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第52話 エール

瓦礫の中に埋もれていたミューズナイツは大きなドリームパワーで復活し、ファンの声援のおかげで心も回復する。


あかりと日菜子と加奈子は片手で、結衣と麻友美、ひかり、麻里奈、エマ、萌仁香は武器を強く握り返す。


ゲーツィスは両手剣を油断ならないと構えはじめ本気でかかってくる。


「貴様ら…どんな力を使ったか知らないがどう足掻いたところで叶わぬものは叶わぬのだ!無駄な幻想を抱く前に殺してくれるわ!」


「叶わなかったとしても誰のせいでもない!気持ちも技術も運も確かに必要だけど……それを邪魔する権利なんて誰にもない!人にはたくさんの選択肢がある…。その限られた人生の中で人は決断をして行動し、そして夢を見てそれに向かって叶えさせるんだよ!」


「ほざけ!夢見る前に悪夢でも見ているがいい!こうなったら民衆ごと悪夢に落としてみせようぞ!」


「そんなことさせないよ!ゲーツィス!あなたとの因縁をここで絶ってみせるよ!」


「王女さま自ら向かいに来るとはな!愚か者め!」


「愚かでも何でも言ってもいいよ!私は自分で愚かだと思わないから!」


「先輩!恐らく上から振り下ろしに来ます…!」


「王女さまから先に葬ってくれよう!」


「もうあなたのパターンは見切ったよ!あなたは一気に片づけたがるからすぐに上から攻撃を仕掛けるんだ!これでもくらえ!ドリルスマッシュ!」


「ぐはぁっ!」


「日菜子さん…今のあなたなら出来ます!練習したあれをやりましょう…!」


「オッケー!ずっと練習してきたあの技を…いっけぇぇぇぇぇっ!バタフライムーンサルト!」


「何だと…ぐはぁっ!」


日菜子はずっと練習していたムーンサルトの動きと同時にメイスを空中に舞わせながらキャッチし落下し長田叩く技を成功させる。


それが成功するとファンのみんなは日菜子コールで応援をする。


防御力が最も堅い萌仁香と麻里奈でファンを守りつつ攻撃を仕掛けゲーツィスも次第に追い詰められる。


続いて麻里奈とエマの射撃も命中率が上がるだけでなく矢や銃弾もパワーアップしている。


ひかりと萌仁香の力ずくの攻撃も通るようになり麻友美もあかりたちの扱いに慣れてきて指示を出しやすくなっている。


完全にミューズナイツのペースになったこの空気はファンを盛り上げる。


「いけ!ミューズナイツ!」


「あいつに負けないで!」


「ゲーツィス様の…邪魔をするな!」


「おっと!テメェらの相手はオレだ!ギガフレイムアックス!」


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ…!」


「どうだ!」


「ひかり!You are powerful girl!」


「エマ!テメェにしては珍しく褒めるじゃねぇか!」


「当然デス!エマの喧嘩仲間には手を出させまセン!」


「あの子たち、いつの間に仲良くなったのね…。あかり!努力の成果を見せましょう!」


「うん!」


「ここがアタシの花道…そこをどいて!ヒーリングショットレガート!」


「ぐふっ…!」


「これは…あの子たち…!」


「ヴィオラ…もうそろそろアレを使う時が来たんじゃないかな?」


「そうね…。アレを使いましょう。ユメミール王国の伝説の歌を…。皆さん!この歌を覚えてください!今から歌います!Ah~…」


「何だろう…この心地いい歌声は…」


「ママのその歌…ずっと小さい頃に聞いた歌と同じだ…。懐かしいなぁ…」


「同時に何だ…この誇り高い気持ちと…」


「やる気に満ち溢れるような心は…」


「その歌には心清き者のやる気を最大にしドリームパワーをより強化させる歌よ!今のあなたたちなら耳コピで歌えるはずよ!」


「わ、わかりました…やってみます…!皆さん!」


「うん!」


「Ah~…♪」


ミューズナイツが歌うとドリームパワーが一気に集まり彼女たちのドリームパワーが大きくなる。


それぞれの武器が黄金の光りを輝かせ彼女たちを包み込んだ。


すると騎士服姿から宮廷服のコートが重ね着され両手には白い手袋が付けられた。


それぞれのイメージカラーのマントもつけられ最後の力を生み出したのだ。


そして…


「ミューズナイツの皆さん…今こそ最後の必殺技を出すときです…。私はユメミール王国初代女王のソナタ・シンフォニアです。あなた方にミューズのご加護を…」


「必殺技…知らないはずなのにどうしてだろう…何故か知っている…!みんな!ここで一気に決めるよ!」


「うん!」


「うぐ…おのれぇぇぇぇぇぇぇっ!」


「いくよ!これで最後だ!」


「ミューズナイツ!シンフォニーグランド…フィナーレ!」


「ぐ…ぐわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


ミューズナイツの最後の必殺技がゲーツィスに直撃し被弾後はそのまま元の姿に戻り倒れていった。


残心を示すももう虫の息で戦う意志はあってももう身体が動かないのだ。


ミューズナイツとファンのみんなは勝利を確信し一斉に飛び出して抱き合ったりした。


「勝った!ミューズナイツの勝利だ!」


「うおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」


「ミューズナイツー!ありがとうー!」


「そんな…ゲーツィス様が負けるなんて…!」


「嘘だ…こんなのありえない!あいつら魔女にそそのかされたんだ!」


「ミューズナイツを殺せ!」


「うう…」


「ゲーツィス様!生きていたんですね!?


「まだ動くというのか…!」


ゲーツィスは虫の息ながらも無理矢理にでも身体を動かそうとし、アンチたちの希望となった。


しかし最終手段の進化をしてしまった後なので寿命が尽きるのももう時間の問題だ。


警戒を強めるも、突然ゲーツィスの頭上から黒い雷が命中する。


「ぐぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


「ゲーツィス様っ!」


「何よ…あの禍々しいダークネスパワーは…!?」


「そんな…まさか…ルシファーナさま…どうして…!?」


「君のような捨て駒を放っておいた私が馬鹿だったようだ。ダークネスパワーはもう十分集まった。今までよく役に立ってくれた。だがもう君は用済みだ、この民衆もダークネスパワーの回収によく貢献した。だがもう君たちには要はない。私自身で悪夢すら見れないよう葬ってやろう」


「何だよそれ…理不尽だろ!俺たちは今まで報われなかったんだぞ!」


「頑張っても無駄だったしどうやっても無理だったのに死ねってのか!」


「許さない…この世なんてなくなればいいんだ!」


「もういい!早く殺してよ!私なんていなくなればいいんだ!」


「ちょっ…みんなやめなさい!どうしてそんな事言うのよ!アンタたちねぇ…萌仁香たちを散々貶しておいて死んで逃げるっていうの!?」


「萌仁香よせ!」


「いいだろう…君たち諸共粛清してやろう。さらばだ」


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


ルシファーナという謎の女性がと突然霧状に現れゲーツィスとアンチたちを発火させて火の海にした。


もはや死体どころか灰すらも残らず燃え尽き魂はもう転生することなく消えてしまった。


あかりたちはあまりの残虐さに怒りと同時に恐怖と狂気を感じて身動きが取れず悪寒が走った。


ルシファーナはミューズナイツに気付くとすぐに彼女たちの方を向いてこう言った。


「私は悪夢の女帝ルシファーナ。かつて西洋を悪夢の世界に導いた闇の三姉妹の長女だ。今頃妹のアンゴル・モアとホロビノミコも水面下でそれぞれの魔力を溜めているだろう。だが生憎まだダークネスパワーが足りなくてね、あと1年後に完全体として君臨し人間が二度と成長しない世界を創り出す。いずれ君たちの前に現れ葬ると約束しよう。ではさらばだ…」


そう言い残してルシファーナは消えミューズナイツの戦いは終わってないんだとファンやプロデューサー夫妻の前で知らされる。


ヴィオラはルシファーナと聞いて何か知っているような気がしてずっとうつむいていた。


勝利ムードは一気に消え気が沈んだがリーダーの結衣とエースの加奈子が大声で演説をする。


「みんな!この通りまだ強い敵がいて黒幕がいたことがわかった!人々の成長を止めて未来を奪おうとするダークネスパワーに屈しず私たちはこれまで戦ってきた!でも…もし私たちが不安になったら殺気みたいに応援してほしい!みんなの力があってのドリームパワーだから!」


「あなたたちの不安は私たちの不安でもあるの!正直まだ終わってないんだと絶望はしたわ!でも…だからこそ人々は成長し昨日の自分の越えて過去に勝ってきたわ!それだけでもあなたたちは誇ってもいいのよ!ここは私たちに任せて後はあなたたちなりに平和な時間をかみしめて私たちの勝利を祈り見守ってね!」


「ミューズナイツ…!」


「あなたたちの覚悟は聞いたわ!私たちは安全な場所に避難しちゃうけど応援してるわ!」


「夢と未来の騎士道を見せつけてやろう!」


「悪夢の女帝なんかに負けるな!」


「ミューズナイツ!ミューズナイツ!ミューズナイツ!」


絶望した空気が結衣と加奈子の一声で一変し一気に希望の空気に変わる。


あかりはこれがリーダーとエースのカリスマ性なんだと感心しずっと二人を見つめた。


それから渋谷は徐々に復興を進め元通りの日常へと戻っていった。


つづく!

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