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第85話 ワールドアイドルオリンピック

ワールドアイドルオリンピックの決勝ブロックが開演されるも、最後の追い込みという事で一日目のソロ部門とデュエット部門の見学をせずレッスンに打ち込んだ。


グループ部門の名簿を見ると、その中にシンデレラロードというグループがいて、それが何者なのかまだ解明されていない上に、本人たちが見た人に秘密にしておいてほしいとの事で情報が未公開だ。


その事であかりと麻友美は気になったものの、今やるべき事に集中しないと負けると思いレッスンに集中した。


そして年末の二日目、ついにグループ部門が開演となる。


「ついに始まったね…」


「はい…。緊張で眠れませんでした…」


「ソロ部門の優勝が茶山くるみさんじゃなくて新星の白銀雪子さんだなんて…。きっと素晴らしい歌声だったのね」


「確かドイツの声楽コンクールで審査員特別賞をもらったそうだよ」


「じゃあ凄いんじゃん白銀さん」


「デュエット部門では双子姉妹の今川メイドリーミングで、トリオ部門がキューティ―クローバーZらしいじゃねぇか」


「今度は萌仁香たちが世界を圧倒させる番ね!」


「さてと…スクールアイドルで気になった子がまさか同じステージに立つとは思わなかったよ。夜月暁子さん」


「うん!お兄ちゃんは元野球部でアルコバレーノの事務所の社員だから、そのノウハウを活かしてここまで来たんだよ!野球部との兼任は大変だったけどね」


「すごいなぁ、同い年とは思えないや。どっちも中途半端にせず全力でやった結果、女子野球部でも全国優勝だっけ?おめでとう」


「えへへ…ありがとう!」


「夜月さん、参りますよ?」


「あ、はーい!じゃあ篠田さん、また後でね!」


「うん!」


「あの子は知り合いなの?」


「スクールアイドル仲間だよ。中学の時に一度だけ競った事があって、その時は負けちゃったんだ。だから彼女にはリベンジだね!」


「それにアルコバレーノや月光花もいるものね。ここで燃えなきゃアイドル失格よね」


「うん。じゃあ早速だけど…ちょっと他の子も見てくるね」


「はい!加奈子先輩やっぱり周りが見えててすごいなぁ…」


「それでは皆さん!もうすぐ開演します!最初のアフタースクールズさん準備お願いします!」


「はーい!」


「それじゃあリーダーの鈴香、いつもの掛け声いこうか。」


「オーケー!みんな!放課後はー…」


「フリーダム!」


「私たちアフタースクールズは…」


「幼馴染み!」


「いつも心はひとつ!いくよ!」


「イエーイ!」


「ではトップバッターは…メンバーの五人、日野鈴香、沖田つかさ、加藤恵美、諸星ひかる、そして早乙女レナは幼稚園から王政大学までずっと一緒!軽音楽部のバンドからアイドルに転向し、ブレイクを果たした新生アイドルグループ…アフタースクールズです!」


アフタースクールズの日野鈴香と沖田つかさはソロ部門にも出場していて、このグループの中心なんだとエマは感心した。


とくに諸星ひかるのギターソロはとても熱いのにクールでエマにとってはいい刺激となった。


次のこちらもソロ部門に出場した音原エリーゼ率いる聖フォルテ音楽大学付属女学院スクールアイドル部は、エリーゼの美しい歌声にコーラスのハーモニーが重なり合い聴く者を魅了していった。


次の国立東光学園アイドル研究部選抜では元・月ノ姫のメンバーである美月輝夜が層の厚さをアピールしつつ、運動神経がよく明るい新星・夜月暁子がはじけるようなパフォーマンスとアイドル慣れした歌とダンスで意外性を見せてくれた。


とくに日菜子が注目した夜月暁子には何か不思議な力をあかりたちは感じていたのだ。


エリーゼの歌声については結衣が興味を示し、麻里奈はあのスクールアイドル部の中世的な衣装はどうやって作ったのか気になった。


国立東光学園アイドル研究部選抜のパフォーマンスが終わり、暁子は日菜子たちに近づいた。


「ふぅ…。今回は日菜子はプロアイドルになって遠いところへ先に行っちゃったけど…私はまだプロアイドルへの道を諦めたわけじゃないよ!それに…女子プロ野球選手兼プロアイドルになって世界中に女子野球を広めて、野球を世界一のスポーツにするって夢があるから今回は負けないよ!」


「望むところだ!中学の時の雪辱を晴らすよ!」


「日菜子が燃えてる…!」


「えっと次は…シンデレラロードですね…。ここまで情報が全くない謎のグループです…」


「シンデレラロード…?確かメンバー表にきららって子がいなかった?」


「えっと…灰崎きららのことデスカ?」


「ずっと気になってたんだけど…もしかして高飛車きららちゃんのことじゃあ…?」


「それは気のせいだと思うよ?灰崎って名前なんて灰崎記者くらいしか聞いたことないし、あの人に姉妹なんかいないって聞いたような…」


「さすがアイドル博士の前田あかりさんですわね」


「うおぉぉぉぉぉっ!?」


「その声は…!?」


「やっぱりあなただったんだ…!きららちゃん!」


「ええっ!?あの高飛車きらら!?」


「その割には随分とまるくなったわね…」


「おまけに態度も雰囲気も違う…!?」


「ええ、違ってても不思議ではないですわ。あの時にパパがした事のけじめをつけるために世界中を回って謝罪と賠償をし、そして世界を旅しながらわたくしと共にアイドルをしてくれる逸材を探してましたの。アイドルから身を引いたとはいえ、この大会があると聞いて諦めきれずに挑んだわたくしが選んだ精鋭たちを集め、ここに参りましたわ。今度はパパの権力なんてない、正真正銘の実力で正々堂々と戦いますわ。この自ら灰を被り生まれ変わった…灰崎きららとして!」


「灰崎…?」


「ミューズナイツ結成会見以来ね。ミューズナイツの皆さん」


「灰崎記者!?どうしてここに!?」


「あら、私がここにいるって事はすぐに気付くはずよ?私の夫はプロデューサーとして指導し、行き場を失ったこの子を妹として引き取り灰崎の子になったの。私たちシンデレラロードは…アルコバレーノや月光花、そしてSBY48とスマイリング娘。に挑戦します!真のアイドルの王者をかけて!」


「自ら灰をかぶり生まれ変わったわたくしを…アイドルに憧れて諦めた中でどん底から成り上がった彼女たちをご堪能くださいまし!」


「はい!きらら様!」


「もうその堅苦しいのはやめましょうって言ったはずでしたのに…ふふっ、この際だからもういいですわ。それじゃあ行きましてよ!」


「はい!」


「きらら、私を誘ってくれてありがとうね…」


「もう、ほたるったら…。あなたがわたくしをアイドルに誘ったのですから。あなたが誘ってくださったから、今のわたくしがいるのでしてよ?」


「そっか…お父さんが横やり入れたとはいえ、今はもう自由の身だもんね。なら思いきりやっちゃおう!」


「ええ!」


プロデューサーの灰崎アスカはとてもスパルタで、口答えは一切許さないプロデュースでライブを叩き上げてきた。


その結果、自信と実力が身につき厳しいレッスンをこなしただけでなく、夢を叶える素晴らしさを知っている彼女たちはどんな困難でも乗り越えられた。


希望を持ち、ある程度罪を背負いながらも夢を掴む。


全部きららがアルコバレーノや月光花、ミューズナイツに教わったことだ。


そのきららを中心にしつつも、いつもなら自分中心のきららが今度はみんなを導くために前に出てみんなを引っ張る。


いい意味でリーダーシップが取れるようになった彼女は、もはやトップアイドルそのものだった。


そのあまりのダークホースっぷりに点数は97点を取り会場やネットは大荒れした。


つづく!

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