14 わ~るだくみ会議:日本の食糧自給率を上げて十分に国内だけで供給体制を取れるようにして、貿易問題を紛失させ、日本政府を恐怖のどん底に陥れる計画!
―― 解説しよう! 今日も今日とて、栄光ある悪の秘密結社『邪須訂巣』△△支部の秘密アジトにある会議室では、日本征服を目論む者達が、密かにある計画を企てている最中であった。 ――
「諸君。日本の食料自給率はすでに5割を切っている! 実に嘆かわしいことだ。そこで、今回の計画は国内の食料自給率を上げ、国内だけで食料を安全に調達できるようにし、国力を上げ、食料物資を外国から輸入している企業からシェアを奪い取るという物だ!」
「「おお、!」」
「これで貿易摩擦を生み、外国の顔色を気にしている日本政府共と外国に大ダメージを与えられるというものだ」
「食料の国内自給率が上がって、外国からの圧力が強まり、さぞかし奴ら青い顔をするでしょうな」
「しかりしかり」
「昔は自給自足、地産地消が当たり前でしたからな」
「今のこのような状態で海上封鎖や他国からの侵略があった場合、日本政府は物資調達に、どう対応するつもりなのでしょうな?」
「それで、大枠は進んでいるのでしょうな」
「メグシテゴナ、説明せよ」
「はっ。滝グループの流通網を利用して、すでに各地方の特産品を日本国内に展開させるだけのネットワークの構築はひそかに行なっています」
「余剰となりそうな食料が出そうになったらどうするんだね。食品ロスを起こしては本末転倒だぞ」
「ご心配なく。別の会社として、余剰の食材が出た場合は保存のきくものへと加工したり、滝グループの支援事業の一環という形式を装い、諸外国への支援に回したりする手筈となっております」
「例えば」
「例えば、お米です。余剰となった年のお米はお祭りなどのイベントに使用されているのぼり旗のポールや出店の器やトレイ、それに箸やフォーク、スプーンやストローなどに加工します。こうすれば、たとえ、植え込みに捨てられて掃除しきれず放置されたとしても、やがては自然に土に帰ることになります」
「ふうむ、環境にも良いというわけか」
「また、不作で備蓄の少なくなった時でも、施設は新技術の研究所として稼働しますので、人員を無駄に遊ばせておくようなことにはなりません」
「そのあたりの検討はまた日を改めて行なう事としようか。食品ロスだけでなく、農業衰退による耕作放棄地などの問題もあるからな」
「「はっ」」
「それで、以前から信仰させていた新規地下プラントの製造計画はどうなっているか?」
「順調です。すでに現時点で進捗率82.6%を完了しています」
「そうか、では……」
本日も、幹部の皆様は真剣に議論を繰り広げておいでです。
◇
『次のニュースです。滝グループ傘下の盾前コーポレーションが大規模第一次産業事業に参入する計画を発表しました。これは国内の農業・畜産業・漁業を活性化させ……』
「みかん、美味しいですね。はい、剥けましたよワルビレル様、どうぞ」
「うむ」
「どうッスか? ミカンの皮を鳥の形になるように剥いてみたッス」
「わあ、11ZAKOさん、器用ですね」
「えへへっ、他にも作れますよ」
「へえ、どんなのが出来るんですか?」
「そうッスねぇ……」
「のどかだなあ」




