表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/253

タイトル未定2026/02/11 18:05

『春秋左氏伝』(しゅんじゅうさしでん)に曰く:

「周の内史ないし叔服しゅくふくが魯にゆき、公孫敖こうそんごうがその子ふたりをみさせた。叔服いわく、『こくはよく子を養いて、なんじをまつるなり。穀はひさし(あご)したひろければ、かならず魯にまつられん』。

杜預とよいわく、『ひさししたひろしとは、かたちひろきなり』)」


**「鄭伯ていはく垂隴すいろうにて趙孟ちょうもうきょうす。七子しちししたがう。趙孟いわく、『七子、君にしたがいて、をたっとぶ。みな詩をみて、君が志をなさん。わもて君がこころをみん』。

子展してん、『草虫』を誦す。趙孟いわく、『よきかな、民のおさむるところなり。武はすなわちおそれていれるにたらず』。

伯有はくゆう、『鶉之賁賁』を誦す。趙孟いわく、『牀笫しょうしのことば、しきいをこえず。ましてや野にありや。これひとがなすべきところにあらず』。

印段いんだん、『蟋蟀』を誦す。趙孟いわく、『よきかな、家をたもつものなり。われたのしみてのぞむところあり』。

…(中略)…

その後、伯有はついにりくせられたり。詩をもて心をいう。心をいつわりてそのうえをおおい、怨みを公にして、ひんをはなつ。これいかでかひさしからん』」


『漢書』(かんじょ)に曰く:

高祖こうそを呉王に封ず。すでにはいして、かれにいて曰く、『なんじのかたち、もってそむく相あり。後五十年、東南に乱あるべし。なんじそれにあらざるか?しかれども天下同姓どうせい一家なり、なんじむなしく反することなかれ』」

(『経』に曰く、「まゆのうえの骨高くして起これるを『九反骨』という。その人、かならず陰謀いんぼうあり」)

また曰く、「黄色おうしょく天中てんちゅうより髮際はっさいにいたり、両眉りょうびにひろがり、両頬骨きょうこつのうえに黄色さし、鼻のうえに中正ちゅうせい直下ちょっかに黄色あれば、三公さんこうの相なり。もし庶人しょじんにこの色あらば、君父くんぷしいすべし」


『春秋左氏伝』に曰く:

楚子そし商臣しょうしんをして太子たらしめんとす。令尹子上れいいんしじょうう。子上曰く、『その人、蜂目ほうもくにして豺声さいせいあり、これ忍人にんじんなり。ただすべからず』。聴かず。のちに商臣、宮を以て王を囲み、王を弑す」


また曰く、「楚の司馬子良しばしりょう子越椒しえつしょうを生む。子文しぶん曰く、『かならずこれを殺せ。この子、熊虎ゆうこかたちにして豺狼さいろうの声あり。殺さずんばかならず若敖氏じゃくごうしを滅ぼさん。ことわざに「狼子野心ろうしやしん」という。これすなわち狼なり。なんすなわちこれやしなうべけんや』。子良ゆるさず。のち子越椒、ついに若敖氏を滅ぼす」


また曰く、「晋の韓宣子かんせんし、斉にゆき、子雅しがにみゆ。子雅、子旗しきをよびて見す。宣子曰く、『これ非保家ひほかの主なり。臣たりえず』。杜預曰く、『心志しんしたかくして、人にしたがわざるをいう』。後十年、子旗奔はしる」


周霊王れいおう弟儋季たんき死す。その子括かつこれを見、嘆息たんそくす。かん大夫たいふこの嘆息を聞き、王に告ぐ、『哀しまずしてねがい大きなり、のぞみて俯仰ふぎょうたかし、心他にあり。殺さずば後患こうかんあらん』。王曰く、『孺子じゅしいかでかこれを知らん』。霊王崩ずれば、儋括、王子佞夫でいふを立てんとす。周人、佞夫を殺す」


「斉の崔杼さいちょ、師を率いて北郭ほっかくつ。公、これうれう。孟公綽もうこうしゃく曰く、『崔子さいし、志おおいなり。そのなんれにせず、かならずすみやかに帰らん。何を患えんや。その来たるや、寇掠こうりゃくせず、たみをしてげんならしめず、ことなるがごとし』。斉の師、ついにかえる。果たして崔子、斉の荘公そうこうしいす」


「晋・楚、諸侯とちかいをそうつくる。楚の公子こうしちゅう冕服べんぷくこうむる。叔孫穆子しゅくそんぼくし曰く、『楚の公子、かな、君たり!』。杜預曰く、『君の服を著る。これ君たらんとするなり』。この年、公子、位をうばう」


「衛の孫文子そんぶんしへいして魯に来たる。公、これのぼらしむ。叔孫穆子、はしりて入りて曰く、『諸侯のくわい寡君かくんいまだおくれて衛君えいくんつかえたることあらず。今、子、寡君の後にあらず。寡君、未だところあらんことを知らず。子、このいこう』。孫子、なく、また悛容しゅんようなし。穆子曰く、『孫子、かならずほろびん。臣にして君の位を忘れ、過ちありてあらためず、これほろびのもとなり』。後十四年、林父りんぽ、君をう」


「初め、鄭伯、趙孟をきょうす。七子、詩をす。伯有、『鶉之賁賁』を賦す。享す。趙孟、叔向しゅくきょうに告げて曰く、『伯有、ついに刑戮けいりくに及ばん。詩以てこころを言う。志をいてその上をおおい、怨を公にして、ひんはなつ。これ長かるべけんや』」


「魏の管輅かんろ何晏かあん鄧颺とうようちゅうせらるべきをうらなう。既に誅せられ、管輅のきゅうこれを問う。輅曰く、『鄧颺の行歩こうほきんこつつかねず、みゃくはだせいせず、起立傾倚きりつけいい、手足を失えるがごとし、これを「鬼躁きそう」と為す。何晏のる所、たましろたくを守らず、血気華色けしょくなく、精爽煙浮せいそうえんぷし、容若槁木ようじゃくこうぼく、これを「鬼幽きゆう」と為す。鬼躁、風にしたがいておさめられ、鬼幽、火にしたがいて焼かる。自然のしるしおおうべからざるなり』」


「宋の孔熙光こうきこう姚生ようせいに謂いて曰く、『そうほうてんのごときはそのまるきをたっとび、のごときはそのかたきを貴ぶ。めいなるをようとし、はなちゅうなるを要とす。四瀆しとくは深くしてるを要とし、五嶽ごがくけわしくして成るを要とす。もしいずれもそなわらずんば、これ人の相にあらず。しかのみならず、子の目は横にして、羊の歩みのごとくにしてこうべあおぐ。鼻は曲がって中ならず、声は散じてきゅうしょうに属せず。そのえいかんを失うのみならず、ついには刑戮けいりくに及ばん』。後、果たして謀反むほんしてちゅうせらる」


これを以てこれを見れば、かたちを以て人をるは、いにしえよりこれをたっとぶ。


ゆえに曰く、『富貴は骨法こっぽうに在り、憂喜は容色ようしょくに在り』。


(『経』に曰く、「青は憂、白はこく、黒は病、赤は驚懼きょうく、黄は喜。五色ごしきおのおのあり。春三月、色王しきおうは青、そうは赤、しゅうは白、死は黄・黒。夏三月、王は赤、相は白・黄、囚は青、死は黒。秋三月、王は白、相は黒、囚は赤、死は青・黄。冬三月、王は黒、相は青、囚は黄、死は白・赤。時を得れば王・相と為り、時を失えば囚・死と為る。吉凶を見るべし」)


魏の管輅、族兄ぞくけいの家にいたる。客二人来たる。去るに及び、輅、兄に謂いて曰く、『此の二人、天庭てんてい口耳こうじの間、凶気きょうきあり。変異へんいまじわり、魂霊こんれいたくおさめず、漂流ひょうりゅううみに死し、ほねかえいえほうむらる』。後、果たして溺死できしす。


これ容色ようしょくへんを以てちょうを成すなり。


成敗せいはい決断けつだんに在り。を以てこれをさんすれば、よろずいつしつもなし。


(『経』に曰く、「言貴賤きせんは骨法に在り、言修短しゅうたん虚実きょじつに在り」。また曰く、「人の喘息ぜんそくは、則ち其のせいに属す。呼吸こきゅうやわらぎて長ければ、則ち寿ことぶきを為す。急促きょうそくにしてつは、則ちようを為す」。また曰く、「骨肉こつにく堅強けんきょうなれば、寿にして楽しみ無し。脈気みゃくき柔弱じゅうじゃくなれば、楽にして寿ならず」)


『春秋左氏伝』に曰く:


「魯の襄仲じょうちゅう、斉にへいす。帰りて曰く、『臣、斉人せいじんまさに魯のむぎらわんとすと聞けり。其のげんを以てこれを観れば、おそらくあたわざらん。斉侯せいこうおこたりあり』。文仲ぶんちゅう曰く、『人主じんしゅ、惰りありては必ず死す』。果たしてしかり」


「鄭伯、晋にきてきょうせらる。東楹とうえいの東にぬさまつる。士貞伯していはく曰く、『鄭伯、れ死せんか。自らふたらず。水潦すいろうを視ること行くがごとく、歩みすみやかにしてかたちたいならず。ふしりてく久しからじ』。杜預曰く、『節、ときを謂う。六月辛亥、鄭伯、卒す』」


「王、劉康公りゅうこうこう成肅公せいしゅくこうをして晋侯にかいせしめて、秦をたしむ。成子せいし社稷しゃしょくだんしんを受くるにけいせず。劉子曰く、『吾聞く、人、天地の中和ちゅうわを受けて以て生と為す、れをめいと謂う。ここに於て動作礼義威儀どうされいぎいぎのり有り、以て命を定む。く者は養いて以てさいわいを受く、能わざる者はやぶれて以てわざわいを取る。是を以て君子くんし礼をつとめ、小人しょうじん力をくす。勤礼きんれいけいくはく、竭力かつりょくあつきに如くは莫し。くにの大事、じゅうに在り。まつりにはしんさずけ、いくさにはしんを受く、おおいなる命なり。今、成子、おこたり、其の命をつ。かえらずばんか』。五月、成肅公、に卒す」


「晋侯、程鄭ていていをしてたすけしめて下軍かぐんをこれおこなわしむ。鄭行人こうじん子羽しう、曰く、『程鄭、れ死せんか。いならずんばまさはしらん。くらいに在りておそれ、懼れてさがるをはかる、すなわくだりて其の位を得たり。問うことむべし。今、自ら下るをとなえて問う、問うは其の人を知らんと為す、程鄭に非ざるなり。奔せずばんか。そもそみな疑い有らば、死せんとして懼るるか』。明年、程鄭、卒す」


「王、詹桓伯せんかんはくをして晋にかしむ。おこたり有り。叔向しゅくきょう曰く、『詹子、れ死せんか。ちょうに在りてれい有り、ふくかい有り。朝におよび、めいくは、ひょうあらわる。今、詹子、けい大夫たいふの位に在り、くにの命をはいし、朝にかいせず、命をととのえず、げんひょうなく、れいなし。何を以て久しからん』。其の年冬、詹子、卒す」


宋公そうこう昭子しょうしきょうす。酒をみてがくし、かたりてなみだす。樂祁がくき退しりぞきて人に告げて曰く、『今、君と叔孫しゅくそんみな死せんか。吾聞く、かなしみてたのしみ、樂しみて哀しむは、みな心のせいうしなうと。心の精、魂魄こんぱくなり。魂魄去れば、れ久しからじ』。是の年、叔孫・宋公、皆卒す」


邾子ちゅし、魯にへいす。ぎょくることたかし。其のかたちあおぐ。魯公ろこう、玉を受くることひくし。其のかたちうつむく。子貢しこう曰く、『れいを以てこれを観れば、二君にきみみな死亡しぼうせん。高きはおごり、卑しきはおとろう。驕りはらんに近く、替うはやまいに近し。君、あるじたる者、まささきほろびんか』。是の歳、公、じょうに卒す」


「哀七年、邾子、呉にはしる。呉、夫差ふさ、邾子をろうとらう。邾子、齊に奔る。齊、鮑氏ほうし邾子をしいす」


「魯、楚の宮を作る。穆叔ぼくしゅく曰く、『太誓たいせいに曰く、「たみの欲する所、てん必ずこれに従う」と。君、楚を欲す。ゆえに其の宮を作る。し楚にかずんば、必ず其の宮に死せん』。六月辛巳、公、楚の宮にこうず」


「晋、郤雍げきようをして衛に孫林父そんりんぽを送らしむ。衛侯、これきょうす。郤子、おこたり有り。衛の甯子ねいし曰く、『郤氏げきしほろびんか。いにしえきょうて、いたおそれをかえりみ、さいわいわざわいはかる。詩に曰く、「兕觥しこうきゅうたり、旨酒ししゅやわらかにおもう。まじわりあらざるに、萬福ばんぷくところ来たる」と。今、夫子ふうし、其のわざわいやからあゆむなり』。十七年、郤氏、亡ぶ」


齊侯せいこう衛侯えいこうにてくわいす。みなげんおこたり有り。叔向しゅくきょう曰く、『二君にきみ、必ず不免まぬかれず。くわいちょうの言を朝せしむ。朝にれい有り、言は禮にる。禮はまつりごと輿こしなり、身をくるなり。禮をおこたればまつりごとみだる。政亂れて位に安んぜず、必ずやまいを生ぜん』。二十五年、齊、其の君光こうを弑す。二十六年、衛、其の君剽ひょうを弑す」


これを以てこれを見れば、性霊せいれい容止ようしに存す、大端たいたんなり。


大凡おおよそ、人をそうするに、おもてる。面には五嶽ごがく四瀆しとく有り。


五嶽ごがくとは:ひたい衡山こうざんと為し、あご恒山こうざんと為し、はな嵩山すうざんと為し、左頬ひだりほお泰山たいざんと為し、右頬みぎほお華山かざんと為す。

四瀆しとくとは:鼻の二孔にこうこうとくと為し、くちとくと為し、わいとくと為し、みみさいとくと為す。

五嶽は高峻こうしゅんにて圓満えんまんなるを要し、四瀆は深廣しんこうにしてきし成就じょうじゅせるを要す。五嶽成れば富貴ふうき、成らざれば貧賤ひんせん。四瀆成れば貴、成らざれば賎なり)


五官ごかん六府ろくふ


五官ごかんとは:一にくち、二にはな、三にみみ、四に、五に人中じんちゅうなり。

六府ろくふとは:上に二府にふ、下に四府しふ、左右におのおの一府いちふあり。

一官いっかんれば十年じゅうねんたっときけ、一府いちふれば十年のとみを享く。

五官六府、みな成る者は、富貴ふうききわまるなし。ひだり文昌ぶんしょうと為し、みぎ武庫ぶこと為す)


九州きゅうしゅう八極はっきょく


九州きゅうしゅうとは:ひたいひだりよりみぎに至るまで、缺陷けっかんなく、無痕こん無瘢はんかたちらんの如くなるを要す。

八極はっきょくとは:鼻をなかと為し、八方をのぞみ、いきお傾斜けいしゃなきを要す)


七門しちもん二儀にぎ


七門しちもんとは:兩奸門りょうかんもん兩闕門りょうけつもん兩命門りょうめいもん一庭中いっていちゅうなり。

二儀にぎとは:頭圓ずえんてんと為し、足方そくほうと為す。

てんは高きをたっとび、は厚きを貴ぶ。あたま小さくしてあし薄ければ、貧賤ひんせんの人なり。

七門成れば富貴ふうきの人なり。

すべて、天庭てんていてんと為し、地閣ちかくと為し、はなじんと為し、左眼さがんじつと為し、右眼うがんげつと為す。

天はるを要し、地はかたきを要し、人は深廣しんこうを要し、日月はめいなるを要す。

天好ければたっとく、地好ければとみあり、人好ければ寿ことぶきあり、日月好ければ祿ろくまっとうす。

上はてんかたどり、ちちははくらいつかさどり、中はじんに象り、兄弟きょうだい妻子さいし仁義じんぎ年寿ねんじゅつかさどり、下はに象り、田宅でんたく財物ざいもつ奴僕ぬぼく畜養ちくようを主る)


額角がくかくかすかにこれる者は、九品くほんこうたり。


(また曰く、はらせなかたいらかにあつく、しりももひろながく、視瞻しせんただしくすぐれ、行歩あんぽやすらかなる者は、皆九品くほんこうたり。

皮肉ひにくは厚くしまるを要し、こしひろく長きを要す。

故に《經》に曰く、『おもてうりの如くなるは、富貴ふうきの人なり。しろきこと截肪さいぼうの如く、くろきことうるしの如く、むらさききこときびの如く、こしひろながく、はられてふくろの如く、行歩あんぽの如くなるは、皆富貴の人なり』。

およ公侯こうこう将相しょうしょうひんに至りては、いちがいろんずべからず)


顔骨がんこつややがり、はなあたまかすかになおき者は、八品はちほんの侯たり。


(また曰く、胸背きょうはいかすかにち、手足てあしうるおい、儀容ぎようただしくあゆみ、皆八品はちほんの侯たり。

はな端直たんちょく長大ちょうだいを要し、むね覆甲ふくこうの如く、手足てあし紅白こうはくなるを要す。

故に《經》に曰く、『手足てあし綿わたの如く、富貴ふうきとしぶ』。

手足てあしあつうつくしければ、位地いちに安んず)


頬角きょうかくあらわれ、倉庫そうこつる者は、七品しちほんの侯たり。


(また曰く、胸厚むねあつくびおおく、四体したい相稱あいたいし、音聲おんじょうほがらかなる者は、皆七品の侯たり。

くび短厚たんこうを要し、ひじ長細ちょうさいを要し、こえ笙簧しょうかくほうおうの如くなるを要す。

故に《經》に曰く、『額高ひたいたかかどあきらかなれば、くらい三公さんこうのぼる。くびまろえなれば、とみ千金せんきんく。ることとらうしの如きは、富貴無窮ふうきむきゅうなり。倉庫そうこつれば、たからろくおのずから至る』)


天中てんちゅう豐隆ほうりゅう印堂いんどう端正たんせいなる者は、六品ろくほんの侯たり。


(また曰く、頭角ずかく奇抜きばつ神爽しんそう合一ごういつ手厚てあつ腰圓こしまろく、こえきよほがらかなる者は、皆六品の侯たり。

天中てんちゅう天庭てんていに連なり、中正ちゅうせい司空しくうくらいぎ、骨肉こつにくの如くなるは、天城てんじょうう。くること無ければ富貴ふうきの人、缺けてもんの如くなれば、三公さんこうに至る。

こえふかおもく、おおきくしてにごらず、ちいさくしてきよく、とおくしてらず、ちかくしてうしなわず、餘音よねかすかにとおり、竹筍ちくじゅん相應あいおうし、すじことわりぶ。善聲ぜんせいう。

きゅうせい重厚ちょうこうしょう聲は堅廣けんこうかく聲は圓長えんちょう聲は調和ちょうわ聲は低柔ていじゅう正聲せいせいなり)


伏犀ふくさいあきらかに輔骨ほこつこれる者は、五品ごほんの侯たり。


(また曰く、頸短くびたん背高せたかく、胸廓むねひろ腹垂はらたれ、行歩あんぽとらの如くなる者は、皆五品の侯たり。

中正ちゅうせい伏犀ふくさいに連なり、三品さんぽんけいぐ。ほね額角がくかくに起これば、將軍しょうぐん二千石にせんこくに至る。

髮際はっさいに連なり、たかかどこれば、封侯ほうこうくらいなり。ひろたいらかなるはし。

はられてたかきを要す。故に曰く、『はらうまの如く垂るる者は、祿ろく千鍾せんしょう』)


邊地へんち高深こうしん福堂ふくどう廣厚こうこうなる者は、四品よんほんの侯たり。


(また曰く、頭角ずかく高峻こうしゅんにして上長下短じょうちょうげたん行歩あんぽりゅうの如くなる者は、皆四品の侯たり。

邊地へんち額角がくかく髮際はっさい近傍きんぼうに在り、福堂ふくどう眉尾びびうえに在り。

あたまおおきくまろきを要す。

故に《經》に曰く、『牛頭ぎゅうとう四方しほう富貴ふうき隆昌りゅうしょう虎頭ことう高峙こうじ富貴無比ふうきむひ象頭ぞうとう高廣こうこう福祿ふくろく長久ちょうきゅう犀頭さいとう律兀りつこつ富貴鬱鬱ふうきうつうつ獅子頭ししとう蒙茸もうじょう富貴ふうき赫奕かくえき行歩あんぽとらの如きは、將帥しょうすいつかさどる。行歩鵞の如きは、富貴を主る』)


犀骨さいこつ理致りちあり、龍角りゅうかくちょくさいなる者は、三品さんぽんの侯たり。


(また曰く、胸背きょうはい極厚きょくあつ頭深あたまふかけわしく、志雄膽壮しゆうたんそうにして體貌たいぼう柔和にゅうわなる者は、皆三品の侯たり。

司空しくう髮際はっさいより直下ちょっかし、中正ちゅうせい司空しくうつぎぐ。

印堂いんどう中正ちゅうせいもとに在り)


頭頂とうちょう高深こうしん龍犀りゅうさい成就じょうじゅせる者は、二品にほんの侯たり。


(また曰く、頭角ずかく奇逸きいつ關節かんせつ玲瓏れいろう容儀ようぎあたたかく、神気しんききよむ者は、皆二品の侯たり。

容止ようし寛和かんわたっとび、神気しんき清揚せいようを貴び、心性しんせい安定あんていを貴び、言語げんご審諦しんたいを貴び、くもならずおそくもならず、動止どうしよろしく、軽佻けいちょうならず、喜怒きどいろあらわれず、榮枯えいこえず。神有餘しんゆうよの人、一品いっぽんの侯たり)


四倉しそうち、九骨きゅうこつみなあきらかなる者は、一品いっぽんの侯たり。


頭頸とうけい完美かんび關節かんせつ奇異きい容姿ようし端嚴たんげん目睛もくせい澄徹ちょうてつなる者は、皆一品の侯たり)


りゅうたる者は文吏ぶんりたり(りゅう行歩あんぽ三公さんこう)。


とらに似たる者は將帥しょうすいたり(とら行歩あんぽ將帥しょうすいつかさどる。うまほねたかければ、將帥しょうすいくらいに至る)。


うしに似たる者は宰輔さいほたり。


うまに似たる者は武吏ぶりたり(うまに似たるもまたたっとし)。


いぬに似たる者は清官せいかん方伯ほうはくたり(ましに似たる者は、大富貴だいふうきなり。ねずみに似たる者は、とみあるのみ)。


およたるの云々(うんぬん)は、動止どうしあいたるにる。一節いっせつおいたる者は、貧寒ひんかんの人なり)


《經》に曰く、『天中てんちゅう貴氣きき滿ちてたいらかなるは、よろしく官禄かんろくすべし』。


天中てんちゅう最高さいこうにして、髮際はっさいちかく、黄氣こうきこり、かどつらね、高廣こうこうにしてたいらかなるは、太史令たいしれいたり。

いろつきの如く、天中てんちゅう兩傍りょうぼうに在るは、おう侍臣じしんたり。

黄色こうしょく天中てんちゅうよりで、おおきくまろく、ひかりかさなるは、王にまみえ、せいに至り、こうを以て拜爵はいしゃくせらる。つね黄氣こうき鐘鼓しょうこの如く、三公さんこうを為す。

黄氣こうきりゅうじょうを為すは、また封拜ほうはいせらる。

四時しじ天中てんちゅうあらわる、ひかりかがみの如くなれば、富貴ふうきの人なり)


天庭てんてい尊貴そんきくらいなり、大丞相だいじょうしょうたり(天庭てんてい直下ちょっか中正ちゅうせい黒点こくてんは、あるじとして死す)


司空しくうてんり、また三公さんこうたり(司空しくう中正ちゅうせいぎ、いろしければ、上書じょうしょあるじ大凶だいきょうたり)


中正ちゅうせい群僚ぐんりょうつかさどり、人物じんぶつひんつかさどる(中正ちゅうせい司空しくうもとに在り、いろければ官爵かんしゃくくわう。司空しくう中正ちゅうせい赤色せきしょくあきらかにあざやかなる者は、縣令けんれいに至り、天中てんちゅうおよべば、郡守刺史ぐんしゅしし蘭臺尚書らんだいしょうしょくらいに至る)


印堂いんどう天下てんか印綬いんじゅつかさどり、符印ふいんかんつかさどる(印堂いんどう兩眉りょうびかんに在り、眉頭びとうすこしくくだり、中正ちゅうせいもとに在り。赤色せきしょくかたなつらなる如く、天庭てんていに至り、鼻準びじゅんくだらば、縣令けんれいたり。闕庭けつていわたり、いろあらわるれば、長吏ちょうりたり。車輪しゃりん轉轉てんてんし、輔角ほかく相應あいおうせば、大貴だいきの人なり。印堂いんどう闕庭けつていまたづく)


山根さんこん平美へいびほねしくこれる者は、尚主しょうしゅむこたり(山根さんこん印堂いんどうもとに在り、またけん不権ふけんつかさどる)


高廣こうこう方伯ほうはくくらいたり(天中てんちゅうより髮際はっさいに至るまで、およ七品しちほんあり。高廣こうこう三品さんぽんぐ。黄色おうしょく忽然こつねんとしてあらわれ、二人ににんつが如くなれば、將軍しょうぐんくらいに至る)


陽尺ようしゃく州佐しゅうさくらいたり(四品よんほんぎ、高廣こうこうもとに在り。またずることすくなく、方伯ほうはくけん有り、がい使つかさどり、とおえきするをうれう)


武庫ぶこ兵庫ひょうこたり(五品ごほんぎ、陽尺ようしゃくもとに在り)


輔角ほかく遠州えんしゅう監司かんしたり(六品ろくほんぎ、武庫ぶこもとに在り。ほねうつくしければ、黃門舍人こうもんしゃじんくらいに至る)


邊地へんち邊州へんしゅうにんたり(七品しちほんぎ、輔角ほかくもとに在り。黒痣くろあざ有れば、奴隷どれいとさる)


日角にっかく公侯こうこうくらいたり(天庭てんていより髮際はっさいに至るまで、およ八品はちほんあり。日角にっかく一品いっぽんぐ。たいらかになおきは、よろしく官位かんいに安んず)


房心ぼうしん京輦けいれんにんたり(日角にっかくもとに在り、二品にほんぐ。ひだりぶんみぎほねこれば、師傅しふくらいよろし。房心ぼうしん黄色おうしょくこり、天庭てんていに至れば、丞令じょうれいたり。房心ぼうしんひかりゆれば、國師こくしさる)


驛馬えきば馳驟ちしゅう使つかいたり(七品しちほんぐ。驛馬えきばいろく、印堂いんどうおうぜば、秋冬あきふゆ祿ろくを得べし)


額角がくかく卿寺けいじくらいたり(司空しくうより髮際はっさいに至るまで、およ八品はちほんあり。額角がくかく一品いっぽんぐ。赤黄せきおうしょくきちなり)


上卿じょうけい帝卿ていけいくらいたり(額角がくかくうえに在り。上卿じょうけいややもすれば、大卿たいけいはいせらる)


虎眉こび大將たいしょうくらいたり(中正ちゅうせいより髮際はっさいに至るまで、およ九品きゅうほんあり。虎眉こび二品にほんぐ。青白せいはくしょくことつかさどる)


牛角ぎゅうかくおうすい小將しょうしょうくらいたり(虎眉こびもとに在り、三品さんぽんぐ。また封侯ほうこう食祿しょくろくつかさどる。かどらば、肉角にくかくまさる)


玄角げんかく將帥しょうすいかたちたり(五品ごほんぐ。玄角げんかくくば、くらいもとむべからず。くらいひさしきをほっせば、年上ねんじょういろよ。髮際はっさいちょう一寸いっすんくらい一年いちねん二寸にすんくらい二年にねんれを以て消息しょうそくるべし。死色ししょく以てじえば、くらいりてひとう。年上ねんじょう善色ぜんしょく有り、山雲さんうんでてすが如く、處々(しょしょ)におよべば、萬事ばんじる。髮際はっさい黄氣こうき有れば、くらいたり。黑氣こくき有れば、いまず。黄氣こうきたいの如く、ひたいわたれば、遷官せんかん益祿えきろくす)


人有六賤ひとにろくせんあり


一に曰く、頭小ずしょう身大しんだいなるは、一賤いっせんたり(又曰く、額角がくかく陷缺かんけつ天中てんちゅうなるは、亦一賤なり。經に曰く、『額狭ひたいせまみじかく、いてまずしきに至る。くびへびの如くうすたず、しょくつくる無し。あたまへびの如くたいらかにうすく、財物ざいもつすくなし。あたまおおかみの如くくじけ、まずしきをまぬかれず』)


二に曰く、目無光めひかりなく睛然せいぜんたらざるは、二賤にせんたり(又曰く、胸背きょうはい陷薄かんぱくなるは、亦二賤たり。經に曰く、『むねくぼしりうすく、猴目こうもく豺声さいせいは、貧窮ひんきゅうの人なり』)


三に曰く、舉動不便きょどうふべんなるは、三賤さんせんたり(又曰く、こえやぶるるは、亦三賤たり。經に曰く、『語聲噴散ごせいふんさんおもて塵垢じんこう毛髮もうはつ粗硬そこう風無かぜなくして塵拂じんふつするは、貧困ひんこんの相なり。こえしきは、薄濁はくだくの聲、荒散こうさんの聲、おおきくしてくるの聲、りてかえらざるの聲、淺短せんたんしてととのわざるの聲、沈濁ちんだくしておもからざるの聲、輕薄けいはくしてひびかざるの聲、舌短したみじか唇強くちびるつよく、げん蹇吃けんきつは、皆相無そうなきのかたちなり』。

あるいはわらわざるに笑うが如く、いからざるに怒るが如く、よろこばざるに喜ぶが如く、おそれざるに懼るるが如く、わざるに醉うが如く、めざるに寤むが如く、うれえざるに憂うるが如く、うれうるのいろ有るが如く、容貌ようぼうくる有るが如く、かんやまい有るが如く、面色めんしょく枯槁ここうして、そういだくが如く、動止どうし倉皇そうこうして、迫遽はくきょを為すが如く、言辭げんじ拙訥せっとつして、かくす有るが如く、身體しんたい低細ていさいして、凌轢りょうれきせらるるが如く、神不足しんふそくの人なり。神不足の人は、おお囚獄しゅうごくやくかかう。くらい有りてまたかくしてうしない、くらい有りてうばわれしりぞけらる)


四に曰く、鼻不成就はなじょうじゅせず準頭じゅんとう低小ていしょうなるは、四賤よんせんたり(又曰く、眇目びょうもく邪視じゃしするは、亦四賤たり。經に曰く、『人中じんちゅうたいらかにち、みみ無輪廓むりんかくなるは、貧窮の人なり』)


五に曰く、脚長あしなが腰短こしみじかきは、五賤ごせんたり(又曰く、唇傾くちびるかたむ鼻曲はなまがれるは、亦五賤たり。經に曰く、『蛇行だこう雀趨じゃくすうは、財物無蓄ざいもつむちく鼻薄はなうすくは、だくつかさどるをほどこす。鼻頭びとうひくれ、ひとうてしたがう。こしゆるがせてはしるは、使役しえきし。腰短こしみじかきは、ひとうばわれてしょくる』)


六に曰く、策畫さくかくらず、唇薄くちびるうすながきは、六賤ろくせんたり(又曰く、言多げんおお信少しんすくなきは、亦六賤たり。經に曰く、『口薄くちうすくは、ひとうすしたしまれ、ざんしたがそしる。くち火燃ひもゆるが如く、ひといてる。舌白したしろきは、賤人せんじんたり。舌短したみじかきは、貧人ひんじんたり』。およ賤人せんじんらんとほっせば、かみ性徳せいとくすくなく、しも賤格せんかくおおし。おおきはすなわかつし、すくなきは則ちきょうと為す。六賤ろくせんそなわれば、僕隷ぼくれいの人たり)


これを以て貴賤きせん骨法こっぽうりとす。


ろんに曰く、『ぎょう眉八彩びはっさいし、しゅん目重瞳もくじゅうどうし、耳三漏じさんろうし、文王ぶんおう四乳しにゅうす。これを以て世間せけん四乳しにゅう人有ひとあるも、常馬じょうば一毛いちもう駿驥しゅんき微斑びはんるが如し。

日月じつげつかどひからしめ、龍蹲虎踞りゅうそんこきょし、地鎮城郭ちちんじょうかくし、天開掌握てんかいしょうあくす。

金城枕玉きんじょうちんぎょく相照輝映そうしょうきえいし、伏犀隠隠ふくさいいんいんつらぬく梁棟りょうとうあり。

淵宅泉府えんたくせんぷ倉庫箱帑そうこしょうどつ。公侯こうこう顯証けんしょうなり。

しかれども目深めふか頸長くびながく、顔面がんめん皺破しゅうはし、額頞がくあつ皺蹙しゅうしゅくし、行蛇坐雀こうじゃざじゃくすじほねせず、面色めんしょくせいうしない、柔滑じゅうかつならず、春笋しゅんじゅんの如くならず、髪毛はつもうかじかみ、冬草とうそうの如くなるは、貧困ひんこんそうなり』)


むかし姑布子卿こふしけい子貢しこういて曰く、『てい東門とうもん一士いちし有り、たけ九尺六寸きゅうしゃくろくすん河目かもくしこうして隆颡りゅうそうあたまぎょうくび皐陶こうように似、かた子産しさんに似、しかれども自腰こしより以下いかおよばざること三寸さんずんかさぬること喪家そうかいぬの如し』。


河目かもくとは、上下じょうげ正平せいへいながただすをう。ひたいとは、ひたいなり。漢高かんこう隆準りゅうじゅん龍顔りゅうがん隆準りゅうじゅんとは、はなたかし。龍顔りゅうがんとは、ひたいたかまろし。


あるいは曰く、両角りょうかくりゅうの如く、一角いっかくさいの如し。これを以て漢高かんこう龍顔りゅうがんにして、両眉りょうびほねこれるを謂う。魏の張繚ちょうりょうほうおさむ。趙宣ちょうせんくびふときを以て、しんてらさざるところす。微時びじ楊忠ようちゅうおおいと為し曰く、『人虎頸ここうなり、必ず大富貴だいふうきならん』。のちたしてしかり。貴賤きせん効験こうけんなり。


もくしゅんしゅる、せいときなり(はるかんぞくし、肝はに主たり、目はじんなり。せいちょう数栄すうえいは、寛恕かんじょ博愛はくあいの心なり)。


に主と為る、是れちょうの時なり(なつしんに屬し、心はぜつに主たり、舌はれいなり。豊盛ほうせい殷庶いんしょは、富貴ふうき弘広こうこうたくみなり)。


きんしゅうに主と為る、是れしゅうの時なり(あきはいに屬し、肺はに主たり、鼻はなり。収斂しゅうれん堅固けんごは、吝嗇りんしょく悭悋けんりんの情なり)。


すいとうに主と為る、是れぞうの時なり(ふゆじんに屬し、腎はに主たり、耳はなり。蔵匿ぞうとく隠伏いんぷくは、姦邪かんじゃ譎詐けっさの心なり)。


季夏きかに主と為る、是れせいの時なり(季夏きかに屬し、脾はしんに主たり、唇はしんなり。成育せいいく実穏じつおんは、誠実せいじつ敦厚とんこうかたちなり)。


故に曰く、およ眉目びもく清秀せいしゅう指爪しそうほそうつくしきは、博愛施与はくあいせよの心あり。


(肝は目にで、またすじに主たり。筋竭すじつきればつめあつまり、えいは眉に生じ、たまおさむ。

經に曰く、『凡そ眉直びちょく頭挙ずきょすれば、志剛勇決しごうゆうけつの人なり。くるところあるかあるいうすくは、人にしんぜられず。まゆゆみの如く、おおくは善人ぜんにんなり。

ひかりいろどふかく、瞻視せんしただしくむ者は、せい格物かくぶつにしてあり。眼光がんこうわくでて、らずうごかず、不疾不徐ふしつふじょせいあらわさざる者は、の人なり。わくちぢみて光無ひかりなきは、愚蒙ぐもうの人なり。眼光がんこうわくでざるは、じょうおさむ。わくかわきてひそかにる者は、ぬすみを主る。

さらに以てかたなめぐらし心をうつし、好合こうごうる者は、嫉妒しっとの人なり。ることわしくほとりあそび、不嫉ふしつなるはすなわ妄人もうじんなり。ることせわしくて睚眥がんさいけつするは、しきの人なり。

みずきよくてきは、つよきの人なり。羊眼ようがん河目かもくは、禍害かがいの人なり。

ひかりいろどかびてせいさだまらず、心機しんき不実ふじつにして、信義しんぎきは、多詐たさの人なり。明澄光潔めいちょうこうけつは、聡明そうめいの人なり。沈深光定ちんしんこうていは、勇烈ゆうれつの人なり。眼角がんかく高深こうしん面色めんしょくはげしきは、権勢剛狠けんせいごうこんの人なり。面色めんしょくうかるは、不実不堅ふじつふけんの人なり。

ぼんきよからざるは、権威無けんいな怯懦きょうだの人なり。紫黒しこくひかりあきらかなるは、剛毅ごうきの人なり。純白じゅんぱく堅確けんかくは、沈潜ちんせんの人なり。光多ひかりおおらず、清澄せいちょう細緻さいちは、率直質実そっちょくしつじつの人なり。黄光こうこう清澄せいちょうは、道義どうぎの人なり』)


かみ光沢こうたくくちびる丹朱たんしゅの如くなるは、芸術げいじゅつ通暁つうぎょうするの人なり。


(心は舌にで、亦た血を主る。血竭ちつきては髮にあつまり、榮は耳に生じ、神を藏す。

經に曰く、『びんきつねの如く、しんを主りがたし。鬢羊ひつじの如く、疑心ぎしんおおし。くちびるきゅうにして歯露はあらわるるは、交友こうゆうなんあり。唇広ひろ端正たんせいなるは、げん有り。くちびるしきは、言辞げんじしんなし。くちびるきが如きは、ひとしきをかたることをこのむ。くちびるとりの如く、おなじくせず、心毒しんどくの人なり。言語げんごきかあるいおそく、とりかたるが如きは、多言たげんの人なり』)


鼻頭びとうちいさく、準頭じゅんとうひくまがれるは、慳吝けんりんの人なり。


(肺は鼻にで、亦た皮を主る。亦た氣を主り、魄を藏す。はなければ、こえほまれ有り。鼻柱はなばしらうすく、陷没かんぼつするは、多病たびょうの人なり。はなきが如く、痴騃ちがいの人なり。はな蠐螬せいとうの如く、智少ちすくなし)


耳孔じこうちいさく、ほそき者は、譎詐けっさ姦邪かんじゃの人なり。


(腎は骨にで、亦たずいを主る。髄竭ずいつきては耳孔じこうあつまり、骨竭こつつきてはあつまり、こころざしを藏す。

經に曰く、『耳孔じこうふかひろく、心空しんくう洞徹どうてつして、玄理げんりる。耳孔じこうしくちいさく、智無ちなみちを信ぜず。みみきが如く、賤人せんじんの人なり。耳孔じこうちいさく、骨節こっせつまがりてなおらざるは、智少ちすくなきの人なり。みみねずみの如く、あいせどもせず』。又曰く、『みみねずみの如きは、ぬすみを主る』)


みみあつおおきく、はなまろち、乳頭にゅうとう清潔せいけつおとがいふかひろきは、誠信敦厚せいしんとんこうの人なり。


(脾は肉に主たり、肉竭にくつきてはあなあつまり、亦たみみほおおとがいを主り、を藏す。

經に曰く、『あたまたかおおきく、まさに人をくだすを主る。あたまひく委靡いびたるは、人にしたが細謹さいきんの人なり』。

故に曰く、『鹿頭ろくとう側長そくちょうは、志気剛強しきごうきょうの人なり。兎頭ととう卑微ひびは、意気劣下いきれつかの人なり。獺頭だつとう横闊おうかつは、心志広大しんしこうだいの人なり』。

くびほそまがるは、あたわず。いろ斑駁はんぱく或いは不潔ふけつは、任放不堅にんぽうふけんの人なり。

ながほそきは、ほどこすことをこのむ。手短たんあつきは、くることを好む。ほどこすはを以てし、受くるはどんを以てす。

故に曰く、『鶏足けいそくの如く、心志しんし迫狭はっきょうなり。豚足とんそくの如く、心志しんし愚昧ぐまいなり。猿掌えんしょうの如く、勤労伎倆きんろうぎりょうの人なり』。

せなかあつひろきは、決断けつだんの人なり。背薄うすきは、怯弱きょうじゃくの人なり。

はられてるは、才能さいのうの人なり。

故に曰く、『牛腹ぎゅうふくどん婪たるは、資財しざい累万るいまんなり。蝦蟇腹がまふくは、懶惰らんだの人なり』。

こしうつくしきは、じんにして人をる。蜥蜴腰せきえきようは、緩慢かんまんの人なり。

脛臂けいひおおきくあつきは、倚頼いらい有りて堅固けんごの人なり。かたちへびの如く、心毒しんどくの人、ことともにすべからず。

あゆとりの如く、志操しそう不良ふりょうにして、かささぎあゆみにたり。あゆたかの如く、剛強ごうきょうの人なり。あゆおおかみの如く、獷戻こうれい嗜利しりの人なり。あゆうしの如く、直朴ちょくぼくの人なり。あゆうまの如く、雄捷ゆうしょうの人なり』)


これを以て性霊せいれい容止ようしそんすとす。


范蠡はんれい曰く、『越王えつおうくびながしこうして鳥喙ちょうかいこれ憂患ゆうかんともにすく、之と楽しみを共にする可からず』)


尉繚うつりょう曰く、『秦王しんのう隆準りゅうじゅん長目ちょうもく鷙胸しきょう豺声さいせい少恩信しょうおんしんにして虎狼心ころうしん有り。りては人にやすく、ては人にくらわしめやすし。ひさしくともあそからず』


叔魚しゅくぎょまれ、ははこれて曰く、『虎目こもく豕心ししん鷹肩ようけん牛腹ぎゅうふく谿壑けいがくきも、是れからず』。


叔向しゅくきょう巫臣ふしんむすめめとらんとほっす。ははこれきんじて曰く、『むかし有仍氏ゆうじょうしむすめ黰黒しんこくにしてうつくし、ひかり以てかがみにすく、玄妻げんさいづく。楽正後夔がくせいこうきこれめとり、みて伯封はくほう伯封はくほう豕心ししん有り、貪惏無厭どんりんむえん忿纇無期ふんるいむきこれ封豕ふうしう。有窮後羿ゆうきゅうこうげいこれほろぼし、ここに以てまつらず。三代さんだいほろぶるは、是れものる。おのこれす。てんしょうずるの美物びぶつは、ひとをしてわざわいえしむ。徳義とくぎ以てこれしずめずば、必ずがい有り』。

叔向しゅくきょうおそれて、えずめとらず)


魏安釐王ぎあんきおう子從ししょういて曰く、『馬回ばかい挺挺ていていとして亮直りょうちょくたり、たいさしめんとほっす。きか?』。子從ししょうこたえて曰く、『長目ちょうもくにして豕視しししする者は、体剛強たいごうきょうにして心剛強しんごうきょうならず。のりひとそうするに、万全ばんぜんなるも、るをうたがう』


ちょう平原君へいげんくんしん白起はくきかたり、趙王ちょうおういて曰く、『武安君ぶあんくんあたまちいさくほおぼねく、瞳子白黒どうしはっこく分明ぶんめいることず。頭小顴鋭ずしょうけんえいは、敢闘決断かんとうけつだんなり。瞳子白黒分明どうしはっこくぶんめいは、ことることあきらかなり。視瞻不転しせんふてんは、執志強固しっしきょうこなり。これ持久じきゅうきも、之と争鋒そうほうを為す可からず』


王莽おうもう口大くちおおきく吻短ふんたんく、あかせいあらわ、声大こえおおきくしこうしてさけぶ、長七尺五寸しちしゃくごすん仰視ぎょうしして俯視ふしせず、左右さゆうにらむ。あるいは曰く、王莽おうもう鴟目しもく虎吻こうふん豺声さいせいなり、食人じんじんそうなり、ついころさるし。のちかんうばい、いくさやぶれてる。たしてころさる)


めい窮極きゅうきょくし、人をそうすること、なおひびきこたうるが如し。ひびきうごきてこえしたがい、こたあらずしてそうしたがう。よししか所以ゆえんことわりさだまるり。


しかれども、げんに曰く、『宰予さいよこうしつし、子羽しうかたちに失す』と。


しかるに《執人》(しつじん)に曰く、『うれえざるに憂うる者は、必ず憂え至らん。楽しまざるに楽しむ者は、必ず楽しま返らん』と。


こころさきうごき、しんはやくにる。ここを以ていろ必ずちょう有り。


ゆえ扁鵲へんじゃく桓公かんこうほろぶるをり、申叔しんしゅく巫臣ふしんを見てつまぬすむをる。


あるいは騎馬きばして珍味ちんみくらい、或いは飛翔ひしょうして肉食にくじょくす。或いはあした奴僕ぬぼくとしてゆうべに侯伯こうはくり、或いははじめに囚虜しゅうりょとしてわりに帝王ていおうと為る。


金穴きんけつも以てきるをやしなあたわず、玉食ぎょくしょくも以てえをまぬかれず。


これを以て、相法そうほうところう、こついろさっし、ことわりけつしてうたがいをわかつは、けだあざむからざるなり。


ゆえしるして以てへんそなう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ