プロローグ【その光に手が届かなかったモノ】
このお話の世界設定の元となる作品は藤咲 梗花さんの【光と共に】https://ncode.syosetu.com/n9419ho/
の世界観、設定を元にしているファンタジー作品です。あらすじにも触れましたが設定が元の作品と祖語がでております。なので、梗花さんの作品をお読みになり、違いがあった場合、梗花さんの作品が元となっている事をご了承くださいませ。
光陽王国と呼ばれる、俺達が生まれ育った場所。
この国で英雄の象徴とされる魔導騎士団に憧れたのが全ての始まり。
幼い頃、友人達と街を抜け出して、探検として辺りを彷徨いている時、たまたま戦う姿を見た。
敵は、凶暴な【魔物】達。
現地に存在し人間を脅かす【魔獣】と違い、特定の攻撃を除く、全ての攻撃が効かない【魔物】は戦闘を生業する者を含め、この世界の人間にとって脅威でしかない。
【魔物】の姿や、それらが発する雄叫びは、恐怖を植え付けるには十分だった。
そんな中現れたのが――。
――【混沌の矛盾】と呼ばれる光陽王国最強の魔導騎士団。
彼、彼女達戦う光景は、ただ凄かった。
どんな敵にも怯むどころか、苦戦する姿を一度もみせず、圧倒する姿がこの目に焼き付いて。
【魔物】掃討後で、国に帰った後、勝手に抜け出した事を大人達にと咎められても、興奮は収まらなかった。
『凄いっ、カッコイイっ――――』
心の熱が冷めないまま友人達と、魔物を戦っていた【混沌の矛盾】の話題で盛り上がりながら、いつかあんな風に自分もなれたら、どれだけカッコイイかと、そう思ったんだ。
だから強くなるために動きだす。
最初は苦しくても、楽しかった。
自分に出来なかった事が、少しずつ出来るようになって。
『おっ、又腕を上げたな』
『だろだろっ。俺、強くなってるよなっ!』
努力して、少しずつ周りも認めてくれるようになって。
『このまま、更に腕を上げて、いつかはっ――』
一歩ずつではあるけれど、追いかけた背中に追いつく事ができる、と確信していた。
けれど……。
時が経ち、強さを手に入れていく傍ら、気づいてしまう。
『だめだ、くそ! まだ……まだこれぐらいじゃっ……全然足りないっ!』
強くなればなるほど、憧れた背中にはゆうに及ばず、見えていたはずの背中は、本当は遙か先にある事を。
必死になって手にした力でも、あの人達の前では、“ない”のも同然なんだっ……て。
『……っ』
それを他の誰でもない、自分自身が認めてしまった。
そうして。
夢に決して届かないとわかったしまった時。
――この手を伸ばし続ける事に……夢を追い続ける事に意味はあるのか?
――今までしてきた事は、何の意味もないんじゃないか?
そう……思ってしまったんだ。




