第1話:終末と再生
こちらはリレー企画『輝ける星光』の関連作品、のパロディです。
冒険者の艦アストライアの、もう一つの可能性。
今作の作者はういいちです。
西暦2000年代末期。
六度目の世界大戦で使用された自律型機動兵器端末群と、721基の大陸間弾道弾による無差別攻撃によって、惑星環境は徹底的に破壊された。
勝者のないまま終息した戦争の後、深く傷付いた地球に訪れたのは、それまで存在していた生命の大半が死滅した荒廃の時代だった。人類もまた総数の約9割を喪失し、黄昏の時を迎える。
退避シェルターに身を隠し、致命的な危機をやり過ごす事で生き残った一握りの人間達。彼等は人類という種が滅び去ることを恐れ、長年に渡り培ってきた科学の力と、連綿と伝えられる魔術の神秘力を用い、存続の方法を模索していく。
遺伝子操作によって、苛酷な環境下でも生き永らえる強靭な次世代種の創造。
残された僅かな生体サンプルの培養と複合を繰り返し生まれた、新世界適応型の動植物達。
大規模魔術障壁による保護と、癒しの加護を加えた劣悪環境からの守護。
既存の生命体を高次の機械部品で換装し、あらゆる状況に対しての適性向上化を図るサイボーグ躯体の応用。
環境改善修復を目的としたナノマシンによる大々的テラフォーミング計画。
世界各地の地脈に高純度の魔力を大量に流し、疲弊した大地へ命を吹き込む活性化処理。
世界は人々の手によって様相を一変させながら、辛うじて再生の道を辿りだす。大陸の形状や生態系の一大変革が、新たな時代の始まりを告げていた。
それより3000年余。かつての面影を失い、まったく異なる形で世界は存在する。