第4話 一週間の体験入学と小さな動物⑥
おにぎりって美味しいよね
私は着替えが済んだあとにタッタッタと料理場へ来ていた。
料理長のグルコを見つけるなり、近づいて服を引っ張ると、周囲を確認後に下を見て、私がいることに驚きの声をあげていたけれど
まあ、私がここに来るのは、いつものことなので┄なれたように声をかけてくる
「どうかしましたか? 今日は一応、お嬢様の提案された料理を作ってるんですが┄もしかして追加ですか?」
「うんん┄違うよ。あのね、おにぎり私も作りたいんだけど┄だめかな?」
「え? お嬢様が自分で┄ですかい⁉ どうしてまた┄」
グルコに問われ┄何となく言葉に詰まる
メニューを決めたときは┄楽観的にたまたま、作ってくれるものだから良いか。
て思っていたけれど┄
今回はアリエルお兄さんに感謝の意味を込めて、私も何かしたいと思ったからだった。
だって髪飾りという素晴らしい物をくれたんだもの
なら私の手料理は無理でも、子供的にお礼がしたい
「アリエルお兄さんに、いつも来てくれる、お礼がしたいの┄」
口に出して言うと、少し恥ずかしくなってしまうけど┄グルコとの目線を外さずに告げれば
何かボソボソと小声で呟きつつ、私を見るなり、意志が強いことを感じてくれたのか、ハア~っと息を吐き「わかりました」と言ってくれた
グルコはおにぎりならばヴォルフが担当だと言われ、ヴォルフを呼んで、私がおにぎりを作りたいと頼めば、グルコ並みに驚きながらも、火を使うわけじゃないため許可をしてくれた。
私は小さなエプロンを装備して、椅子に立ち調理場で手を洗い終わるとおにぎりを作るべく手順を確認する
最初は手を濡らし、少量の塩を手につけ┄温かいご飯を乗せ、お椀形のように一度、軽く握ったあと、クの字にして、三角形に成形すれば完成するのだ
うむ、いい出来ですなぁ~
よ~し! いっぱい作るぞーー!
うんしょ、うんしょと早10分ぐらい作り続け、汗を袖口で拭い
いま┄いくつぐらい出来たかと、近くのお皿を見ると、何故か2つしかなかった。
┄ほえ? 私てきには20個ぐらいは作ったはずなのに
そこには怪奇現象が起こっていた
私は首を傾げ┄気のせいかと思ったけれど、誰かの手が、私の作ったおにぎりに迫っていたのを目撃し
「┄┄ダメなの!!!」
と私が怒鳴ったら手が止まるのを確認し、上を向けば、大多数の料理人達が近くにいて驚いたと同時に
みんなの口元がモゴモゴしていることに気づき、おにぎり消失事件の犯人を見つけ睨みつけた
なんで食べるのじゃ! せっかくアリエルお兄さんのために作ったのに~
じと~っと料理人の犯人達に
「食べちゃダメだよ、お兄さん達┄めっ! だよ‼」
と手を腰にあてて叱れば
料理人達は「うっ!」とか「お嬢様から叱る姿が┄可愛い」とか「くっ! 娘が欲しい」などと言っていた
おい! 少しは反省しろ‼
ハア~っと怒る気も失せて┄再びおにぎりを作ろうとご飯を見れば┄┄なにもなくなっていた
うわっ! 今度は┄ご飯がいつのまにやら、消えとりますぞ‼
キョロキョロと左右に首を動かして探すなか、ヴォルフの手元に視線がなんとなく向くと、私のものとは比べるまでもなく
とても綺麗な三角形が握られていて、お皿には10~20個のおにぎりがあった。
すごくプロだと称賛したくなり、ヴォルフに顔を向けて拍手してしまう
するとヴォルフは私の方を向くなり、首を傾げた
「どうした┄俺っちに拍手なんかして┄目がキラキラっすよ┄」
「いや、だってね┄ヴォルフの手で作られた、おにぎりが素晴らしいんだもの!」
「この三角形のフォルムはプロだわ┄芸術品ね」
両手を握り締めてヴォルフをみつめ賛辞を述べれば、え⁉ と驚いていて
おにぎりと私を交互に見るなり、手元にある、おにぎりを私に向けてきた。
うん? なんだろう┄デジャビュ?
「┄食べるっすか、ハイ、あ~ん」
「ふにゃ!┄いいって┄恥ずかしいし┄まだ色々やるんでしょう⁉」
「┄いや、良いんだよ。せっかく誉めてくれたし、おにぎりを食べさせたくなったんです」
三角形の先を私に向けて、アリエルお兄さん並みに、イケメン顔を向けられ、食べなければ引かない意志があり、ニコニコしている。
なじぇに年上どもは、私に試練をあたえるのか!
もう、いい食べてやる!
パクッと食べてやると周囲から「おぉ~!」とか聞こえるが無視し、おにぎりを味わえば
まるで前世でおにぎり専門店の【ソルイ】のおばちゃんが作るプロの握るおにぎりで、フワフワの米が塩の塩梅が丁度よい
口内に広がる旨味に旨い! と思いヴォルフから┄おにぎりを奪いとり、モキュモキュと頬を膨らませ咀嚼する
「うみゃい┄美味しいよ┄」
ヴォルフに向かって言えば、台に手をついて┄うなだられている
おい┄どうした⁉┄
私は不可解なヴォルフの態度に首を傾げながら、またパクッとおにぎりを食べていると、近くに足音がするなり、グルコに抱き上げられた
私はおにぎりをまだ食べ終わってないため、一瞬┄固まったものの
「どうした┄ごく┄まだ┄おにぎり食べてるのに┄モグモグ┄」
と食べるのをやめる気はないままに、抱き上げた人物を見上げれば、グルコがいつもの表情を和らげな笑みを浮かべた
「お嬢は本当に料理人を喜ばせる天使で、可愛く、癒しをありがとうございます」
「ごく┄へ? 何で天使? 癒しってなにが? お礼を言われることしてないよ」
全部をやっと食べ終わって、手についた、ご飯粒を食べながら言えば、料理人全員から礼を言われたのだった
うん、イミワカランゾ┄皆のしゅう!
理解出来ぬ料理人達の行動に疑問を感じ首を傾げてしまう
なんとなく横にいるヴォルフを見れば頷いているため、何か料理人達に感じるものがあるのだろうと結論ずけた




