↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黄金の道 Ⅱ  作者: 長尾 時子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/13

1. プロローグ

桜井健太は3年前に交通事故に遭い、意識不明の重体で一時植物状態となっていたが、奇跡的に目覚めそれ以後、順調な回復を見せていた。


「やあ、桜井さん、その後、体に異常は出ていないかね」


「菅谷先生、特に体に異常はないと思います。リハビリの先生も順調だと褒めてくれました」


「それは良かった。この様子であれば、来週には退院出来ますよ、お母さん」


「はい、先生、ありがとうございます。何とお礼を言っていいか」


「いやいや、これは何と言っても本人の生命力でしょう。私達医療者が、未だに信じられない思いで一杯です。それでは失礼します」



そう言って菅谷医師は看護師を連れて健太の病室を出て行った。入れ違いに品の良い中年の男性と白い髪でとてつもなく美しい女性が病室に入ってきた。


「まあ、本家の・・・」


「健太君が目を覚ましたと聞いたのでね。お見舞いに」


そう言って、花束と菓子折を渡してきた。母親は礼を言って受け取っている。


「健太君、覚えているかな?僕が君に会ったのは君がまだ小学生の頃だったか」


ーーー俺は彼を知っている。桜井本家の当主桜井真之介だってことを


「ええ、覚えています。わざわざご足労頂きありがとうございます」


「いや、良くなって本当に良かった。実は君に娘を紹介しようと思ってね。絵里、ご挨拶なさい」


「初めまして。桜井絵里です。健太さんとは父方のはとこになります」


そう言って微笑んだ絵里はどことなくエルに似ていた。ただ髪は真っ白でエルとは正反対だ。アルビノかなと俺は思った。目はエルのような深紅の瞳ではなく薄いピンクがかった赤だった。


「どうだろう、健太君。僕は君をこの絵里の婿に迎えたいと思っている。桜井本家に入って、絵里を支えてくれないだろうか。君のように将来有望な若者に桜井を任せたいと思っているんだが。返事はまだいい。今はリハビリに専念してゆっくり考えてくれ」


「私のような者でいいのですか?」


「君しかいないと思っている。恐らく君は・・」


「お父様、健太さんはまだ目覚めたばかりです。あまり無理強いしては・・」


「ああ、すまない。気が急いてしまってね。退院したら、一度桜井本家に来てくれ」


「健太、この病院も真之介さんが手配してくれたのよ。私達じゃこの3年間植物状態の貴方をどうすることもできなくて」


「それは・・ありがとうございます。こうして目覚めることが出来ました」


「いやなに、礼には及ばない。親類の一人として当然のことをしたまでだ。それじゃあ私達は失礼するよ。君が一日も早く回復するのを祈っているよ」



そう言って、真之介と絵里は病室を後にした。母も見送るからと言って出て行ってしまい、一人取り残された病室で俺は白い天井を見上げた。


ーーー俺は奴の手で踊らされているんだろうか


そんな疑問が脳裏をかすめたが、そんな事はどうでもいい。俺はこっちの世界に戻ってきたんだ。桜井本家の力は知っている。否やは言えない。俺が必要とされているならそれに従うまでだ。



そして桜井健太は絵里と結婚し、桜井本家の婿養子に入った。


それから16年の年月が過ぎ・・・




『黄金の道Ⅱ』が始まりました。不定期に更新していきますので宜しくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。