旅立ち、エルフの森
小説初挑戦の秋風心彩です。
少し気分転換に携帯のメモなどに書いてたというのが事の始まりでした。
劣る所ばかりでしょうが、優しいお心持で呼んでくれると幸いです。
~あらすじ~
数年前、ある小さな村から始まった大きな災害。
その村に住んでいた少年ミハヤは、魔法を使えるということからタオという魔女のとこで居候兼修業をしていた。
タオの頼みで町に出ていたミハヤは、広場でエルフと魔法の使える剣士が戦闘しているのを町の人達の会話から聞いて少し広場に立ち寄ることにした。
そこでは5位以上の魔法をぶつけ合う激しい戦いを繰り広げていた。
それに夢中になっていたミハヤにエルフのシュリーンが戦闘中、話し掛ける。
剣士が《teleport》を使って居なくなるのを見計らってからシュリーンからの唐突な誘いを受ける。
その誘いとは、異常生命体を共に倒し、元凶に仇を打つというもの。
ミハヤは最初は悩んだものの、タオの言葉でシュリーンと共に旅に出ることを決める。
= = = = = = = = = = = = = = = = = =
僕は今、沢山のアブノーマに追われ戦い(主にシュリーンが戦って)、やっとの思いで少し暗がりの場所にある《ディービン》というエルフの住む森に訪れていた。
なんか、前後左右からの視線がすごく痛いのは気のせいかな…?
「姫様!その穢らわしい人間は一体…。」
少し向こうの大きめの樹の後ろから僕より小さめの白髪のエルフのおじいさんがフワッと飛んできた。
「トーじぃ、いい所に来た。こやつに新しい服を用意してくれ。」
「何故この者に!人間になんぞ…嫌でございます!」
トーじぃと呼ばれるおじいさんは僕をキッと睨んで即拒否する。
まぁそりゃそうだ。エルフは元々人間を嫌う種族。それなのにシュリーンは僕を見て好奇心に溢れる様な心持ちでここまで連れてきたのが、来るまでに伝わってきていた。
「はぁ…役立たずね。もういいわ、マーリに頼む。トーじぃには暫くこの森の番人を務めさせる。」
「なっ…姫様…!」
シュリーンはトーじぃを無視して再び歩き始める。僕はトーじぃにペコッと軽く頭を下げて着いていく。
にしても…相変わらずの視線だ。
「あの、シュリーン。」
「なんだ?」
「この森に入ってから視線が痛いんです…。」
「あぁ…。」
シュリーンは曖昧な返事をしつつ手を上に掲げ、徐々に大きくなる光を最大まで溜めて放つ。
するとあっという間に周りにいたエルフ達は自分の作業に戻って視線を無くした。
「その魔法は確か…。」
「《flash》。1位魔法よ。」
確か《flash》は日の光などから光を吸収しないと使えなかったはず。
一番下の段階の魔法だが僕の系統だと使うことはできない。僕の魔法系統は光魔法の逆の闇魔法。だが、闇系統の魔法使いが光系統の魔法を取得するのに儀式の様な事をすればいいとタオから聞いた。
と、少し歩いているとさっき見た大きめの樹より大幅に小さい樹の前でシュリーンが上を見上げて止まる。
「マーリ、いるか?私だ。」
「シュリーンかえ。余に何用え?」
枝の間から、青髪の和服の女性が僕達の目の前に降りてきた。
種族はエルフじゃないようだ。
「こやつに新しい服を繕って欲しくてね。出来るかしら?」
「ん?人間よのぅ…。珍しい。お主名は何ぞえ?」
「ミハヤです。」
和服の女性は「ほぅ…。」と言ってジーッと僕の周りを飛んで眺める。
「ミハヤとやら、余はお主を気に入ったえ。衣を繕ってやる。」
女性はそう言ってまた樹の上に行ってしまった。
「彼女はマーリ・サデル。吸血鬼よ。マーリはここで私達エルフを手伝ってくれているの。」
それを聞いて驚いた。古い本でしか見た事の無かった吸血鬼が本当に存在したとは思わなかった。当たり前だけど初めて見た。こんなところで出逢えるなんて光栄だなぁ。
「ほれ、ミハヤとやら。」
暫く樹の根元で休んでいるとマーリが枝の間から何かを投げ込んできた。
投げ込まれてきたのはエルフ達が着ているような茶色い毛皮の服と黒メインのローブ。
「茶色いのはガートウルフの毛皮じゃから丈夫で炎魔法の防御ができるえ。お主も魔法使いらしいからのぅ。」
ガートウルフはアブノーマと違い、元々この世界にいる魔物で主にマグマ地帯に居て炎系の技は無効化ができる。
「ふーん、その黒いローブは北の妖精の羽とマーリの髪で出来ているから魔法には強いわね。」
北の妖精もガートウルフと同じ様に元々この世界にいる魔物で事実名はノースフルー。ノースフルーの羽は見た目はキラキラと輝いてはいるけど実際にノースフルーから羽が離れれば真っ黒に染まって闇魔法を吸収して自分のものに出来るという。
「ぅむ。闇系統のオーラが見えたからえ。余の髪は丈夫え。」
「吸血鬼の髪はあるナイフでしか切れないからその髪で繕われた衣服は1番丈夫と言われるわ。」
そんな、とても高性能で貴重な衣服に着替えるとさっきまで不安だったのが何だか心が軽くなって不安が消えた気がする。とても心地よい。
シュリーンは次に行く場所があると行ってマーリとはまた後で会うと言って一旦別れた。
「後は武器と魔法道具ね」
「あの、僕お金ないんですけど…。」
さっきの服はマーリに、気に入ったからお代は要らぬ、と言われたから何とかなったけど。
「金は出さなくていい、後ずっと思ってたんだがその敬語やめてくれないかしら。」
「えっ、あ、ごめん。」
マーリの所から結構離れたであろう場所でまたシュリーンは立ち止まった。今度はこの森で1番大きいと思われる樹の下に来た。
「タブとルブ、居るか?」
「ぁ!姫様ぁ〜珍しいですねぇ、おやぁ?そちらの方はぁ?」
「ちょっと、タブ。姫様に失礼だよぉ…」
タブと呼ばれるまたもエルフとは違う種族の男の子(?)が僕をジロジロと見てくる。この注意した女の子(?)がルブでこちらもエルフではない。
「ミハヤだ、町でたまたま出会って気に入ったから連れてきた。こやつに短剣と魔法道具を与えてやって欲しいの。」
「どうも…私ルブと申します…こちらは兄のタブ。人間とエルフのミックスです。」
なるほど、ミックスは1度見た事があったけどその時は確か人間とフォクシェのミックスだった。
だが、ミックスは男の方の種族になる為、女の種族としては一切見られない。それに、希少種。その為人攫いに目を付けられやすくなるから滅多に姿を現さない。
後にシュリーンから聞いた話ではタブとルブは双子で兄のタブは武器専門。妹のルブは魔法道具専門らしい。
「でぇきましたぁ〜。はい、ミハヤさん。オリハルドラゴンの牙で作った短剣だから切り味良いよぉ〜」
オリハルドラゴンも元々この世界の魔物だが滅多に出食わせない希少種の魔物。
そんな珍しい物を頂いていいのかな?
「はい…。」
ルブから渡されたのは群青の光を放つ首飾りと僕の大きさに合ったエメラルドのステッキ。
「そちらの首飾りは静寂の森にある湖の水を垂らした物で、ステッキの方はプラントドラゴンの爪で作らせて頂きました。」
静寂の森の湖の水は確か体力魔力回復の効果があったかな。
プラントドラゴンはアブノーマの現れる少し前に初めて発見された魔物。だから、まだ効果が良く分からないなぁ。
「よし、揃えるものは揃ったかな。」
「あ、あのぉ…姫様ぁ…。」
「ん?どうした、タブ。」
タブはさっきの元気な笑顔を少し照れた表情にしてモジモジしながらシュリーンを上目で見つめる。
「え、えっとぉ…。旅に、出るんですよねぇ…?」
「あぁ、そうだが…連れて行ってほしいのか?」
「えっ、タブ、そうなの…?」
ルブはタブを心配そうに見つめる。
僕は、それを見守る。
タブはこくりと頷いて目を少し潤ませる。
あ、そういえば、タブとルブの瞳はすごく綺麗だ…。タブは緑色と青色が混ざったような宝石の様な瞳。ルブは赤とピンク色が混ざった様な瞳、黄色と緑が混ざった様な瞳で左右の瞳の色が違う。
オッドアイは結構見るけど、ここまで綺麗な瞳は初めてだな。
「…ハヤ…ミハヤ…ミハヤ?」
「えっ、あっ、ど、どうしたの?シュリーン。」
「この2人を連れて行くかって話だ。聞いていたか?」
「えっ、ごめん、聞いてなかったや、でも人攫いに気をつければいいと思うよ、ぼくは。」
ルブは少し不安そうにしながらも笑顔を見せる。タブの方は無邪気にはしゃいでいる。
でも、近頃はミックスを狙う人攫いが前よりも増えていると街の人達が噂していたな…。本当に連れて良かったのだろうか。不安になった。
その時は、きっとシュリーンが助けてくれる。ぼくはこの時ずっとそう思っていた。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
今後も一話一話短く区切らせて頂くと思われますので何卒よろしくお願いしまする。
誤字、脱字等あった場合、又は感想などコメント頂けると幸いです。




