Review.1:回想。
はじめましての方もそうでないかたも、どうも、昼行灯です。どうか、黙雷に御付き合いください。
間 黙雷は自室の椅子に腰掛け、独り佇んでいた。
共に現象を斬り、今はボロボロに朽ち果て、使い物にならなくなってしまった日本刀。
それを、静かに眺めている。
――こいつと出逢ったのは、まだ中学生の頃だった。
オレはいわゆる霊感体質と言う奴で、実に色々なものを見てきた。
そして、そのせいか気味悪がられもした。
なんだコイツ、っていじめられもしたかな。
そんな辛い学校生活に加え、寺でのきつい修行。
オレには、耐えられなかった。
世の中の何もかもが、嫌になったんだ。
だが、こいつに会ったおかげでオレは。
自分の存在意義というものを、見つけれた気がする。
自分の、やるべきことを見つけれた気がする。
まだ、寺を飛び出して一年後くらいの事か。
そう、忘れもしない。
あれは、中学三年の夏休みの事だ―――
◇ ◇ ◇
――うだるような暑さの下。
オレは蝉たちの悲痛な叫びを耳にしながら、苔むした階段をえっちらおっちらと上っていた。
「……あぢぃ」
雷鳴寺――親父から連絡があったのは今日の朝。
オレの親父である間 黙鳴が言うには、
「お前にしか見極めれぬ事態が起きた。至急参られたし」
との事。
――オレにしか出来ない?
もしかすると、あの類だろうか。
親父はもちろん、寺に住み込み修行する僧侶衆たちも、オレが霊感体質だと言う事は知っている。
この〈玖刻〉市は、そういう話が多いのだ。
古からの民間伝承、心霊・怪奇現象、その他諸々。
ここには、不可思議な多くが隠れている。
「……ったく、俗世を離れた坊さんたちが何を騒いでるんだか」
オレは目の前に広がった、陽炎で揺れる寺を見ながら呟いた――
「それにしても、あぢぃ…」
皆様、どうも昼行灯です。
「玖刻奇譚」シリーズですね、そーですね(笑)
黙雷がどうして刀を手に入れたのか、そこんとこを書いていきたいと思います。
中学生時代のまだまだ何も知らない黙雷君を、温かく見守ってください!




