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昆布だし活用なら先ずはだし巻き玉子だよね(๑σωσ๑)うふふ♡

いつもありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ



 次の日。


 朝食の後わたしは調理場に立っていた。

 魚屋さんに頼まれたコンブを活用した料理だ。私的には出汁を広めたいので、出汁を使った料理と出汁を取った後の昆布を使う方向で………。


 出汁を使ったもので一番簡単で解りやすいのはすまし汁とか茶碗蒸しだけど、冷めても美味しいものの方が良いよね……。

 と言うわけで、お弁当のおかずの定番、だし巻き玉子にすることにした。


 冷蔵庫から卵を出してボウルに割り解す。菜箸を左右にチャカチャカっと20回ほど少し力を入れて振るように動かすと白身が切れてきれいに混ざりやすい。そしたら昨夜冷蔵庫に入れといた簡易昆布出汁、砂糖、醤油を投入して混ぜる。

 あとはフライパンが温まったら油をひいて卵液を入れて少しかき回し、固まってきたらくるくると巻いて端に寄せ、また油をひいて、卵を足して固まってきたらくるくると巻いてを繰り返し、好きな大きさになれば完成だ。火を止めてそのまま置いて余熱で固める。

 あら熱を取ったら皿に乗せ、好きな大きさに切って出来上がりだ。

 美味しく出来てるかな?と、端っこを半分に切って味見としてパクリ。うふふ、懐かしい味♪お姉ちゃんのお弁当にいつも入れてたからなー。お姉ちゃんは自分で作ってるかしら?と思いながらふと我に返る。

 レオンさんが食べたそうにコチラを覗いているので、レオンさんに端っこの残りを差し出した。


「味見てみます?」


 サンキュ、と受け取ってパクリと口に入れて、破顔する。


「旨い♪」


「少し甘めで優しい味がするな〜〜。なんだか懐かしい感じがするのは何故だろう。」


 もひとつ……。と手を出した所をパチンと叩き、ダメですよ、と笑うとレオンさんは苦笑いをして、


「もう一個……。ダメ?」


 と可愛くお願いしてきた。筋肉マッチョさんが可愛く言ってもコワイだけですよ〜〜。と、緩く断って、それを持っていけるよう蓋付きの入れ物に取り分けた。


「余ったから、もう一切れだけですよ。」


 と、残りから一切れ渡すとレオンさんは喜んでパクリと口に入れた。


「やっぱ旨いね~。」


 うふふ、ありがとうございます。とわたしはニッコリ笑った。


 あとは残ったコンブを細長く切って、醤油、砂糖、ハチミツ酒を入れた鍋で煮込む。煮詰まってトロリとなればコンブの佃煮の出来上がりだ。この際、醤油も広めて市場に出るようになれば、私も気軽に買いに行けるようになるからね。

 これも蓋付きの入れ物に入れた。


 準備が出来たので、簡易コンブ出汁のボトル、だし巻き玉子、佃煮をバスケットに入れてわたしはレオンさんと共に魚屋へ向かった。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「へぇー、これがコンブを使った料理か……。こりゃ良いな。」


 魚屋さんが感心したように言う。今、持っていった卵焼きを一切れ食べた所だ。


「はい、コンブって言っても、この乾燥コンブはそのままと言うよりは出汁を取って使うのが1番美味しいとわたしは思うんですよね。」


 と、言いながら、簡易出汁ボトルを出す。


「これは、昨夜仕込んだものなんですけど、こういう蓋付きのボトルに適当なサイズに切ったコンブと水を入れて一晩置いとくんです。そしたら朝には使えます。保冷庫などで2、3日は保存できると思いますよ。」


「なるほどな〜。で、使ったあとのコンブはそのまま捨てるのか?」


 魚屋さんはちょっと勿体ないんじゃないかと言ったので、今度は佃煮の入った入れ物を渡して、


「出がらしのコンブの佃煮です。醤油とはちみつ酒と砂糖で煮詰めてあります。」


「醤油?調味料の一種か?そりゃまた初めて聞く名前だな〜〜。」


 ふむ……。と佃煮を食べて考え込む魚屋さん……。


「醤油は東方の国にあると聞きました。わたしも分けてもらったものなのですが、仕入れる事が出来て一緒に売り出せば、買い手も増えるんじゃないかと……。」


 わたしがそう言うと、更に暫く考え込んで、そう言えば、と奥に入っていった。


 暫く待っていると、魚屋さんは小さな樽のような物を持ってきて、実は……、と話し出した。


「そのコンブを仕入れた時に、一緒に買ったものなんだが、お嬢ちゃんならこれの使い道も分かるんじゃないかと思ってな。」


 と、樽の蓋を開けた。



 おおおおおおおっ!!!


 これは…………!!まさしく……。


「ちょっと味見しても良いですか?」


 中身を手の甲にちょっぴり載せてもらって舐めると、うんうん、懐かしい、この味だよwww。


「味噌ですねっ!!」


 前のめりになってわたしが言うと、


「お……、おう。ソレだ、ミソ」


 と、魚屋さん。


「使えそうか?」


「もちろんです!!」


「そ、そうか。」


 かなり食い気味にわたしが答えたので、魚屋さんは少したじろぎながら言った。


「なんなら、この簡易出汁とその味噌を使ってみましょうか?良かったらコンロと鍋使わせて貰えると嬉しいですっ!」


 と、言うと、奥の茶を沸かすスペースを貸してくれたので、そこで小鍋に出汁を入れ、沸騰したら味噌を溶き入れた。


「味噌汁です。具も入ったら美味しいですが、お試しなので汁だけで。」


 小皿に少し入れて味見する。うんうん、味噌汁……。日本が懐かしいよ〜〜。

 同じく味見したレオンさんと、魚屋さんはビックリしたような顔をしたあと、うん旨いと頷いた。


「味噌とセットでも売れますよね。」


 わたしがニッコリ笑うと、魚屋さんも頷いてニヤリと笑った。


「最初はこんな風に味見して貰って、気に入ったら買ってもらったら良いかもですね。」


「おう、そうだな。ありがとな、お嬢ちゃん。コンブと味噌は頼めば仕入れられるから、そいつに醤油もあるか聞いてみるか。」


 魚屋さんはそう言って笑った。


「ぜひぜひ♪その時はまた買いに来ますね♪」


 わたしも嬉しくなってそう言うと、魚屋さんはお礼にと味噌をすこし分けてくれた。


 ヤッター!!味噌ゲット!!


 わたしは大喜びでお礼を言うと、帰途に着いた。

 レオンさんが、


「お嬢ちゃん……、すげえな……。」


 と小さく呟いたけれど、あまりにも小さな声だったから、わたしには届かなかった。


 わたしは今夜は味噌汁〜〜♪とその事で頭がいっぱいだったしね。


 かくして、夜ご飯の味噌汁は新たなるファンを増やして、益々みんなの胃袋を掴むのであった。















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