第13話 学校生活6
職員室からを後にし、本日三度目となる下駄箱を訪れる。玄関に出ると葵がまだいた。
「あ、耕平、今度こそ有T面談終わった?」
「面談じゃねぇよ。と、言いたい所だが、ありゃ面談だな。お前こそ、まだこんな所で何やってんだ? 部活は?」
「家庭科部は金曜日は休みだよ? 忘れたの?」
「じゃあ、何してんだ? まさか家に帰りたくないとか言わないよな」
「こ、耕平を待ってたんだよ……」
少し視線を逸らし恥ずかしそうに葵は言う。
「俺を? 何か用か?」
「えっと……用と言うワケでは……折角だから途中まで一緒に帰りませんかとか……? あはは……」
葵は目を軽くぐるぐると回し、パタパタと手を振り、何とか言葉を捻り出したという感じだ。
何でそんな緊張してるんだ? 緊張したいのはこっちだっつーのに、はぁ、好きだなぁ……
「別にいいけど。わざわざ待っててくれたのか?」
「うん。家に急いで帰る理由も無いし」
変に勘違いするなよ俺、たかが一緒に帰るだけじゃないか。葵も俺のことを意識してるんじゃないのかとか、ほんと中学生みたいな感情を考えるな。俺中身は30なんだし。思春期では無いのだ。見た目は中坊、中身は三十路なんだ。青春はしたいけど!
「じゃ、行くか」
「うん、行こ!」
トボトボと、二人、日の落ちていく夕暮れの帰り道を歩いていると、葵が笑いながら口を開いた。
「今日の学校、本当に楽しかった」
「いつもの学校だろ? おかしな奴だな」
タイムリープした俺じゃあるまいし、文化祭や卒業式とか、そんな特別なイベントがあったワケでも無い。現在進行形で学校に通って、しかも部活もなく、授業だけの日なんて大半の奴が『学校なんて面倒くさい』と思うのでは無いだろうか?
「うん、おかしな奴です。ねぇ、耕平、これからはちゃんと学校来てくれるよね?」
立ち止まった葵が少し寂しそうに言ったのが、耳に残った。
「……心境の変化があってな」
「?」
「これからは真面目に通うつもりだ」
「ほんと!」
葵は笑った。『約束だよ!』と言いながら。
「でも、心境の変化ってなに? あんなに学校嫌がってたのに……もしかして好きな人でもできた?」
最後は小さな声で葵が問いかけて来る。
うっ、当たりっちゃ当たりなんだよな。学校に行けば葵に会える。それだけで行く価値がある。
「あー、内緒」
「え? え? 本当にそうじゃないよね?」
「ほら、早く帰るぞ。日が暮れる」
「あ、待って、もう……自由なんだから……」
本音を言うと早く何て帰りたくなかった。葵と一緒に他愛の無い話でいい。ずっとこうしていたかった。
そんな願いは届かず、別れ道に着いた。
「じゃあ、俺こっちだから」
「うん、また来週」
俺は右、葵は左の道へ歩く。ちなみに俺の家はここから約500m、葵の家は約700mの所にある。
また来週か……学校って、こんなに楽しいんだな。
改めて本当にタイムリープしてきたんだなと染々思う。俺は全力で楽しむぞ、昔の今この時間を!
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