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第77話 三姉妹

最後の必殺技を放ったあかりたちは、ルシファーナにとどめの一撃をぶつける。


ルシファーナは直撃し、もう立つことも出来ないが、それでも這いつくばって悪夢への執念を見せた。


だがもう既に限界を超えていて、立つことが出来ずそのまま倒れ込んだ。


その大きな体が倒れた瞬間に大きな地響きが鳴る。


あかりたちはその巨大さを思い知ったが勝利を確信した。


だがルシファーナは、虫の息ながら不気味に笑いはじめる。


「ク…クク…クククク…!」


「何がおかしいの…?」


「ミューズナイツよ…よくぞこの我を倒したな…。夢への執着と未来への希望を…最後に見届けたぞ…。だがひとつ残念だったな…。我を倒したところで……世界は絶望に包まれることには変わらぬ…。何せ私は絶望三姉妹の一人…一番上の姉なのだ…。」


「何が言いたいんだよ…?」


「ククク…わからぬか…?つまり人間に絶望を与えているのは我だけではない…。今頃東の都には次女のアンゴル・モア…。西の都には末っ子のホロビノミコが世界を絶望に陥れているのだ…」


「何ですって…!?」


「そんな…!」


「我の肉体が滅びても…絶望三姉妹を全員討たぬ限り…この世界に明日はない…!せいぜい絶望に溺れ…己の不幸を嘆くがいい!ふははははははっ…!ぐふっ…!」


そう言い残してルシファーナは雄叫びを上げて朽ち果てていった。


こうしてユメミール王国に平和は戻ったものの、人間界にはまだルシファーナの妹たちが残っていた。


今から討伐しに行きたいが、先程の戦いで完全に疲れ果ててしまい、そのまま倒れ込んだ。


それから七日間が経ち、目を覚ますと城の救護室にいた。


「みんな…!聞こえるかい…?」


「ん…プロデューサー…?どうしてここに…?確か避難していたんじゃあ…?」


「先ほど大臣が君たち全員が倒れているのを見てすぐに馬車を呼んで、城まで運んでくれたんだよ…。君たちは本当に僕の想像の遥か上を行くね!」


「あなたたちは私たちのご先祖さまでさえ封印するのに精一杯だった悪夢の女帝ルシファーナを完全に倒し、この国の平和を取り戻したのよ!」


「でも…まだ戦いは終わってないです…!東京にアンゴル・モアが…京都にもホロビノミコが…」


「その心配はないよ!君たちが倒れてから謎の女の子たちがどちらも倒してくれたんだ!こんな傷だらけの状態で救援に行く必要がなくなったんだ!」


「そう…なんですか…?ああ…意識が…」


「しっかりするんだ!前田さんっ!」


「あなた!きっとあの子たちはルシファーナが最後に何を言ったかわからないけど…さっきの関係者が倒されたと聞いて力みが取れただけよ」


「うーん…だといいんだけどね…」


「女王さま!国民たちにそろそろ奪還のスピーチを!」


「ええ…そうね。それじゃああなた、行ってくるわね」


「ああ、行ってらっしゃい。この子たちは僕が見ているよ」


あかりたちはアンゴル・モアやホロビノミコが何者かによって倒されたと聞き安心し、力が抜けて全員眠ってしまった。


ヴィオラ女王は国民たちにユメミール王国の奪還と、ミューズナイツは永遠の英雄として祀るようにスピーチを行う。


「皆さん、この度は長く辛い経験をなさった事…私の力不足で王国がアクムーン帝国に奪われた事をお詫び申し上げます!ですが…この幾度の戦いによってユメミール王国を奪還しただけでなく、九人の騎士たちによって外の世界である人間界に夢と未来を与えそして守り抜きました!今その騎士たちは長い戦いで疲れ果てて眠っていますが…ここにユメミール王国の再建を宣言します!」


「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


「女王陛下ばんざーい!」


「ミューズナイツばんざーい!」


「みんなのおかげでこの国は平和になっただけでなく…僕たちの世界を守り抜いたんだ…。君たちの事を誇りに思うよ…。僕のワガママに付き合ってくれてありがとう…」


(プロデューサー…!)


秋山プロデューサーは感謝の言葉をあかりたちに投げかけ、涙をこぼしながらお礼を言った。


するとあかりたちは意識を失いながらも秋山プロデューサーの言葉は聞こえていて、その言葉に感動して気付かれないように涙をこぼした。


奪還と再建を宣言した翌日…あかりたちは大分回復してきて、ご飯も食べられるようになった。


昼食を終えると、車いすに座りながら凱旋パレードをして国民たちと交流する。


そして夜が明けて、あかりたちは元の世界へ帰る準備をする。


「それじゃあみんな、準備はいいかな?」


「はい!」


「ヴィオラはもう少しこの国に残って再建を手伝う役目があるから置いていくことになるけど、何か一言挨拶はあるかな?」


「あの…女王さま!一つだけお願いがあります!」


「何かしら?」


「初代ミューズナイツのお墓はどこにありますか?彼女たちに感謝を伝えたいんです…!」


「それなら…城の隣にあるミューザ聖堂にあるわよ。そこに歴代のミューズナイツが眠っているの。もしよかったら会いに行ってらっしゃい」


「はい!」


最後に歴代のミューズナイツに別れと感謝を込めて挨拶をしたいとあかりがお願いし、ヴィオラ女王の許可が下りてミューザ聖堂へ向かう。


そこにはヨーロッパの大聖堂風で、中庭にはたくさんのお墓があった。


歴代ミューズナイツ全員のお墓参りはさすがに厳しいので、供養しながら聖堂の中でお祈りを捧げる。


「歴代のミューズナイツさま…あなた方が平和と未来を築かれたおかげで今の私たちがいます…。これからも私たちの未来を見守り…そして応援してください…」


「こちらこそありがとう…。私たちに出来なかった事をあなたたちはしてくれた…。だから…霊界で見守っているね…。がんばって…」


「…っ!?」


あかりたちの心から声が聴こえ、誰なんだと言わんばかりに急に立ち上がって辺りを見渡した。


しかしそこには誰もおらず、一体誰が自分たちに声をかけたんだろうと不思議な気持ちになった。


天井にはあかりたちには見えていないが、歴代の百代も続く過去のミューズナイツたちが上から見守っていた。


声をかけたのは初代ミューズナイツのリーダーのカリオペだった。


しかしカリオペの声に気付かず、あかりたちはミューザ聖堂を後にし人間界へ戻っていった。


つづく!

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