タイトル未定2026/02/14 21:48
「作家になりたくない
科学者になりたくない
夢なんて信じてない
夢なんて大嫌いだ
…………」
「…何も変わらない」
「何も欲しくないし、何もやりたくない」
「違うね、この世界が何をくれるって言うんだ? 新しいゴジラの映画か?」
「嫌だね。誕生日ケーキなんて、思い出に取っておこうとしても腐るだけだ。どうせ食べるしかないんだろ? 今までの誕生日、どんなケーキを食べたか覚えてるか? この23年、やっと『かっこいい』って言われた。中学生の頃は『シロアリに顔が似てる』って言われてたんだぞ。今さら、あれこれ話を持ちかけられて受け入れたり、夢を追いかけたりする理由がどこにある?」
「夢に命があるのか? 歩けるのか? 代謝とかあるのか? ヘモグロビンすらないんじゃないか? 『トコトコ歩いて、おーい夢、好きだよ、結婚しよう』って、夢が『ごめん、友達としてしか見れない』って言うのか? マジで? 夢に誕生日があるのか? 俺は1999年9月10日生まれだ。夢も1999年9月10日生まれなのか? この23年、ずっと『シロアリに顔が似てる』って言われ続けてきたんだぞ。今さら『かっこいい』だの『頭いい』だの言われたってな。小1から大学卒業まで、試験前に一度も勉強したことない。落第も留年もしたことない。卒業できただけでも超大変だったんだ。この23年、褒めもしなけりゃ、助けもしない、関心も持たなかった。それで急に今さら俺に関心持つだと? この世界は一体全体どうかしてるんじゃないのか!!!!???」
「なんでだ? 子ども頃は将来の夢を聞かれたけど、大人になったら誰一人としてその夢を叶えてくれやしない。なんで俺が、全てが手遅れになった今さら、皆の申し出を受け入れなきゃいけないんだ?」
「誰も誰も助けちゃくれないからだ。夢なんてものは叶いっこない。外の人間から何かを受け取る奴なんかいない。どこの出版社に持ち込んでも原稿は受け取ってもらえない。どうやってやっていけって言うんだ? ウルトラマンのヒーローになりたいさ。でも、向こうは受け入れてくれないんだ。もう23だ。もう23年も無駄にした。9月10日、あと2ヶ月で24だ。初めて書いた漫画は小5の時だ。それなのに、まだ完成してもいない。もういい。たくさんだ。だから、人生で訪れたチャンスは全部断ってきた。持ちかけられた仕事も全部断った。助けも全部断った。たとえスカウトマンが来て芸能人にしようとしても断るさ。ワトソンの相棒をやってるのは金を稼ぐためだ。何をするにも自分でやる。誰にもどこかへ連れて行かせたり、何か助けてもらったりはしない。生きている間に訪れる全てのことを断ってやる」
「助けは要らない」




