魚の味噌漬けΣ(゜艸゜〃)ソレハ……
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「⋯⋯、しょっぱい⋯⋯」
魚屋さんが味噌を売り出す一環として、魚の味噌漬けの試作品を持ってきたのだが⋯⋯
これは辛い………。辛すぎる……。
「これって、何か調味料混ぜましたか?」
「いや、味噌だけだ」
えーっ? だから塩っぱいのか。味噌漬けにすれば、魚の保存も効くし、旨みも凝縮されて美味しくなるんだけど、少し調味料を加えればもっと美味しくなるんだけどな~〜〜。
「このままだと、しょっぱいので、味噌床を少し改良した方が良いかもですね。」
わたしがそう言うと、魚屋さんはだよなーと、苦笑いした。
「自己流ですが、試しに作ってみましょうか?」
と、わたしが言うと、
「頼むよ、お嬢ちゃん。」
魚屋さんが、ニヤリと笑った。
その顔は、最初から狙ってましたね? わたしが苦笑いすると
「次から負けるからさ。」
と、魚屋さん。ちゃっかりしてるよね。そう思いながら、わたしは魚屋さんから味噌を預かり、調理場に入った。
準備するのは、味噌、砂糖、みりんの代わりのはちみつ酒。これを混ぜるだけである。はちみつ酒なら、お酒だから調味酒の代用にもなりそうだしね。
それから平たい入れ物に味噌を敷いて、魚屋さんが持ってきた魚の切り身を載せ、その上から残りの味噌をかけて均す。上から布巾を被せて暫く置けば味噌漬けの完成だ。魚は白身が合うとわたしは思うのだけど、シャケとかも味噌とは相性が良いから一概には言えないかな。
待ってる間、わたしは紅茶とハーブクッキーを出して、魚屋さんと一休みすることにした。
「しかし、味噌汁は良かったよ。あれからコンブや味噌が売れるようになってなぁ。醤油も聞いたら仕入れられるって言うから、今頼んでるところだ。」
コンブと味噌、売れて良かったね。わたしがニコニコ聞いていると、
「で、だなあ。」
と、更に魚屋さん。
「コンブの出汁を取るのが面倒だから、他に手軽な方法はないかと客に言われてな。」
と、またまた……www。
「なら、コンブとイリコをすり潰して粉にして売ったら如何ですか?」
ウチには、スリ鉢がないから、すり潰せないけど、魚屋さんなら手に入れることが出来そう。
「粉にしたら、お湯に味噌と出汁を入れてそのまま溶いても美味しく飲めるから、いいんじゃないですかね?湿気に弱いから乾燥剤みたいなの入れて缶に入れたら少しは日持ちするかもですよ〜。」
「粉か……。」
ふむふむ……。と、腕を組んで考え込む魚屋さん……。
「なるほど、考えて見るわ。」
お役に立てて何よりです。と、わたしはニッコリ笑った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「さて、そろそろ良いかな?」
と、わたしは調理場の味噌漬けを覗いてみた。まだ少し漬かりが浅いけど、試食位は出来そうだ。
切り身を1枚だけ取り出して、余分な味噌を取り除き、フライパンで焼く。両面に焼き目が付いて中まで火を通したら、皿に乗せ、食堂に持っていった。
魚屋さんと、私で一口づつパクリと食べてみる。味噌の香りがフワリとする。味噌を甘めにしたので、柔らかい味になってる。お酒のおかげで身もふんわり柔らかだしね。
「美味しい……。」
一晩漬ければもっと良い感じに美味しくなりそう。魚屋さんも美味しそうな顔をしている。
「こりゃあ良いや、酒の肴にもなりそうだな。」
「でしょう?」
魚屋さんは味噌床のレシピを聞くと大喜びで帰って行った。早速作って明日から売り出すつもりのようだ。
その後、町では味噌ブームが起こっていたと言うのは後から聞いた話。
同時に粉末出汁も良く売れて、魚屋さんは忙しさに大喜びだったとか……。




