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ありがとう といって静かに眠りたい

これは 私の最後の記事になるかも知れません


2ヶ月ほど前から急に胃腸の調子が悪くなり

気づいたらスキルス性の癌だと診断されたのです

どうやらもう進行していて転移もあるらしい


皮肉なことに 私の病気がきっかけで

長男から連絡がきたけど


世の中には、「いまさらなんだよ」 とか

「年金もないくせに面倒見ろというのか」

などという子供がたくさん居ると知りました


だから、うちの息子達は そんな子じゃなくて良かったと思いました


9月半ばで還暦です

誕生日まで生きていられるかな?


周囲の人達はみんな「戻ってくるんだよ」といてくれました


ああ 私は独りぼっちじゃなかったんだ!

こんなに私の死を惜しんでくれる人が居たんだ

と思うと幸せな気持ちになります


生き様が死に様というけれど、惜しまれて逝くというのが1番の幸せだと思うのです


苦しいことしかなかった私の人生だけど、息子達は幸せにやっている

そして私にはたくさん味方がいる

それが人生のプラマイゼロという事なんだな!と

やっとわかった気がします



昨日


「今更なんだよー! 勝手に出て行ったくせに、都合の良い時だけで連絡してくるなー」と、長男に言われる覚悟をしてメールを出した


私が最期に望むことは

まずは元気なうちに誰にも迷惑をかけず

静かに最後を迎えること

私の父親や伯母、父親の妹、一回り上の従姉のように、自分の欲を満たすために

幼い私を絵にして死んでいった

ああいう奴らのようには絶対なりたくないんだ

だから、私は 延命も抗がん剤治療も受けないと決めている


そういう神がかりな事は私は嫌なのだ

それに、抗がん剤治療で もうこれ以上苦しんだりしたくない

だから私はこのまま静かに、元の場所に帰っていきたいと思っているのです


そして、こじれた息子たちとの関係を立て直すことでした


皮肉なことに、私の癌がわかると 長男が連絡遅れました

私は何とも思ってなくて、連絡。遅れただけでも心から嬉しかった。

だからこれからはお互いに話し合って、色々と決めていける時間があったらいいな


そして、私の願いは、「ありがとう」と言って最後迎えること

眠るように、静かに息を引き取ること


どうやら神様は私の願いを叶えてくれようです


2ヶ月ほど前から急激にお腹の調子が悪くなり、どんどん腹が膨らんできて、今では呼吸も少し弾むようになった


今日、急遽、総合病院紹介されて診察と検査を受けてきた


先生が言われるには、おそらく女性に多いスキルス性の胃がんではないかと思われるとの事でした


こんなに腹水が溜まっていると言う事は

癌が転移している可能性が高い

かりに癌が転移をしてたとしても、1番の原因になっている場所がわからないから 特定するための検査をしますね

と言われた


10年ぶりに、長男にその旨を連絡すると

仕事が終わった頃、返信がきた


「今更なんだー! 勝手に出て行ったくせに、都合の良い時だけで連絡してくるなー」と、長男に言われると思って覚悟をしてたけど、そうじゃなかった

それだけで嬉しいのです



「結果が悪かったら教えてください。。。」

長男の複雑な気持ちが伝わってきます


今日はスキルスガンだと言うことを報告したら


「27日以降に詳細がわかったら教えてください」と返信くれた

ああ 少しは気にかけてくれたんだなと思うと嬉しい



私には、兄弟も、親戚も誰もいないから

息子たちがこういう時どう思うんだろう?


きっと幼かった頃の私が、母に言いたかった言葉

「どうしてお母さんは生きて育ててくれなかったの?

生きててくれれば、私にも何かできることがあったのに

病気も治してあげられたし、お母さんの夢だったプロの奏者になることもできたのに

私をプロの奏者にしたいと、必死に怒ったくせに どうして呆気なく殺されることを選んだの?」


少し前からフラッシュバックに苦しみ

過去の思い出したくない記憶が次々に帰ってきた


そして、私は 数年前から【小説家になろう】で

私の生きた人生の話を、少しずつ綴ることにしたのです


でも、もうそれもどこまでできるのかわからない

下書きのようなプロットのようなものは、山ほどあるけど

それを誰かが見つけてくれて 世の中に出してくれたらいいな


私は病気で死ぬと言う事は自然なことだと思っている

だから無理に手術をしたり、抗がん剤治療はしないと決めている


私の生きた60年は、誰よりも深くて濃密な苦しい人生だったから

気分はドクタークレハの130歳まで生きた感じがしている

 

だから、もう十分に生きたし、十二分に子供達にしてあげたいこともしてきたから、この世にもう未練は無いのです


悔しいことばかりの人生だったけど、それは今の私になるための道乗りだっただけ

だから、もう良いのです


周囲のみんなが 私の死を惜しんでくれた

必ず戻ってくるんだよ! と、看護師さんやお医者さんもいってくれた


こんなに私のことを思ってくれる人がいたんだ… と改めて思った

私は独りぼっちじゃなかったんだなぁと痛感しました


後は、お世話になった方々や、大事な友達などに「ありがとう」と言える時間とチャンスが欲しい


そして、息子たちと きちんと話し合って、これからのことを決めていきたい


還暦を迎えることに元の場所に帰れるなんて、私は幸せだ


みんなが居てくれたから

私は短い時間で楽しい幸せな時間を経験できたのです


今は みんなに惜しまれていることの

有り難さと幸せを噛み締めています


55歳を過ぎて思い出したくない記憶がフラッシュバックして苦しんできたけど

それは過去の自分の気持ちを知るためだったのだと今は思えるようになりました


過去の自分は、自分にしか救えない

そう思うのです


残念ですが 息子たちの事はきっぱりあきらめがつきました。

いかにも天才の良い言葉を並べて良い息子をよそい心配するようなメールを送ってきましたが

結局は「調子はどうなの??大丈夫か?」などの

当たり前の言葉もなく ただ自分の世間体を構った

自分を正当化する文章を送ってくるような息子でした


いまだに私のことを逆恨みしたような文章を淡々と送ってきて

挙句には 「僕たちにどうしたいって聞かれても、自分がしたいようにすればいいんじゃないの? 入院したらすればいいんだし。 やりたいことがあればやればいいんだし。 お母さんのお母さんの話をされたってそんなこと知りません。」

そんなことを平気で言ってくる息子です


その上、自分の不満をたらたらと並べた文章を何通も送ってきました


私は自分のような不便な思いはさせたくなくて、できる限り、息子たちには幸せになってほしいと願いながら育ててきました

だから私は胸を張って育てたことには自信を持っています


けれど、そんな冷酷な人間になるなんて、想像もしていませんでした

「大丈夫の一言ぐらい言えないのか!」と怒ると。


「大丈夫? って言って欲しいなら 言ってもらえるような態度をとればいいでしょう!」と理解不能な言葉を投げかけてくるような愚かな人間になっていました。


なので、もう私には子供はいなかったと思っています

今は、小さい頃に生き別れになっていた。兄と3年前に再開し、今は兄が息子の代わりに寄り添って支えてくれています

10代の頃に仲良くしていた大事な友達も、わざわざ遠方から駆けつけてくれて、

「また来るからね 絶対に来るからね それまで元気でいてよ」と言ってくれました


「あなたは、それだけのお付き合いをしてきたから、みんなに愛されるのよ 自分は自覚は無いかもしれないけれど 見返りを求めないから皆さんに惜しまれて愛されて可愛がられるのよ」と精神科の先生も言ってくださいました


私の生き方は間違ってなかったんだと改めて思える瞬間でした


スキルス性の癌ではなく、どうも

【原発不明のようです】

強い痛みもなく、今はまだ自分の足で歩けるし

周囲のみんなのおかげで生まれて初めて幸せを感じながら笑って毎日を過ごしています


主治医の先生も「まだ少しでも食べられるし、自分の足で歩けるんだから入院はもう少し後で構わないよ」と言ってくださいました


生まれて初めて私は今とても幸せで楽しいです

障害の最後にこんなに楽しくて、キラキラした時間をいただけるなんて本当に嬉しい

神様はちゃんと見ていてくださったんだなぁと思いました


人生は必ず誰しもが最後はプラスマイナスゼロ になると言われたことがありますが

今がそうなんだなぁと感じています


幸せはお金やものでは手には入らない

私はお金や物で自分の心に開いた穴は埋まった事は1度もありません

みんなの優しさや思いやり、それが私の支えになり

大切な栄養になり、1番の今の私のお薬なのです


もう少しこの世界でいられそうだけど

そんなに長くは無いので ここで皆様にもご挨拶をしたいと思います

「今まで本当にありがとうございました」


2025年6月28日午前9時50分記

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