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タイトル未定2026/02/14 16:20
1999年9月10日
九月十日、千九百九十九年。
ある者が、この世に生を受けた。
大人になったら、見つけられると思っていた。
今もここにいるのに、見つけられないと思っていた。
時は巡り、円を描く。
九月十日が、倍になる。
新たな九月十日が、訪れては、
また訪れる。
その者こそは、闇。
誰もが目にし、知っている。
皆に寄り添い、皆の後を追い、皆と共にある。
されど、誰も気に留めない。
闇は、見えざるもの。見つけられぬもの。
されど、見えなくするもの。
あの白き小さき兎は、今も生きているとは思えなかった。
かつては、周りに人がいた。
今は、周りの人々は消え失せた。
人生は、雨のごとし。
感情、思考、感覚、すべて雨のごとし。
ある日、アバンが、豚肉のせロティを持ってきてくれた。
言い表せぬ想いが、胸に在った。
あの白き小さき兎は、人生を憎んでいた。
私の誕生日。
来る九月十日は、命日かもしれぬ。




