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第90話 あかりの未来

時は流れて2030年、前田あかりはアイドルを卒業してからテレビに出演するアイドル系タレントとしてデビューし、アイドルについて詳しい情報を伝えるようになった。


彼女が評価したアイドルは必ずブレイクし、アイドル界ではアイドル評論家とも言われている。


二十七歳になったあかりはタレントとしてだけでなく女優や歌手としてもマルチな活動をしていた。


そんなある日の事だった…


「本番5秒前!4!3!2!1……スタート!」


「オールスターカーニバル祭りー!」


「いえーーーーい!」


「さぁ今年も始まりましたオールスターカーニバル祭り!司会はわたくし、島田慎二と……」


「アナウンサーの増田ひなたがお送りします!」


「今回はいつも通り早押しクイズだけでなく正解者の中で一番遅かった人が脱落するという毎春と毎秋でおなじみのクイズゲームです。今回のゲストは……」


「ドラマ・カンザスシティドリームチーム!ドラマ・ルーキーチームズチーム!ドラマ・渡る世界は修羅ばかりチーム!芸人事務所の吉原興業チーム!芸人事務所の全力社(ぜんりょくしゃ)チーム!タレント事務所のタナベエンターテイメントチーム!そしてタレント事務所の虹ヶ丘エンターテイメントチームです!」


あかりはタナベエンターテイメントにタレントとして所属先が決まり、ミューズナイツのメンバー全員とは離れ離れになってはいるものの、個人的に連絡先を知っていてたまに一緒に食事をしたりするほどの仲だ。


ドラマチームの中に結衣はいなかったが、あかりのやることはクイズでいかに正解して賞金を稼ぐ事だ。


最初のクイズが行われるとあかりは難なく正解し生き残りに成功する。


次の問題以降も正解をするも四問目で不正解となり脱落する。


だが次のコーナーに行くときは全員復活し、もう一度早押し問題に参加できるのだ。


そのチャンスを活かして最後まで残るもチャンス問題に届かなかった。


そしてついにこの番組名物のあの企画の投票が行われる。


「さぁ当番組名物、赤坂ミニマラソンコーナー!今回もまた出演者様の投票でマラソンへの参加をしてもらいます!今回はいつも通り十キロメートルのマラソンとなります!では投票をどうぞ!」


「前田さんはどうする?」


「私はもちろん……」


あかりの答えはもう決まっていてマラソン大会に出場することとなった。


参加者は全員で四十八人であの時と一緒だとあかりは少しだけ嬉しそうだった。


その中にはトライアスロン完走や駅伝経験者、運動神経抜群の俳優さんや芸人さんもいてあかりにとっては脅威となった。


それでもちゃんとしたハンデがあり、その中から一位を狙いに行く。


ゲストには…


「ゲストランナーはやはりこの人!エドワード・ワーグナーさんです!」


「エドワードさん!お気持ちはいかがでしょうか?」


「引退して十年経ったのに毎年誘ってくださってありがとうございます。前回の春は一位を逃しちゃったけど、今回の秋は1位を狙います」


「やっぱり2020年の東京オリンピック金メダリストは自信が違いますね!ではマラソン参加者は準備をお願いします!」


あかりを筆頭に四十八人の出演者はマラソンの準備をするために別の待ち合わせ場所へ移動する。


その前に楽屋で運動着に着替えてからスタート地点に向かいウォーミングアップをする。


着替え終えるとあかりと同じ参加者の虹ヶ丘エンターテイメント所属でモデルの小野愛梨と会話をする。


「ねぇあかりちゃん、いつもは参加しないのに今回は参加するんだね」


「はい。いつもなら体力に自信はあってもマラソンは苦手だから遠慮してたんですが、このままだとダメだって思って思い切って参加を決めました」


「へぇ、やっぱりウチの事務所の桃井さくらちゃんと張り合うだけはあるなぁ。今回は同じハンデなしの一般女性枠として負けないよ!」


「私も負けません!テニスの全国大会で鍛えた精神力と、走り込みで鍛えた体力を見せます!」


ウォーミングアップをしばらくするとクイズの方は盛り上がっていてニートたかしによる理不尽なクイズで視聴者の笑いを取ったり、ローションを塗ったトラックでヌルヌルと競争をしたりと体を張ったコーナーで盛り上がっていた。


そしてついに…十キロメートルのマラソン大会が行われる。


「さぁお待たせしました!当番組名物!赤坂ミニマラソンコーナー!不参加の皆さんは誰が一位になるかを当てていただき、正解者同士で賞金の山分けをすることが出来ます!ではレディゴー!」


「投票終了!では何人が誰に賭けたのか見ていきましょう!」


一位の予想は相変わらずエドワードで、その次にはトライアスロン完走経験者の森明健次郎、箱根駅伝経験者の芸人コンビ・どこからのアンディ榎本が多数を占めた。


そんな中で一部の女性タレントが高校テニス全国ベスト8のあかりに入れるなど混戦だった。


そしてついに……スタートの時間がやってきた。


「On your mark……」


ピストルの音が鳴りあかりたち一般女性は一斉にスタートをする。


その三十秒後に一般男性、その三十秒後に運動経験者の三人、その二十秒後に地方選抜組、その一分後にマラソン完走経験者、さらに一分三十秒後に森明さんとアンディえのもとがスタートする。


最後の五分後にエドワードがスタートし、赤坂は興奮の渦に巻き込まれた。


あかりはいまだトップを走るものの、次第に男性陣に距離を縮められてくる。


それでもあかりはテニス部引退後でも走り込みをやめずに走り続けた。


今までミニマラソンに参加しなかったのは、まだ体力が仕上がってないからで、仕上がった今のタイミングで出場を決めたのだ。


そう簡単に負けたくないという気持ちが強く出ていて、少し疲れてもペースが落ちる事はなかった。


しかしやはり男女の差は大きかった。


「がんばれーあかりちゃん!」


「あかりちゃんファイトー!」


「はぁ…はぁ…!」


「おっとここでフルマラソン完走経験者の国宮千尋が追い上げてきた!やっぱりマラソン経験者はスタミナが違うようです!前田あかりがついにトップ陥落!テニスの体力もここまでかー!」


「中継です!エドワードさんが残り五キロで既に半分を抜いています!」


「国宮千尋に抜かれて以降、前田あかりは失速!続々と運動神経抜群組に抜かれています!前田あかり、ついにトップ10から陥落だー!」


あかりの健闘もむなしく結果は十五位に終わり、最初にしてはなかなかの成績だったものの、マラソンの経験の差が出てしまった。


あかりはもっと体力を鍛えて、結衣に笑われないようにしようと心の中で誓った。


クイズの結果は賞金がなく残念だったけど、毎回出演させてもらった上に楽しませてもらっているので充実した一日だった。


事務所に報告すべく今日の仕事を終えましたと電話で報告し終えてタクシーで家まで送られ帰宅する。


そんな時だった……


「ん?誰からのメールだろう…?えっと…久しぶりだね。突然だけど今年の大晦日に渋谷駅のハチ公前に集まってほしいので、仕事をオフにして時間を空けておいてください。秋山加奈子より…って加奈子先輩!?どういうことなんだろう…?」


加奈子から連絡が来たあかりは半信半疑でメールを確認し、後日に事務所に相談してみたら間違いなく本人のだとわかった。


そのため大晦日だけ仕事をオフにしてもらい、大晦日が訪れて言われた通りにハチ公前に向かった。


そこには……?


つづく!

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