発端4
『テスカトリポカ』内部
「だあ~荷重労働だわぁ」
フォーマン博士はアクビをしながら悪態をつく
「いやー、いざ国をひっくり返すとなるとこんなに忙しいなんてねぇ」
制御モニターをイジりながら『霊界通信』の傍受をしている。
そこにマルクとモンブランが通りすがる
「ねぇ!モンブラン。ふぉーまんが壊れたよ」
「あらそうね、なら気分転換も兼ねて1回お昼にしましょうか丁度12時半だし」
「ん?おー、2人とも来てたのか」
「うん!僕は荷物運びダメって言われたからモンブランと探検してたの!」
「はっははは!子供は元気なのが1番だからな」
フォーマンはマルクの頭をわしわしするとモンブランの方を向く。
「で?モンブランよ、定着具合は大丈夫か?」
「えぇお陰様でね」
モンブランとマルクは定着に時間を要した。
理由はマルクには強大過ぎる力をモンブランが有していたからである。
「なら良かった。さぁて昼飯か、楽しみだなぁ」
「マルクと厨房で作って来るからみんなを食堂にでも集めといてくれ」
「あいよー。えーテステス、聞こえてるかぁー?まぁそんなの関係無いが。メシだっ!食堂へGO!!場所が分からなければ『ロボ子』を呼べっ!」
『テスカトリポカ』内にフォーマンの声が響く。
『霊界通信』の改造機『霊界通信II』によりフォーマンの声を聞いた付近の浮遊霊が高速で壁をすり抜け伝えに行くと言う最速安全なものだ。
ちなみに『テスカトリポカ』内部では朝起きて勉強をし毎度飯時に食堂にみんな集まり食事をしまた解散して作業して寝てを繰り返すのが一日の流れだ。
施設内は相当広く1つの都市のようである。
子供部屋(1人1部屋与えられている。中には備え付けで風呂とテレビがある。内装を変えたい時は『ロボ子』に頼む)
フォーマンの部屋(何も余分の無いだだっ広い部屋。唯一あるのはフォーマン博士本人としての記憶なのか、自分は人間であるとでも言いたいのか家族写真と指輪がディスクの上に置いてある)
研究室AからS(使う研究室は食堂から近いAか資料室に近いBか素材倉庫に近いS)
資料室(専用の箱に収納している)
素材倉庫A1からFN12までに部類分けされた物が保管されている(生物を含む地球上から地球外までの物を億と取り扱っている)
ショップ(ショップとは名ばかりで街で買ってきた物等を保存、管理している場所だ)
食堂(ショップの横に位置する。ショップが冷蔵庫なら食堂はキッチンと言ったところだろうか)
医療施設(本来医療技術にモンスターの利用は禁じられているが、ここは無法なので使用中。軽度の怪我に関してはフォーマンが処置をする)
運動場(ただ広いだけのグラウンドと戦闘系、支援系のJMやIMの訓練用のギミック部屋がある※子供は立ち入り禁止)
学校(IM『賢者の間』により思考加速が入る為覚えやすい場所になっている)
制御室(『テスカトリポカ』は内部に想像不可能な空間を有すが、外見は普通だ。しかし持ち運びは不便な為移動を可能とする改造が施され任意の形で移動できるように、そしてそれを操作するようにと制御室がある)
その他施設(フォーマンすら知らない部屋が増えつつあり、管理が面倒臭いためJM達に管理を任せた結果。色々な施設が出来上がりつつある)
悲劇の少年は入隊を果たす
エンドルワはあの時救ってくれたζ隊では無くβ隊に入隊した。
「すまんな、タオマ」
ポンとβ隊の新隊長アシュリナが叩く
「いや、気にしてない」
明らかにドヨーンとしているタオマと慰めるアシュリナを見てエンドルワは複雑な気持ちで居た。
「って事でエンドルワ、おみゃーさんはうちの隊に決まったよ」
「あ、あのζ隊じゃないのはなんでですか?」
「簡単な話さ、アイツら脳筋に敵から狙われている奴は、任せらんねぇって上の判断さ」
「敵?え、って事はやっぱ……俺を捨てて研究に没頭したクソ親父のせいかっ!」
「フォーマン博士か……アイツは今我々の所にいる。訳があって敵に囚われていたんだ」
エンドルワはヤッケになったが少し違う気がして下を見る……
「まだ詳しくは言えないが相当厄介でな。おみゃーさんにゃとっとと基礎を覚えて貰わんとな!」
今度はエンドルワを、ポンと叩く
「え?」
「我々の存在理由は幸せな笑顔って花を護るためだろ?それにβ隊はオールラウンダーな部隊だ。多くの物を護るためには多くのスキルを持った人間が迅速に対応出来る必要がある。だがっ!訓練期間はたったの1ヶ月っ!!だから初日からこうして基礎を教えて次の日からは実戦あるのみ!!」
「あのつまり」
「さぁ、細かいはなしゃ以上ださーてこの基礎を纏めた冊子!400頁を丸暗記とは言わんがほぼ全て覚えてもらうぞ!!」
いい人かと思ったら脳筋かよ……と思いつつも恨んでいた父親が事情あって会えなかっただけど知り少しほっとしていたエンドルワであった。
対策チームの苦悩
「お前ら!気を引き締めろ!」
「あっす」「うぃー」「へーい」「りょっ」
「はぁ……なんだその気の抜けた返事は」
「いやー、下っ端だからって週5はきついっすよ」
「それなぁー微妙に土曜日被ってるし」
「しっかりしろよ、俺らは下っ端だけどな俺らが居なけりゃ上は成り立たない」
「それくらい知ってますけども」
「まぁわからんでもないが、俺らがやる意味あるのか?」
愚痴を漏らす対策チームの部下たち、彼が今居るのは古びた学校だ。
「そもそも花子さんってヨウカイってのでしょ?ジャパモンじゃないじゃん」
「馬鹿言え、その確認に来たんだろ」
「ちぇー」
今回の作戦人数は5人、内容は花子さんがJMなのかの確認。
JMじゃ無ければ刺激せずに交渉。
JMの場合殲滅。
「女の子撃つのは気が引けるわ」
「うるさい、それに幽霊なら撃たずに済むだろ」
「なんだかんだ言ってたら着きましたよ」
「うわぁー、古いな……今どきのトイレって小便器でも扉くらい着いてるよ」
「さて、行くぞ」
「あのぅ……隊長、一応確認しますが花子さんって」
「あぁ女だ」
「なんで男子便所に?」
気まずい雰囲気に耐えられなくなった隊長は外に出て隊列を組み直した。
「さて、行くぞ」
「さりげなく間違えを消そうとしても無駄ですよー」
「いいから作業するぞ」
特殊スモークを展開した。
「OKっす、これで見えたらJM確定っすね」
「だな、5分待つか」
5分後
「出ないな」
「だね、そもそも居ないとか?」
その時本部から連絡が入った
「はい、こちら対策チームです。はい、はい、はぁ……えっ?!はい。わかりました、では」
「ん?隊長なんて?」
「それがなコックリさんの時覚えてるか?」
一瞬みんな真っ青になる
「隊長、ね?俺もまだ若いし」
「隊長っ!腹痛が」
次々に仮病を訴える
「つまり、儀式系らしい」
「「「「ぎょえ……」」」」
「まぁ気にするな俺が行く」
3番目の個室をノックした
「花子さんおりますか」
返答はない
「花子さん見えますか」
返答はない
「花子さん居ないんですか?」
返答はない
「あのですね、任務なので早めに出てこないと困るんです」
返答はない
4回目で隊長が愚痴を漏らし始めた。
若干緊張してたが本部から伝えられた3番目で出てくるってのが嘘だったからだろう
「隊長ヤケになりましたね」
「だな。ホントまぁ噂の域だし」
「僕ら帰ります?」
隊員達が愚痴を言い始めてしばらくした頃、特殊スモークの効果も切れ視界がクリアになった
「お、見えたぞ!お前が花子さんか!」
隊長がトイレの個室に声を荒らげる
「そう」
向こうから返答があった。
その後事務的説明を行いJMじゃ無かった事が確認された為、保護区内無指定型と認定し任務を終えた。
「いやー、出てこなかったらどうしようかと思ったわぁ」
隊長が何時になく疲れた顔をする
「僕ら的には出ない方が良かったんですが……」
「ですねー、やっぱ幽霊とか怖いし」
「しょうがねぇな、よーしお前ら!ラーメンでも奢ってやるから気を持ち治せ!!」
後日経費で落とした事が発覚し隊長は謹慎4ヶ月を言い渡されるがそれは別の話……




