルフも初めて見た気がする。

「なんとか二人っきりになれるところへ呼び出してよ。四の五の言わずに真正面から『好きだ、付き合ってくれ』って……俺は気のきいたことも思いつかねえし、正直に『誰よりも好きだ!』って言うしか気持ちを伝える方法がなかったんだよ」

「学院出だって普段は自慢しているくせに」

「うるせえな。俺の行ったところは学院って言ったって、お世辞にも頭がいいヤツが行くところじゃなかったんだ」

「どこだよ、そのバカ学」

「王立エンシェント万能学院」

「そりゃあ極めつけだね……それで? 母さんは、なんて?」

「俺が思っていたより、わりと悩まなかったな。赤くなった母さんは可愛かったぞ? 『くっ、ストレートに来るなんて……!? 搦め手を七通りほど考えていたのに……」とか照れ隠しにボソボソ呟いてたのがなんとも可憐で、あんときゃ俺もムズムズ背筋が震えちまった。思わずその場で抱きしめちまうところだったぜ」

「ねえ父さん、その背筋の震えは本当に可愛かったから? あと、やっぱりジュレミーは母さん似なんだって再認識したよ」

 自分の単純馬鹿なところが父似だとは思いたくないラルフだった。

 

 ラルフはジョッキの中身を飲み干すと、近くのテーブルの上に叩きつけた。

「じゃあ父さん、行ってくるよ」

「おう」

 父親は息子の立ち姿に目を細めた。これから“戦場”に向かう事を決意した、いい横顔だ。

「ところでラルフ」

「なんだい父さん」

「オメエら、こんなヒデエ酒をしょっちゅう飲んでんのかよ……俺、三杯で足腰立たねえんだが」

「ハハハッ、酔いを自覚する前にチェイサーを入れるのがコツだよ!」




 ラルフはまず、ここ「黄金のイモリ亭」の店主を探した。オヤジはイイ顔で鍋を振り、料理を次々厨房から送り出している。満員御礼でハイになっているようだ。

「オヤジさん、ホントに仕事が好きだね」

「今さら何言ってやがんだ、ラルフ」

 オヤジはチッチッチッと舌打ちしながら顔の前で指を振り、気持ち悪いほど可愛らしいしぐさで訂正した。

「俺が好きなのは仕事じゃなくて、オ・カ・ネ」

 なんで僕の周りには清々しいほどのクズしかいないんだろうか? とラルフは思った。後日宴会費用の請求が来た時には、吹っ掛けてないかチェックしないと危なそうだ。

「そのクズに相談なんだけど」

「いきなりご挨拶だな、テメエ」

 うっかり思ってたことが口から出てしまったけど気にしない。

「ちょっとクラエスと二人きりで話せるように場所を空けてほしい」

 財布に持ってるありったけの金を渡すと、オヤジが考える素振りを見せた。

「今は店の中の騒ぎで誰もが手いっぱいだからな。裏庭の離れなら人が来る心配もねえ」

「了解。あとクラエスが料理を食べ逃すと悲しむから、手土産用に肉料理を中心に取り分けといてほしいんだけど」

「任せとけ! その分はお開きの時間に合わせて作っといてやらあ」

「料理代上乗せしたいだけでしょ?」

「ったりめーよ!」

 満面の笑顔でサムズアップするオヤジを置いて、ラルフはクラエスフィーナを探しに戻った。


「クラエス、ちょっといいかな?」

 ラルフに声をかけられ、クラエスフィーナは振り返った。

「なあに?」

「ちょっと、二人で話したいんだけど……」

 横で飲んでいたダニエラが用件を察知して硬直し、そのついでに飲んでいた物を噴き出しかけた。同じく察知したホッブが場の雰囲気を壊さないよう、すかさずドワーフの鼻と口を摘まんであさっての方向へ首を捻じ曲げる。

 外に出せないアルコールが鼻腔に回って激しくむせて痙攣しているダニエラを無視して、ホッブが朗らかに促した。

「ああ、そう言えばそんなこと言ってたよな。クラエス、大した用じゃないがちょっとラルフに時間を取ってやってくれよ」

「そう? ここじゃダメなの?」

 かしこまった場でもないし、小さな用件ならここで聞いても……と辺りを見回すクラエスフィーナ。察しの悪さは一級品だ。

「ここはちょっと賑やかすぎる。酔っ払いばっかりだしな。招待客の前で話せる内容でもねえし」

 用件が漏れれば、この場にいるほとんどが酒の勢いで囃し立てに来るのは間違いない。そして残りはラルフの代わりに名乗りを上げようと突進して来るだろう。

「うーん、わかったけど……」

 ウジウジしているクラエスフィーナの逡巡の理由を見て取り、ラルフは厨房を指さした。

「オヤジさんに取り置き頼んだから」

「それじゃホッブ、ダニエラ、ちょっと行ってくるね」

 軽い調子で出ていく、何もわかっていないクラエスフィーナ。彼女を誘導するラルフに、ホッブは小さくこぶしを握って健闘を祈って見せた。

(ここが男の見せ所だぞ? 気張れよ!)

ラルフも軽く頷く。

(任せろ! 一人前の男として、決めてみせるよ!)

(でも、しょせんラルフだしなあ)

(おうホッブ、表に出やがれ)

(今そんな暇があるのか、おまえは)

(暇が無いところで余計な負担を増やすんじゃない!)

「どうしたの、ラルフ? 行かないの?」

「ごめんごめん、すぐ行くよ」

(決着は後だ、ホッブ!)

(そのまえにつけなくちゃならない決着をつけて来い、バカ野郎) 

外へと出ていく二人を見送り、ホッブはやっとダニエラから手を離した。

「がんばれよ、ラルフ……」

 激しくえずく涙目のダニエラが、不信感たっぷりに横目で見上げた。

「おまえ、ちゃんと本気でそう思ってんのか?」

 ホッブは無言でドワーフに一発入れると、近くのテーブルから取ったジョッキを掲げて健闘を祈った。




「確かに“離れ”だけどさ……裏庭って聞いた時に気がつくべきだった」

 あのオヤジ、一度シメないとダメかもしれん。ラルフは屠殺小屋(いつものしょくば)の前でそう思った。

「どうしたの、ラルフ?」

「ううん、なんでもないよ」

 ラルフは中に入らず、外でクラエスフィーナと向かい合った。

「……やっと終わったね」

 なんと初めて良いものかわからず、ラルフはまずはそう言った。クラエスフィーナもキョトンとしてからはにかむように笑った。

「うん、まだ実感がないけど……なんとかなってホッとしてる。ラルフも、ここまで一緒にやってくれて、本当にありがとう!」

「クラエスが頑張ったおかげだよ」

「そうかな? 結局私、自分で解決できない事ばっかりで……ほとんどみんなにやってもらった気がするよ」

 ちょっとバツが悪そうなエルフに、ラルフは優しく首を横に振って見せた。

「そうでもないよ。どこのチームだって、自分ひとりじゃできないから助手をかき集めたんだし。だからクラエスが課題をクリアしたって言っていいんだよ」

「そう? ありがとう」

 肩の荷が下りたように、ほにゃっと笑うクラエスフィーナ。その顔は相変わらず美しい造形だけど、三か月前の近寄りがたい硬質の表情ではなくて自然に柔らかく笑えている。それがラルフにはなんだか嬉しかった。

「やっぱりクラエスは笑っている方が可愛いね」

「えっ!? ちょっ、いきなり何を言うのラルフ!?」

 赤くなって戸惑うクラエスフィーナに、ラルフはちょっと笑ってしまう。


 急に褒められて戸惑い恥じらう姿もかわいい。美人なエルフ族だから惚れたんじゃなくて、やっぱりクラエスフィーナだから好きになったんだ。




 クラエスフィーナもこの三か月で成長したと思うけど、ラルフ自身も変わった気がする。

 

 最初に声をかけられた時、“学院一の美女”に頼まれたのに面倒だとしか思わなかった。

 自分は静学系だから手伝ってもメリットなんかないって考えていたし、同期の高嶺の花に頼られても“モブな自分たちには縁が無い世界に首を突っ込んでも……”とも思っていた。

 それが危なっかしいクラエスフィーナを補助しているうちに、自主的につらい日々をこなし、自分からアイデアを出し、足りない部分を補う手段を探して足で駆けずり回るようになった。だらだら燃料節約(ショーエネ)系学院生活を送る成人猶予期間(モラトリアム)学生の自分たちが。

 

 クラエスフィーナがラルフたちに必死に声をかけたことが、クラエスフィーナを変えて、彼女の人生を変えて、周囲のラルフたちまで変えて、そして“どうあがいても無理”と思われた課題を達成して未来まで変えた。

 だから、ラルフがクラエスフィーナと一緒の未来を望むなら……まずは一言、自分の気持ちを伝える勇気を持たなくちゃならない。

 ラルフは居住まいを正すと、キョトンとしているエルフに向かって口を開いた。

「あのね、クラエス。ちょっと真面目な話を聞いて欲しいんだけど……」




 主賓がいないことにも気づかないくらい乱痴気騒ぎになった宴会の様子を眺めながら、ホッブは何杯目かわからない酒を空にした。

「おいホッブ、飲み過ぎじゃねえ?」

「そういうダニエラこそ。帰りに行き倒れても知らねえぞ」

「手持無沙汰でいたたまれねえんだよ」

 酒豪のドワーフも、今ばかりは酒に飲まれている。

「ていうか、俺たちが気にしても仕方ねえんだけどな」

「でも、気になるんだろ?」

「当り前だ」

 そこらにおいてある酒を飲み尽くしたが、今日はジョッキを振ってもお替りが来ない。無礼講で給仕のハンスもへべれけに酔っぱらって向こうの床に倒れている……あいつまだ十二だったはずだが。

 仕方ないのでホッブがセルフで樽まで汲みに行こうとしたら、ジュレミーがジョッキを取って汲んでくれた。

「おっと、すまねえな」

「どうせお酒がまわって足にキテるでしょ? ザルのはずのうちのお父さんも潰れているし……ホントこのお酒、何が混じってるのよ……自分が飲める年齢だったとしても飲みたくないわ」

「あのオヤジだぜ、話に聞いてんだろ? どうせろくなもん混ぜてねえよ」

 もらった酒を傾けながら、ホッブはちらりと親友の妹を見やる。

「どういう風の吹き回しだ? おまえさん、進んで酌なんかするような性格でもないだろうに」

 さすがに“下僕に酌をさせる方だよな”とまでは口に出さなかったホッブ。この女(ジュレミー)は、下手にからかったら命がヤバい気がして仕方ない。

 ラルフの妹は一瞬ホッブを見返すと、すぐにバカ騒ぎへ視線を戻した。

「手持無沙汰でいたたまれないのよ。私もね」

 裏庭からはまだ帰ってくる様子はない。

「あれだけクラエスに執着していたのに、ラルフの自主性に任せるとは思わなかった」

「あんなのでも兄だからね。やる気があるなら汲み取るわよ」

 愚兄に対して上から目線でのたまうと、切れ者の幼年学校生はさらに付け加えた。

「まあ……お兄が失敗しても、私は次の手に移るだけだけど」

「……ホント怖い女だな」

 そわそわ裏庭の方を見るダニエラが、ホッブの袖を引っ張った。

「なあ、おい……ちょっと遅くねえか? 見に行った方が良いかな?」

「やめとけよ。ラルフの事だから言い出すのに時間がかかってんだろ」

「おっ始めてるかも知れねえじゃねえか」

「余計に見に行くんじゃねえ。それなら結構な事じゃねえか。成立したってことだろ? ……つっても裏庭のどこにしけ込むんだよ? 屠殺小屋で気分を出せるんだったら、俺はあの二人を勇者と認めるぞ。そんな連中と友達付き合いは金輪際ごめんだが」

「もしくは、ラルフがこっぴどく振られて無理心中を図ってるとか!」

「それこそ悲鳴が聞こえるだろうが」




 三者三様にじりじりしながら結果を待っているところへ。

「あれ、飲んでないの? 中休み?」

 当事者から声がかかった。

「ラルフ!」

「ラルフぅ!」

 ホッブとダニエラも慌てて振り返るが。

「お兄! どうだったの!」

 一番真っ先に食いついたのはクールに見えたラルフ妹(ジュレミー)だった。意外に兄を心配していたらしい……心配しているのはエルフを手に入れられるか、かも知れないが。


 三人が振り向いた先には、店の裏口にたたずむ二人の姿。

 二人とも相変わらずのほほんとした緊張感のない顔だけど、その顔は照れ臭そうに笑っていて……皆に注目されても、構わずしっかり手をつないでいて。


「やっ……!」

 やったなラルフ! とホッブは叫ぼうとした。

「うぉっ……!」

 うぉおおお、クラエスおめでとう! とダニエラは歓呼の声を上げようとした。

 けれど二人が声を上げる前に。


「ヘーイ、酔っ払いども! 本日のスペシャル、俺様も滅多に作らない仔牛の丸焼きが焼きあがったぜ! 肉好きのクラエスちゃんの為に特別に用意した逸品だ!」

「おおおおおお!」


 オヤジの得意げな叫びと、なんでもいいから限定メニューを食いたい酔客どもの雄叫びが店内にこだました。

 途端にふにゃふにゃしていたクラエスフィーナがシャキンとする。

「ラルフ、本日のスペシャルだって! 行くよ!」

「いや、あれクラエス用なんだから主賓が手を付けるまで食べないでしょ」

「酒場でそんな甘いことが通用するわけないじゃない! それに、せっかくの焼き立てを直ちに食べてあげないなんて……私、お肉にそんな不誠実な真似はできないわ!」

 その場にいた一同は、エルフの目を見て悟った。


(あ、これもう肉しか眼中にないや……)


 王都一の肉ソムリエを自称するはらぺこエルフは、自分のポリシーを守るべくオヤジさんの手元に突進する。手をつないだままのあきらめ顔の彼氏(ラルフ)を引きずって。


 やきもきしながら散々待ってたのに、一瞬で忘れ去られた三人はその後姿を見送った。

「クラエスのやつ、人生初告白されたってのにまだまだ色気より食い気だよな……」

 ダニエラが呆れてため息をつき。

「そりゃあ価値が違うもの、お兄より肉でしょ。なんだかクラエスちゃんらしくていいんじゃない?」

 ジュレミーが苦笑いし。

「でもまあ、手を繋いだだけ一歩前進したじゃねえか。停まってるのと歩き出したのじゃ大違いだぜ」

 ホッブがまとめた。


 三人は無言で目線を交わし、誰からともなくジョッキやコップを捧げ持った。お互いホッとしたような笑みがこぼれる。

「課題の達成と」

「クラエスの奨学金の無事と」

バカ兄(ラルフ)の恋の成就に」

 一旦言葉を区切り、懸念が解消されてさっぱりした顔で笑い合う。

 そして一斉に手に持った飲み物をぶつけ合った。

「乾杯!」

 GWに始めてから五か月以上かかりましたが、やっと完結です。話を作るのには困らなかったのですが、夏の暑さといきなり集中した仕事で夏季はほとんど書けなかった……。この作品を書いて一番の収穫は、「夏にまたがる執筆はしない」でしょうか。

 当初想定では20話10万字くらいの作品にするつもりでプロット組み立ててました。それが後半になるにしたがって、なんでかエピソードごとの書き込みが多くなって段々話が伸び始め……当初1話で考えていた内容が5話になっちゃったところもあります。頭の方も見直して、もう一回綺麗にした方が良いかもしれぬ。


 執筆の合間が空いてしまった時期もあり、初期から追いかけてくれた読み手の方には申し訳なかったです。次回作もいくつかある候補の中からどれにしようかと思っていますが……不定期に書けたら投下するより、ある程度区切りのいい所まで書いてからまとめて公開する方式も考えてます。

 ご愛読ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白かったです。 中弛みしたけど49話の応援リレーで報われた感じ。
[気になる点] 作中で向かい風が悪役になってるんですが、対気速度を稼ぐには向かい風の方が重要では? 空母が艦載機を発艦させる為に艦首を風上に向ける意味とか… 水面効果とか揚力関係マルっと無視してますよ…
[良い点] 面白かった 異世界の話がその特徴のまま現実の話となっている 続きがほしい
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