秋深し、柿を食ったら、鐘が鳴る?
「おぉー!上手い上手い!ホレホレ!あんよは上手!」
ジィジの励ましで、一生懸命歩こうとしているのは千熊丸だ。一歩が出そうで、ぷるぷる、出ない。
オレはまだ掴まり立ち、阿子丸はやっとハイハイが出来る様になってきた。春生まれの千熊丸と違って阿子丸は夏生まれ。ハイハイでも十分早いんだけどね。
多分、オレ達のマネしているから早いんだろうって。オレ?オレはオッサンの意識があるからね。筋トレも欠かして居ないし。
千熊はもう離乳食始めているしな。羨ましいがコレばっかりは、仕方がない。在富は十分異常な速さで成長しておりますって言ってたけどな。
「いやあ、赤子が多いのも楽しいものじゃのう、癒されるわい」
育児の大変さはマンマや乳母が負ってくれるものな。いつの時代も爺婆は変わらないらしい。
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新しく護衛になった二人だが、宇喜多八郎は初の頭脳派枠である。八郎被りで紛らわしいので、イケメン八郎は太八郎と呼ぶ事にした。まあ、元服まであと少しだしな。
大江少輔次郎の方は脳筋派。元服前に戦に出て、 既に手柄を立てている。足軽大将とその取り巻きを五人ほどぶっ殺しているんだよな。
戦国時代にそれを言ったらお終いなんだけれども。オレは公家でよかったよ。「穢れが〜」とか言って、殺人は避けれるものな。偽善だが。
とりあえず、宇喜多太八郎の頭脳を活かすべく、組頭に太八郎を据えて、少輔次郎、小次郎、富田兄弟の五人でチームを組んでみた。
古参で作ったチームと対戦させてみる。
少輔次郎と小次郎がフォワード、その後に富田兄弟が控え、太八郎がコーチング。なかなかいいじゃないか。
宗滴ジイも満足そうだ。
「うむ。太八郎の知恵働きが効いてなかなか良い動きになったのう」
「我らも、視界が開けたような心持ちです」
「これならそれぞれに小物を4、5人つけても良いかもしれん」
なんだか、大掛かりになってきたな。
「今後は、散歩の時にわしと古参で襲撃するから、上手く備えよ」
なんか宗滴ジイが怖い事言い出したぞ。
その場合、少輔次郎隊が殿で敵をブロック、小次郎隊が遊撃として襲撃班を排除。富田兄弟が逃走経路の確保。太八郎がオレ達を守りつつ逃走するって流れになる。
「その時は、侍女の皆も頼むぞ!」
「お任せください。宗滴様」
うむ。侍女が頼もしい。
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