第11話 学校生活4
そしてコッペパン、何の味付けもない只のコッペパンだ。別に美味いワケでも無く、不味いワケでも無い、本当に只のパンだ。
さっきからこれしか言ってないがクソ懐かしい。
「ど、どうしたの……耕平……? お腹痛い?」
コッペパンを持ち、顔を下に向け、懐かしさで少し震えている俺を、給食時は向かいの席になる葵が一口サイズにちぎったコッペパンを口に運ぼうとした手を止め、心配そうに俺を見る。
「いや、大丈夫だ。懐かしくてな」
「コッペパンが? というか、今日の耕平『懐かしい』って、そればかり。寝惚けすぎだよ」
はぁ、と溜め息を吐く葵と、
「大丈夫かお前、月島さんにあんま心配かけんなよ」
「重症ね」
と、言ってくる同じ班の道川和人と海崎遊莉。
そしてもう一人、俺に声をかける奴がいた。
「あら、コッペパン見て懐かしいって、未来からタイムスリップでもしてきた? なんてね」
ギクッ。
思わず俺はパンを喉に詰まらせそうになる。
そいつは同じ班の和人の前の席に座る女子生徒、黒髪ロングの……確か名前は柊美波だ。
成績は優秀だが、身長が140cmと低めの女子だ。
ちなみに6人班なので、もう一人メンバーがいる筈なのだが、今日は休みらしい。風邪かな?
「ハハハ……まさかな……いいジョークだ……柊……」
「夜咲、返しに覇気が無いわよ」
「そんなことねぇよ。ほら、給食の時間がもうすぐ終わるぞ。給食残すなよ。ちゃんと食わないと背伸びないぞ、柊」
俺は少し嫌みったらしく言ってやる。
「だれがチビですって!」
いや、言ってねぇよ。チビとは。
「それに給食を残すわけ無いでしょ。恐ろしい」
恐ろしい? 給食を残すという行為については不自然な言葉だ。頭はイイやつなのに教科書に書いてあることしかできないタイプのやつだっけ? こいつ。
*
懐かしく満足の給食を終、更に清掃と五時限目の英語を終えると、あっという間に放課後だ。
学校って、こんなに楽しかったんだな。
さて、帰るか。今日はよく寝れそうだ。
下駄箱に向かい靴を履き替え、玄関に出ると、見知った少し茶色がかった黒色の長めのセミロングの可愛らしい少女──もとい、月島葵がいた。
こちらに気づくとぱぁぁっ! と、顔を明るくして俺に近づいてくる。
「あ、耕平、早かったね。有T何だって?」
「有T? ……あ……」
やっべ、忘れてた。
有Tに職員室呼び出されてるんだった!
「『あ……』って、職員室行かなかったの? 呼び出されてたでしょ?」
「完全に忘れてた。今からでも行った方がいいよな?」
「当たり前でしょ。はい、回れ右! 全くもう……すぐ約束とか忘れるんだから。ダメだよ、そういう所」
「分かったよ。お前も気を付けて帰れよ」
「……耕平を待ってたのに……」
「え? 何だって? 悪い、聞こえなかった」
「い、いいから! 早く職員室行って来なよ。有T待ってるよ」
「ああ、分かったから。押すなって、転ぶだろ?」
そうして俺は葵に言われたとおり校舎に逆戻りし職員室へ向かう。15年と8ヶ月振りでも職員室の場所は直ぐに分かった。
職員室なんて何処も同じような場所にあるからな。
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