タイトル未定2026/02/11 18:05
『春秋左氏伝』(しゅんじゅうさしでん)に曰く:
「周の内史叔服が魯にゆき、公孫敖がその子ふたりをみさせた。叔服いわく、『穀はよく子を養いて、なんじをまつるなり。穀はひさし(あご)したひろければ、かならず魯にまつられん』。
(杜預いわく、『ひさししたひろしとは、かたちひろきなり』)」
**「鄭伯、垂隴にて趙孟を饗す。七子したがう。趙孟いわく、『七子、君にしたがいて、武をたっとぶ。みな詩を誦みて、君が志をなさん。わもて君がこころをみん』。
子展、『草虫』を誦す。趙孟いわく、『よきかな、民のおさむるところなり。武はすなわちおそれていれるにたらず』。
伯有、『鶉之賁賁』を誦す。趙孟いわく、『牀笫のことば、閾いをこえず。ましてや野にありや。これひとがなすべきところにあらず』。
印段、『蟋蟀』を誦す。趙孟いわく、『よきかな、家をたもつものなり。われたのしみてのぞむところあり』。
…(中略)…
その後、伯有はついに戮せられたり。詩をもて心をいう。心をいつわりてそのうえをおおい、怨みを公にして、賓をはなつ。これいかでかひさしからん』」
『漢書』(かんじょ)に曰く:
「高祖、濞を呉王に封ず。すでに拝して、かれに謂いて曰く、『なんじの状、もって反く相あり。後五十年、東南に乱あるべし。なんじそれにあらざるか?しかれども天下同姓一家なり、なんじむなしく反することなかれ』」
(『経』に曰く、「眉のうえの骨高くして起これるを『九反骨』という。その人、かならず陰謀あり」)
また曰く、「黄色、天中より髮際にいたり、両眉にひろがり、両頬骨のうえに黄色さし、鼻のうえに中正直下に黄色あれば、三公の相なり。もし庶人にこの色あらば、君父を弑すべし」
『春秋左氏伝』に曰く:
「楚子、商臣をして太子たらしめんとす。令尹子上に訪う。子上曰く、『その人、蜂目にして豺声あり、これ忍人なり。ただすべからず』。聴かず。のちに商臣、宮を以て王を囲み、王を弑す」
また曰く、「楚の司馬子良、子越椒を生む。子文曰く、『かならずこれを殺せ。この子、熊虎の状にして豺狼の声あり。殺さずんばかならず若敖氏を滅ぼさん。諺に「狼子野心」という。これすなわち狼なり。なんすなわちこれやしなうべけんや』。子良ゆるさず。のち子越椒、ついに若敖氏を滅ぼす」
また曰く、「晋の韓宣子、斉にゆき、子雅にみゆ。子雅、子旗をよびて見す。宣子曰く、『これ非保家の主なり。臣たりえず』。杜預曰く、『心志たかくして、人にしたがわざるをいう』。後十年、子旗奔る」
「周霊王の弟儋季死す。その子括これを見、嘆息す。闞の大夫この嘆息を聞き、王に告ぐ、『哀しまずして願い大きなり、臨みて俯仰たかし、心他にあり。殺さずば後患あらん』。王曰く、『孺子いかでかこれを知らん』。霊王崩ずれば、儋括、王子佞夫を立てんとす。周人、佞夫を殺す」
「斉の崔杼、師を率いて我が北郭を伐つ。公、これ患う。孟公綽曰く、『崔子、志おおいなり。その難を我れにせず、かならず速やかに帰らん。何を患えんや。その来たるや、寇掠せず、民をして厳ならしめず、異なるがごとし』。斉の師、ついに還る。果たして崔子、斉の荘公を弑す」
「晋・楚、諸侯と盟いを宋に為る。楚の公子、衷の冕服を被る。叔孫穆子曰く、『楚の公子、美し哉、君たり!』。杜預曰く、『君の服を著る。これ君たらんとするなり』。この年、公子、位を篡う」
「衛の孫文子、聘して魯に来たる。公、之に登らしむ。叔孫穆子、趨りて入りて曰く、『諸侯の会、寡君いまだ後れて衛君に事えたることあらず。今、子、寡君の後にあらず。寡君、未だ所あらんことを知らず。子、この息い請う』。孫子、辞なく、また悛容なし。穆子曰く、『孫子、かならず亡びん。臣にして君の位を忘れ、過ちありて悛めず、これ亡びの本なり』。後十四年、林父、君を逐う」
「初め、鄭伯、趙孟を享す。七子、詩を賦す。伯有、『鶉之賁賁』を賦す。享す。趙孟、叔向に告げて曰く、『伯有、ついに刑戮に及ばん。詩以て志を言う。志を誣いてその上を蔽い、怨を公にして、賓を栄つ。これ長かるべけんや』」
「魏の管輅、何晏・鄧颺の誅せらるべきを占う。既に誅せられ、管輅の舅、之を問う。輅曰く、『鄧颺の行歩、筋骨を束ねず、脈膚を制せず、起立傾倚、手足を失えるが若し、これを「鬼躁」と為す。何晏の視る所、魂魄宅を守らず、血気華色なく、精爽煙浮し、容若槁木、これを「鬼幽」と為す。鬼躁、風に将いて收められ、鬼幽、火に將いて焼かる。自然の符、蔽うべからざるなり』」
「宋の孔熙光、姚生に謂いて曰く、『相法、天のごときはその圓きを貴び、地のごときはその方きを貴ぶ。目は明なるを要とし、鼻は中なるを要とす。四瀆は深くして成るを要とし、五嶽は峻しくして成るを要とす。もしいずれも備わらずんば、これ人の相にあらず。しかのみならず、子の目は横にして視、羊の歩みのごとくにして首仰ぐ。鼻は曲がって中ならず、声は散じて宮商に属せず。その栄官を失うのみならず、終には刑戮に及ばん』。後、果たして謀反に坐して誅せらる」
是を以て之を見れば、貌を以て人を観るは、古よりこれを尚ぶ。
故に曰く、『富貴は骨法に在り、憂喜は容色に在り』。
(『経』に曰く、「青は憂、白は哭、黒は病、赤は驚懼、黄は喜。五色各時あり。春三月、色王は青、相は赤、囚は白、死は黄・黒。夏三月、王は赤、相は白・黄、囚は青、死は黒。秋三月、王は白、相は黒、囚は赤、死は青・黄。冬三月、王は黒、相は青、囚は黄、死は白・赤。時を得れば王・相と為り、時を失えば囚・死と為る。吉凶を見るべし」)
魏の管輅、族兄の家に詣る。客二人来たる。去るに及び、輅、兄に謂いて曰く、『此の二人、天庭と口耳の間、凶気あり。変異の交わり、魂霊宅を収めず、漂流海に死し、骨還る家に葬らる』。後、果たして溺死す。
是、容色の変を以て徴を成すなり。
成敗は決断に在り。此の理を以てこれを参すれば、万に一の失もなし。
(『経』に曰く、「言貴賤は骨法に在り、言修短は虚実に在り」。また曰く、「人の喘息は、則ち其の生に属す。呼吸和らぎて長ければ、則ち寿を為す。急促にして疾く断つは、則ち夭を為す」。また曰く、「骨肉堅強なれば、寿にして楽しみ無し。脈気柔弱なれば、楽にして寿ならず」)
『春秋左氏伝』に曰く:
「魯の襄仲、斉に聘す。帰りて曰く、『臣、斉人まさに魯の麦を食らわんとすと聞けり。其の言を以てこれを観れば、おそらく能わざらん。斉侯、語に惰りあり』。文仲曰く、『人主、惰りありては必ず死す』。果たして然り」
「鄭伯、晋に如きて享せらる。東楹の東に幣を奠る。士貞伯曰く、『鄭伯、其れ死せんか。自ら貳らず。水潦を視ること行くがごとく、歩み速やかにして容泰ならず。節に居りて能く久しからじ』。杜預曰く、『節、時を謂う。六月辛亥、鄭伯、卒す』」
「王、劉康公・成肅公をして晋侯に会せしめて、秦を伐たしむ。成子、社稷の壇に脤を受くるに敬せず。劉子曰く、『吾聞く、人、天地の中和を受けて以て生と為す、是れを命と謂う。是に於て動作礼義威儀の則有り、以て命を定む。能く者は養いて以て福を受く、能わざる者は敗れて以て禍を取る。是を以て君子礼を勤め、小人力を竭くす。勤礼は敬に如くは莫く、竭力は篤きに如くは莫し。国の大事、祀と戎に在り。祀りには脤を授け、戎には脤を受く、此れ大なる命なり。今、成子、惰り、其の命を棄つ。其れ還らずばんか』。五月、成肅公、瑕に卒す」
「晋侯、程鄭をして佐けしめて下軍をこれ行わしむ。鄭行人子羽、曰く、『程鄭、其れ死せんか。否らずんば將に奔らん。位に在りて懼れ、懼れて下るを謀る、乃ち下りて其の位を得たり。問うこと已むべし。今、自ら下るを稱えて問う、問うは其の人を知らんと為す、程鄭に非ざるなり。奔せずばんか。抑も皆疑い有らば、死せんとして懼るるか』。明年、程鄭、卒す」
「王、詹桓伯をして晋に如かしむ。辞に惰り有り。叔向曰く、『詹子、其れ死せんか。朝に在りて禮有り、服に禬有り。朝に及び、命を聽くは、表に著わる。今、詹子、卿大夫の位に在り、國の命を廢し、朝に禬せず、命を齊えず、言に表なく、禮に威なし。何を以て久しからん』。其の年冬、詹子、卒す」
「宋公、昭子を享す。酒を酌みて樂を賦し、語りて涙す。樂祁、退きて人に告げて曰く、『今、君と叔孫、其れ皆死せんか。吾聞く、哀みて樂しみ、樂しみて哀しむは、皆心の精を喪うと。心の精、是れ魂魄なり。魂魄去れば、其れ久しからじ』。是の年、叔孫・宋公、皆卒す」
「邾子、魯に聘す。玉を執ること高し。其の容仰ぐ。魯公、玉を受くること卑し。其の容俯く。子貢曰く、『禮を以て之を観れば、二君皆死亡せん。高きは驕り、卑しきは替う。驕りは乱に近く、替うは疾に近し。君、主たる者、將に先に亡びんか』。是の歳、公、襄に卒す」
「哀七年、邾子、呉に奔る。呉、夫差、邾子を樓に囚う。邾子、齊に奔る。齊、鮑氏邾子を弑す」
「魯、楚の宮を作る。穆叔曰く、『太誓に曰く、「民の欲する所、天必ず之に従う」と。君、楚を欲す。故に其の宮を作る。若し楚に如かずんば、必ず其の宮に死せん』。六月辛巳、公、楚の宮に薨ず」
「晋、郤雍をして衛に孫林父を送らしむ。衛侯、之を享す。郤子、辭に惰り有り。衛の甯子曰く、『郤氏其れ亡びんか。古、享は儀を觀て、恫み懼れを省み、福禍を計る。詩に曰く、「兕觥其れ觩たり、旨酒柔らかに思う。彼の交わり匪ざるに、萬福攸来たる」と。今、夫子、其の禍の府を歩むなり』。十七年、郤氏、亡ぶ」
「齊侯・衛侯、沙にて會す。皆言に惰り有り。叔向曰く、『二君者、必ず不免れず。會は朝の言を朝せしむ。朝に禮有り、言は禮に依る。禮は政の輿なり、身を奉くるなり。禮を怠れば政亂る。政亂れて位に安んぜず、必ず病を生ぜん』。二十五年、齊、其の君光を弑す。二十六年、衛、其の君剽を弑す」
是を以て之を見れば、性霊は容止に存す、其の大端なり。
大凡、人を相するに、先ず面を觀る。面には五嶽四瀆有り。
(五嶽とは:額を衡山と為し、顋を恒山と為し、鼻を嵩山と為し、左頬を泰山と為し、右頬を華山と為す。
四瀆とは:鼻の二孔を江瀆と為し、口を河瀆と為し、目を淮瀆と為し、耳を済瀆と為す。
五嶽は高峻にて圓満なるを要し、四瀆は深廣にして岸の成就せるを要す。五嶽成れば富貴、成らざれば貧賤。四瀆成れば貴、成らざれば賎なり)
五官六府
(五官とは:一に口、二に鼻、三に耳、四に目、五に人中なり。
六府とは:上に二府、下に四府、左右に各一府あり。
一官成れば十年の貴を享け、一府成れば十年の富を享く。
五官六府、皆成る者は、富貴窮まるなし。左を文昌と為し、右を武庫と為す)
九州八極
(九州とは:額を左より右に至るまで、缺陷なく、無痕無瘢、其の状卵の如くなるを要す。
八極とは:鼻を中と為し、八方を望み、其の勢い傾斜なきを要す)
七門二儀
(七門とは:兩奸門、兩闕門、兩命門、一庭中なり。
二儀とは:頭圓を天と為し、足方を地と為す。
天は高きを貴び、地は厚きを貴ぶ。頭小さくして足薄ければ、貧賤の人なり。
七門成れば富貴の人なり。
総て、天庭は天と為し、地閣は地と為し、鼻は人と為し、左眼は日と為し、右眼は月と為す。
天は張るを要し、地は方きを要し、人は深廣を要し、日月は明なるを要す。
天好ければ貴く、地好ければ富あり、人好ければ寿あり、日月好ければ祿を全うす。
上は天に象り、父母の位を主り、中は人に象り、兄弟・妻子・仁義・年寿を主り、下は地に象り、田宅・財物・奴僕・畜養を主る)
額角微かに起これる者は、九品の侯たり。
(また曰く、腹背平らかに厚く、臀腿廣く長く、視瞻正しく邁れ、行歩安らかなる者は、皆九品の侯たり。
皮肉は厚く緊るを要し、腰は廣く長きを要す。
故に《經》に曰く、『面黄瓜の如くなるは、富貴の人なり。白きこと截肪の如く、黒きこと漆の如く、紫きこと黍の如く、腰廣く長く、腹垂れて囊の如く、行歩鵞・亀の如くなるは、皆富貴の人なり』。
凡そ公侯・将相の品に至りては、一概に論ずべからず)
顔骨稍挙がり、鼻頭微かに直き者は、八品の侯たり。
(また曰く、胸背微かに満ち、手足潤い、身儀容端しく歩み、皆八品の侯たり。
鼻は端直長大を要し、胸は覆甲の如く、手足は紅白なるを要す。
故に《經》に曰く、『手足綿の如く、富貴年を延ぶ』。
手足厚く美しければ、位地に安んず)
頬角露われ、倉庫満つる者は、七品の侯たり。
(また曰く、胸厚く頸大く、四体相稱し、音聲朗らかなる者は、皆七品の侯たり。
頸は短厚を要し、臂は長細を要し、聲は笙簧・鳳凰の如くなるを要す。
故に《經》に曰く、『額高く角明らかなれば、位三公に登る。頸圓く肥えなれば、富千金を賭く。視ること虎・牛の如きは、富貴無窮なり。倉庫満つれば、財禄自から至る』)
天中豐隆、印堂端正なる者は、六品の侯たり。
(また曰く、頭角奇抜、神爽合一、手厚く腰圓く、聲清く音朗らかなる者は、皆六品の侯たり。
天中は天庭に連なり、中正・司空位に次ぎ、骨肉環の如くなるは、天城と謂う。缺くること無ければ富貴の人、缺けて門の如くなれば、三公に至る。
聲は深く重く、大きくして濁らず、小さくして清く、遠くして散らず、近くして亡わず、餘音微かに徹り、竹筍相應し、條理暢び舒ぶ。是れ善聲と謂う。
宮聲は重厚、商聲は堅廣、角聲は圓長、徵聲は調和、羽聲は低柔。是れ正聲なり)
伏犀明かに輔骨起これる者は、五品の侯たり。
(また曰く、頸短く背高く、胸廓く腹垂れ、行歩鵞・虎の如くなる者は、皆五品の侯たり。
中正は伏犀に連なり、三品の卿に次ぐ。骨額角に起これば、將軍二千石に至る。
髮際に連なり、高く角起これば、封侯の位なり。廣く平らかなるは悪し。
腹は垂れて高きを要す。故に曰く、『腹馬の如く垂るる者は、祿千鍾』)
邊地高深、福堂廣厚なる者は、四品の侯たり。
(また曰く、頭角高峻にして上長下短、行歩龍の如くなる者は、皆四品の侯たり。
邊地は額角髮際の近傍に在り、福堂は眉尾の上に在り。
頭は大きく圓きを要す。
故に《經》に曰く、『牛頭四方、富貴隆昌。虎頭高峙、富貴無比。象頭高廣、福祿長久。犀頭律兀、富貴鬱鬱。獅子頭蒙茸、富貴赫奕。行歩虎の如きは、將帥を主る。行歩鵞の如きは、富貴を主る』)
犀骨理致あり、龍角直細なる者は、三品の侯たり。
(また曰く、胸背極厚、頭深く峻しく、志雄膽壮にして體貌柔和なる者は、皆三品の侯たり。
司空は髮際より直下し、中正は司空の次に次ぐ。
印堂は中正の下に在り)
頭頂高深、龍犀成就せる者は、二品の侯たり。
(また曰く、頭角奇逸、關節玲瓏、容儀温かく、神気清く澄む者は、皆二品の侯たり。
容止は寛和を貴び、神気は清揚を貴び、心性は安定を貴び、言語は審諦を貴び、疾くもならず遅くもならず、動止は宜しく、軽佻ならず、喜怒色に形れず、榮枯度を易えず。是れ神有餘の人、一品の侯たり)
四倉盡く満ち、九骨皆明らかなる者は、一品の侯たり。
(頭頸完美、關節奇異、容姿端嚴、目睛澄徹なる者は、皆一品の侯たり)
龍に似たる者は文吏たり(龍の行歩三公)。
虎に似たる者は將帥たり(虎の行歩將帥を主る。馬の骨高ければ、將帥の位に至る)。
牛に似たる者は宰輔たり。
馬に似たる者は武吏たり(馬に似たるも亦貴し)。
狗に似たる者は清官・方伯たり(猪・猿に似たる者は、大富貴なり。鼠に似たる者は、惟だ富あるのみ)。
凡そ似たるの云々(うんぬん)は、其の動止相似たるに取る。若し一節に於て似たる者は、貧寒の人なり)
《經》に曰く、『天中貴氣滿ちて平らかなるは、宜しく官禄を倍すべし』。
(天中最高にして、髮際に近く、黄氣起こり、角を連ね、高廣にして平らかなるは、太史令たり。
黄色日月の如く、天中の兩傍に在るは、王の侍臣たり。
黄色天中より出で、大きく圓く、光重なるは、王に見え、井に至り、功を以て拜爵せらる。常に黄氣鐘鼓の如く、三公を為す。
黄氣龍狀を為すは、亦封拜せらる。
四時の氣は天中に現る、光鏡の如くなれば、富貴の人なり)
天庭は尊貴の位なり、是れ大丞相の氣たり(天庭直下中正の黒点は、主として死す)
司空は天に在り、亦三公の氣たり(司空は中正に次ぎ、色悪しければ、上書の主、大凶たり)
中正は群僚の氣を主り、人物の品を司る(中正は司空の下に在り、色善ければ官爵を加う。司空・中正に赤色明らかに鮮やかなる者は、縣令に至り、天中に及べば、郡守刺史・蘭臺尚書の位に至る)
印堂は天下の印綬を主り、符印の官を司る(印堂は兩眉の間に在り、眉頭少しく下り、中正の下に在り。赤色刀の連なる如く、天庭に至り、鼻準に下らば、縣令たり。闕庭に亘り、色現るれば、長吏たり。車輪轉轉し、輔角相應せば、大貴の人なり。印堂は闕庭と亦名づく)
山根平美、骨奇しく起これる者は、尚主の壻たり(山根は印堂の下に在り、亦権・不権を主る)
高廣は方伯の位たり(天中より髮際に至るまで、凡そ七品あり。高廣は三品に次ぐ。黄色忽然として現れ、二人鼓を搗つが如くなれば、將軍の位に至る)
陽尺は州佐の位たり(四品に次ぎ、高廣の下に在り。亦出ずること少なく、方伯の權有り、外使を主り、遠く役するを患う)
武庫は兵庫の吏たり(五品に次ぎ、陽尺の下に在り)
輔角は遠州の監司たり(六品に次ぎ、武庫の下に在り。骨美しければ、黃門舍人の位に至る)
邊地は邊州の任たり(七品に次ぎ、輔角の下に在り。黒痣有れば、奴隷に落とさる)
日角は公侯の位たり(天庭より髮際に至るまで、凡そ八品あり。日角は一品に次ぐ。平らかに直きは、宜しく官位に安んず)
房心は京輦の任たり(日角の下に在り、二品に次ぐ。左は文、右は武。骨起これば、師傅の位に宜し。房心に黄色起こり、天庭に至れば、丞令たり。房心に光見ゆれば、國師に召さる)
驛馬は馳驟の使たり(七品に次ぐ。驛馬色好く、印堂に應ぜば、秋冬に祿を得べし)
額角は卿寺の位たり(司空より髮際に至るまで、凡そ八品あり。額角は一品に次ぐ。赤黄色は吉なり)
上卿は帝卿の位たり(額角の上に在り。上卿動もすれば、大卿に拜せらる)
虎眉は大將の位たり(中正より髮際に至るまで、凡そ九品あり。虎眉は二品に次ぐ。青白色は事を主る)
牛角は王の帥、小將の位たり(虎眉の下に在り、三品に次ぐ。亦封侯・食祿を主る。角成らば、肉角に勝る)
玄角は將帥の象たり(五品に次ぐ。玄角無くば、位を求むべからず。位を得て久しきを欲せば、年上の色を見よ。髮際に長一寸は位一年、二寸は位二年。此れを以て消息を知るべし。若し死色以て間じえば、位に居りて人を代う。年上善色有り、山雲出でて蓋すが如く、處々(しょしょ)に及べば、萬事成る。髮際黄氣有れば、位を得たり。黑氣有れば、未だ得ず。黄氣帯の如く、額に亘れば、遷官益祿す)
人有六賤:
一に曰く、頭小身大なるは、一賤たり(又曰く、額角陷缺、天中地下なるは、亦一賤なり。經に曰く、『額狭く短く、老いて貧しきに至る。頸蛇の如く薄く克たず、食を為る無し。頭蛇の如く平らかに薄く、財物少なし。頭狼の如く折れ挫け、貧しきを免れず』)
二に曰く、目無光睛然たらざるは、二賤たり(又曰く、胸背陷薄るは、亦二賤たり。經に曰く、『胸陷み臀薄く、猴目豺声は、貧窮の人なり』)
三に曰く、舉動不便なるは、三賤たり(又曰く、聲散り破るるは、亦三賤たり。經に曰く、『語聲噴散、面塵垢、毛髮粗硬、風無くして塵拂するは、貧困の相なり。聲悪しきは、薄濁の聲、荒散の聲、大きくして竭くるの聲、去りて還らざるの聲、淺短して齊わざるの聲、沈濁して重からざるの聲、輕薄して響かざるの聲、舌短く唇強く、言辭蹇吃は、皆相無きの貌なり』。
或いは笑わざるに笑うが如く、怒らざるに怒るが如く、喜ばざるに喜ぶが如く、懼れざるに懼るるが如く、醉わざるに醉うが如く、寤めざるに寤むが如く、憂えざるに憂うるが如く、愁うるの色有るが如く、容貌缺くる有るが如く、癇の疾有るが如く、面色枯槁して、喪を懷くが如く、動止倉皇して、迫遽を為すが如く、言辭拙訥して、隠す有るが如く、身體低細して、凌轢せらるるが如く、是れ神不足の人なり。神不足の人は、多く囚獄の厄を抱う。位有りて亦藏して失い、位有りて奪われ黜けらる)
四に曰く、鼻不成就、準頭低小なるは、四賤たり(又曰く、眇目邪視するは、亦四賤たり。經に曰く、『人中平らかに満ち、耳無輪廓なるは、貧窮の人なり』)
五に曰く、脚長く腰短きは、五賤たり(又曰く、唇傾き鼻曲れるは、亦五賤たり。經に曰く、『蛇行雀趨は、財物無蓄。鼻薄くは、諾を主るを施す。鼻頭低く垂れ、獨り老うて身に従う。腰搖がせて疾く趨るは、使役無し。腰短きは、人に奪われて職に居る』)
六に曰く、策畫成らず、唇薄く長きは、六賤たり(又曰く、言多く信少なきは、亦六賤たり。經に曰く、『口薄くは、人に薄く親しまれ、讒に従い毀る。口火燃ゆるが如く、獨り老いて居る。舌白きは、賤人たり。舌短きは、貧人たり』。凡そ賤人を知らんと欲せば、上の性徳少なく、下の賤格多し。多きは則ち闊と為し、少きは則ち狭と為す。六賤備われば、僕隷の人たり)
是を以て貴賤骨法に在りと為す。
(論に曰く、『堯は眉八彩し、舜は目重瞳し、禹は耳三漏し、文王は四乳す。是を以て世間に四乳の人有るも、是れ常馬の一毛を駿驥の微斑に取るが如し。
日月角を麗らしめ、龍蹲虎踞し、地鎮城郭し、天開掌握す。
金城枕玉、相照輝映し、伏犀隠隠、貫ぬく梁棟あり。
淵宅泉府、倉庫箱帑満つ。是れ公侯の顯証なり。
然れども目深く頸長く、顔面皺破し、額頞皺蹙し、行蛇坐雀、筋骨を駕せず、面色精を失い、手柔滑ならず、春笋の如くならず、髪毛悴み、冬草の如くなるは、貧困の相なり』)
昔、姑布子卿、子貢に謂いて曰く、『鄭の東門に一士有り、其の長九尺六寸、河目而して隆颡、其の頭堯に似、其の頸皐陶に似、其の肩子産に似、然れども自腰より以下、禹に及ばざること三寸、纍ぬること喪家の狗の如し』。
河目とは、目上下正平に長く匡すを謂う。顙とは、額なり。漢高隆準龍顔。隆準とは、鼻高し。龍顔とは、額高く圓し。
或は曰く、両角龍の如く、一角犀の如し。是を以て漢高龍顔にして、両眉骨起これるを謂う。魏の張繚、豊を此に収む。趙宣、其の頸太きを以て、神の照さざる所と為す。其の微時、楊忠見て大に奇と為し曰く、『此の人虎頸なり、必ず大富貴ならん』。後、果たして然り。是れ貴賤の効験なり。
木は春に主と為る、是れ生の時なり(春は肝に屬し、肝は目に主たり、目は仁なり。生長数栄は、寛恕博愛の心なり)。
火は夏に主と為る、是れ長の時なり(夏は心に屬し、心は舌に主たり、舌は礼なり。豊盛殷庶は、富貴弘広の度なり)。
金は秋に主と為る、是れ收の時なり(秋は肺に屬し、肺は鼻に主たり、鼻は義なり。収斂堅固は、吝嗇悭悋の情なり)。
水は冬に主と為る、是れ藏の時なり(冬は腎に屬し、腎は耳に主たり、耳は智なり。蔵匿隠伏は、姦邪譎詐の心なり)。
土は季夏に主と為る、是れ成の時なり(季夏は脾に屬し、脾は唇に主たり、唇は信なり。成育実穏は、誠実敦厚の貌なり)。
故に曰く、凡そ眉目清秀、指爪纖く美しきは、博愛施与の心あり。
(肝は目に出で、亦筋に主たり。筋竭きれば爪に聚まり、榮は眉に生じ、魂を藏む。
經に曰く、『凡そ眉直に頭挙すれば、志剛勇決の人なり。缺くる所あるか或は薄くは、人に信ぜられず。眉弓の如く、多くは善人なり。
目光彩り深く、瞻視端しく澄む者は、性格物にして智あり。眼光眶を出でて、散らず動かず、不疾不徐、精を露さざる者は、智の人なり。眶縮みて光無きは、愚蒙の人なり。眼光眶を出でざるは、情を藏む。眶乾きて私かに睇る者は、盗みを主る。
更に以て刀を運らし心を移し、好合に因る者は、嫉妒の人なり。視ること急わしく辺に遊び、不嫉なるは則ち妄人なり。視ること急しくて睚眥を決するは、悪しきの人なり。
水清くて手疾きは、強きの人なり。羊眼河目は、禍害の人なり。
光彩り浮かびて睛定まらず、心機不実にして、信義無きは、多詐の人なり。明澄光潔は、聡明の人なり。沈深光定は、勇烈の人なり。眼角高深、面色烈しきは、権勢剛狠の人なり。面色浮び散るは、不実不堅の人なり。
地坌浄からざるは、権威無く怯懦の人なり。紫黒光明らかなるは、剛毅の人なり。純白堅確は、沈潜の人なり。光多く散らず、清澄細緻は、率直質実の人なり。黄光清澄は、道義の人なり』)
髮光沢唇丹朱の如くなるは、芸術に通暁するの人なり。
(心は舌に出で、亦た血を主る。血竭きては髮に聚まり、榮は耳に生じ、神を藏す。
經に曰く、『鬢狐の如く、信を主り難し。鬢羊の如く、疑心多し。唇急にして歯露るるは、交友に難あり。唇広く端正なるは、言辞理有り。唇悪しきは、言辞信なし。唇無きが如きは、人の悪しきを語ることを好む。唇鳥の如く、同じくせず、心毒の人なり。言語疾きか或は遅く、鳥の語るが如きは、多言の人なり』)
鼻頭小さく、準頭低く曲れるは、慳吝の人なり。
(肺は鼻に出で、亦た皮を主る。亦た氣を主り、魄を藏す。鼻良ければ、聲譽れ有り。鼻柱薄く、陷没するは、多病の人なり。鼻無きが如く、痴騃の人なり。鼻蠐螬の如く、智少なし)
耳孔小さく、歯細き者は、譎詐姦邪の人なり。
(腎は骨に出で、亦た髄を主る。髄竭きては耳孔に聚まり、骨竭きては歯に聚まり、志を藏す。
經に曰く、『耳孔深く広く、心空洞徹して、玄理を識る。耳孔悪しく小さく、智無く道を信ぜず。耳無きが如く、賤人の人なり。耳孔小さく、骨節曲りて直らざるは、智少なきの人なり。耳鼠の如く、殺せども死せず』。又曰く、『耳鼠の如きは、盗みを主る』)
耳厚く大きく、鼻圓く実ち、乳頭清潔、頤深く廣きは、誠信敦厚の人なり。
(脾は肉に主たり、肉竭きては孔に聚まり、亦た耳・頬・頤を主り、意を藏す。
經に曰く、『頭高く大きく、方に人を下すを主る。頭低く委靡たるは、人に随い細謹の人なり』。
故に曰く、『鹿頭側長は、志気剛強の人なり。兎頭卑微は、意気劣下の人なり。獺頭横闊は、心志広大の人なり』。
頸細く曲るは、立つ能わず。色斑駁或いは不潔は、任放不堅の人なり。
手長く細きは、施すことを好む。手短く厚きは、受くることを好む。施すは義を以てし、受くるは貪を以てす。
故に曰く、『手鶏足の如く、心志迫狭なり。手豚足の如く、心志愚昧なり。手猿掌の如く、勤労伎倆の人なり』。
背厚く広きは、決断の人なり。背薄きは、怯弱の人なり。
腹垂れて成るは、才能の人なり。
故に曰く、『牛腹婪婪たるは、資財累万なり。蝦蟇腹は、懶惰の人なり』。
腰美しきは、仁にして人を容る。蜥蜴腰は、緩慢の人なり。
脛臂大きく厚きは、倚頼有りて堅固の人なり。形蛇の如く、心毒の人、事を共にすべからず。
歩み鳥の如く、志操不良にして、鵲の行みに似たり。歩み鷹の如く、剛強の人なり。歩み狼の如く、獷戻嗜利の人なり。歩み牛の如く、直朴の人なり。歩み馬の如く、雄捷の人なり』)
是を以て性霊容止に存すと為す。
(范蠡曰く、『越王頸長く而して鳥喙、之と憂患を共にす可く、之と楽しみを共にする可からず』)
尉繚曰く、『秦王隆準長目、鷙胸豺声、少恩信にして虎狼心有り。居りては人に易やすく、得ては人に食わしめ易し。久しく与に遊ぶ可からず』
叔魚生まれ、其の母之を視て曰く、『是れ虎目豕心、鷹肩牛腹。谿壑可く満つ可きも、是れ厭く可からず』。
叔向、巫臣氏の女を娶らんと欲す。其の母之を禁じて曰く、『昔、有仍氏の女、黰黒にして美し、光以て鑑にす可く、玄妻と名づく。楽正後夔之を娶り、生みて伯封を得。伯封は是れ豕心有り、貪惏無厭、忿纇無期、之を封豕と謂う。有窮後羿之を滅ぼし、夔是に以て祀らず。且つ三代の亡ぶるは、是れ物に由る。己れ唯だ是を為す。天生ずるの美物は、人をして殃易えしむ。若し徳義以て之を鎮めずば、必ず害有り』。
叔向懼れて、敢えず娶らず)
魏安釐王、子從に問いて曰く、『馬回は挺挺として亮直たり、吾れ大を為さしめんと欲す。得可きか?』。子從対えて曰く、『長目にして豕視する者は、体剛強にして心剛強ならず。其の法人を相するに、万全なるも、吾れ其の視るを疑う』
趙の平原君、秦の白起を語り、趙王に謂いて曰く、『武安君の頭小さく顴鋭く、瞳子白黒分明、視ること瞻ず。頭小顴鋭は、敢闘決断なり。瞳子白黒分明は、事を視ること明らかなり。視瞻不転は、執志強固なり。之と持久を為す可きも、之と争鋒を為す可からず』
王莽口大きく吻短く、目赤く睛露わ、声大きく而して嘶ぶ、身長七尺五寸、好く仰視して俯視せず、左右を睨む。或いは曰く、王莽鴟目虎吻豺声なり、此れ食人の相なり、卒に他に殺さる可し。後、漢を篡い、兵敗れて帰る。果たして殺さる)
夫れ命を窮極し、人を相すること、猶響の應うるが如し。響動きて聲に隨い、應え非ずして候に従う。其の由然る所以、其れ理定まる有り。
然れども、言に曰く、『宰予の行に失し、子羽の貌に失す』と。
而るに《執人》(しつじん)に曰く、『憂えざるに憂うる者は、必ず憂え至らん。楽しまざるに楽しむ者は、必ず楽しま返らん』と。
是れ心先に動き、神早くに知る。是を以て色必ず徴有り。
故に扁鵲桓公を見て其の亡ぶるを知り、申叔巫臣を見て其の妻を窃むを識る。
或いは騎馬して珍味を餐い、或いは飛翔して肉食す。或いは旦に奴僕として夕べに侯伯と為り、或いは初めに囚虜として終わりに帝王と為る。
金穴も以て生きるを養う能わず、玉食も以て餓えを免れず。
是を以て、相法の所謂う、骨を相て色を察し、理を決して疑いを分つは、蓋し欺く可からざるなり。
故に録して以て篇に備う。




