タイトル未定2026/02/14 22:26
ジョニーと科学無効都市 (後編)
出版社からの序文
前刊行物(第一巻)の出版作業を進めている間、私たちはジョニーの新たな書き下ろし作品を発見しました。調査の結果、今回新たに発見された全ての作品は、第一巻に収録された全ての作品よりも前に書かれたものであり、また彼があらゆる科学法則が無効となる街(ジョニーはその街を『科学無効都市』と呼んでいた)に入るよりも前に書かれたものであることが判明しました。
ティラユット・ハンジャルパット
編集者
[第二巻]
木々は青く、水は濁り、あるいは澄んでいた。
稲穂は黄金色に実っていた。
土は、壌土と粘土があった。
大小様々な生き物がいた。
宝石、宝玉、貴石、金属、非金属、鉱物。
それらが豊かに存在していた。
しかし、ある日。
木々を育てていた者は皆死に絶え、後を継ぐ者はいなかった。
稲を育てていた者は皆死に絶え、後を継ぐ者はいなかった。
家畜を飼っていた者も皆死に絶え、後を継ぐ者はいなかった。
公共インフラを管理していた者も皆死に絶え、後を継ぐ者も、管理を引き継ぐ者も、そして管理できる者も、誰一人としていなかった。
澄んだ水は濁り、濁った水は腐敗した。
土は酸性に傾き、土は塩性化した。
木々や稲を育てる者も、家畜を飼う者も、もはや誰もいなかった。
腐った水はさらに腐敗が進み、昼も夜も煙と埃が立ち込めた。
そして、穀物も野菜も果実も、収穫され尽くした。木々も、稲も、野菜も、果実も、ことごとく枯れ果てた。
家畜は屠られ、食べ尽くされた。家畜が食べ尽くされると、今度は野生の獣が屠られ、食べ尽くされた。
人々は、宝石、宝玉、貴石、金属、非金属、鉱物を奪い合った。
そして、宝石、宝玉、貴石、金属、非金属、鉱物は、やがて劣化した。劣化した宝石、宝玉、貴石、金属、非金属、鉱物は、無価値となった。無価値となった宝石、宝玉、貴石、金属、非金属、鉱物は、もはや使い物にならなかった。
水は飲むことも叶わず、土は木々や稲、野菜、果実を育てるために使うことも叶わず、もはやどんな生き物も存在せず、宝石、宝玉、貴石、金属、非金属、鉱物も存在しなかった。
人々は飢え、数多くが倒れ、命を落とした。
人々は互いに殺し合い、それらを奪い合った。
そして、人々は、ことごとく命を落とした。
(現時点において、ジョニーの新たな書き下ろし作品は、これ以上発見されていない)
(第二巻 終わり)
終わり




