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Dreaming Maker+  作者: 菖蒲P(あやめぴー)
一章
20/35

十九話 台無しなデビュー

いよいよ本番当日、オンエアが始まる。千鶴のプロっぷりに関心した秀がふと横に目をやると緊張した面持ちの優月がいた。

そしていよいよ番組がオンエア。メンバーは出番まで裏で番組を見つつ待機していた。メンバーは小声で千鶴たちキャスター陣について話していた。

「やっぱり落ち着きがある。テキパキしていてさすがはプロだ...」クールな秀もさすがに興奮した様子だった。そんな秀がふと横に目をやると手のひらに人の字を書きなぐる優月の姿があった。

「おい、何今更緊張してるんだよ」「あ、ごめんごめん、さっき失敗しないようにって言われたから緊張しちゃって...」「大丈夫だよ、俺たちならできるって信じろ」小声で二人は会話をし、また前に向き直った。


そしてエンタメコーナーになった。いよいよDreaming Maker+の出番だ。

「続きまして、期待の新人、Dreaming Maker+の登場です!」キャスターの声にメンバー八人がカメラの前に立つ。

「初めましての方が多いと思います、Dreaming Makerの後続ユニット、Dreaming Maker+のリーダー、矢島要です!」メンバー八人がそれぞれ自己紹介を始めた。最後に自己紹介をしたのは陽昇。メンバーは普段クールで人付き合いの悪い陽昇の自己紹介に注目する。

「皆さんおはようございます!御影陽昇です!そう、あの御影天の弟の!今日は番宣...いや、皆さんに知ってもらうために来ました!これからよろしくお願いします!目が離せないくらい熱くさせますよ〜!」いつもの様子からは全く想像できない饒舌な喋りにメンバーは一瞬ギョッとし、「お前!そんなキャラだったか?」と思わず要も突っ込んでしまった。

「やだな〜、確かにオフでは割と大人しいインドア派ですけど、そこまで大差ないよ!」と別人の顔で緊張も一切なく場を盛り上げる。千鶴もトークに乗せやすくなりホッと一安心した。

「皆は新曲を発売するんだよね!今日は新曲を披露してもらいます!」拍手と共にCM入り。一旦カメラが止まった。

「御影くん、君は思った以上にポテンシャルがあるね、関心したよ」千鶴も思わず陽昇を褒め称える。しかしカメラが止まった途端陽昇は元に戻り、「いえ、それほどでも」と一言だけ言って下を向いた。

「いよいよパフォーマンスだな!皆、頑張ろうぜ!」裕一の声に皆頷く。そしてCMも明けた。


キャスターの楽曲紹介も終わり、パフォーマンスが始まった。皆平常心、平常心と心がけていた。レッスンを重ねただけあって、初披露時よりも手応えがあった。千鶴も冷静に見守る。そのまま楽曲は中盤、今のところいい様子だ。そのまま楽曲終盤に差し掛かり難しいターンからの陣形の変形。ここであろうことかミスが発生した。優月が本来は左に移動するところを右に移動してしまった。それから無理やり立て直そうとしたがどう見ても無理やり。スタッフやキャスター陣からあら?と声が上がった。どうしよう、とメンバーは皆思った。いや、陽昇だけは平常心を保ったままだった。そしてパフォーマンスが終わる。それでもTVの演出上、キャスター陣からは拍手と賞賛の言葉が飛ぶ。しかしメンバーの顔は明らかに動転して、視聴者も早速ネットに書き込みを始めた。そしてキャスター陣の感想は千鶴の番になった。千鶴は営業スマイルを浮かべこう言った。

「次は頑張りな!」その言葉に陽昇だけが笑顔で返事をした。


出番が終わり、メンバーはまた裏に戻った。皆目を合わせることすらできない。そんな中陽昇が威圧的に声を放った。

「だから言っただろう。つけ上がるなと。お前らは真っ当なことをしていないと。まだ俺たちはあの人たちの足元にも及んでいないんだぞ。同じ土俵の上で緊張するなんていつになったらできるだろうな。そして桧山。お前のせいで台無しなデビューとなった。僕一人がいくらリカバリーしても覆い尽くせないほどに」そう言ってどかっと座り込んだ。

「ごめんね、僕のせいだよね」優月は俯きながら声を震わせた。

「あいつの言うことなんて気にするな」秀は背中を撫で下ろしフォローに回った。

「あ、番組終わったぞ!挨拶に行くぞ!」番組が終わりキャスター陣がスタジオを出る。八人はそこに向かい一礼を交わした。キャスター陣からは次は頑張ってね、よく頑張ったよ、などと言葉をもらった。そして千鶴もメンバーの前を通った。

「お疲れ様です!」とメンバーが礼をすると一度足を止め、メンバーの顔を見た。しかしそのまま声を発することもなくさっさとスタジオを出てしまった。優月は最後まで深々と礼をしたままだった。

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