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72話 イカサマ

おはようございます。

昨日たくさん書いたので、本日も4話投稿させてもらいます。

投稿時刻は12時、15時、19時頃に投稿させていただきます。

皆様が楽しんで頂けると幸いです。

 あたしはさっきまで舞踏会が開かれていた会場にいたはずなのに、気がつくと何もない荒野に一人で立っていた。

 あたしは確か、気味の悪い髭を生やした年老いた魚人の技で、駒になったんだ。


 それなのにあたしはなぜ、こんなところにいるの?

 辺を見渡し考えていると、頭の中に誰かの声が聞こえる!

 その声は高すぎず低すぎない、中音域の透き通る声、アルトロの声だわ!


『リリアーナよく聞くんだ、その世界は精神世界だ! 今敵の魚人と盤上で戦っておる! 今から詳しいゲーム説明をするぞ!』


 あたしは頭の中に聞こえるアルトロの声に応えるため、天を見上げ青空に向かって叫んだの。


「わかったわ!」


 それからあたしは目を瞑り、アルトロの声を、説明を聞き逃さないように、意識を集中させて彼の声を聞いたわ。


 だけど……難しくて良くわからなかったの。

 だからあたしは腕を組み、天に向かいもう一度言ってやったわ。


「よくわからないけど、とにかく敵を倒せばいいのね! 楽勝よ!」

『まぁ……それで良い』


 アルトロは少し困ったような声をしていたけど、問題ないわ。


『それで今からお前の駒を動かすから、少し景色が変わるかもしれんぞ!』

「いつでもいいわよ」


 あたしが返事をすると、突然景色が移ろっていく。

 まるで時の中を駆け抜けているような感覚で……少し酔うわね。

 三半規管が弱い者だと吐いてしまうかもしれないわね。


 だけど、その現象は数秒ほどで終わり。

 辺を見渡しても、あまり先ほどと代わり映えのない光景が広がっていたわ。


『リリアーナな、また何かあったら声をかける。その時まで休んでいてくれ』

「そうするわ! 勝つのよアルトロ!」


 あたしはこの光景をアルトロが光のスクリーンを通し見ていると信じ、高らかに拳を突き挙げたわ!




 ◆




 俺は会場でスクリーン越しにリリアーナを見つめていた。

 一辺の不安も感じさせない満面の笑で拳を掲げるリリアーナは、とても頼もしく見えた。


 隣でそれを見ていたポルドも微笑みながらそっと呟いた。


「逞しい娘だな」


 当然だ! リリアーナは強く勇敢な女だ!

 例え離れていても俺を前向きにしてくれる、お前と同じだポルド!


 俺たちがスクリーンを見上げていると、嫌味たっぷりに魚人が言ってくる。


「まだ一度動かしただけだろ。何を盛り上がっとる、馬鹿かお前!」


 首を前に突き出し挑発してくるこの魚人を、ぶっ飛ばしてやりたいが我慢だ。


「お前の番だろ! とっととダイスを振れ!」

「言われんでもそうするわ、バ~カ! ホホホホ」

「この野郎!」


 俺は身を乗り出し一発殴ってやろうとしたのだが、ポルドが手を伸ばし俺の体を静止し、首を横に振っている。


「相手のペースに乗っては敵の思うツボだ、アルトロ王子!」


 俺は身を乗り出していた体を元に戻し、じっと耐えた。


「それでいいんだ。アルトロ王子」


 俺の怒りを宥めるように声を掛けてくれるポルドに感謝しながら、魚人が振ったダイスを見つめていた。

 魚人が振ったダイスはまたしても双方6の目を出していた。


 俺はそれを見て少し固まり、確信した。

 コイツはインチキをしている!

 そうでなければ、二つの6面ダイスが6を出す確率がおかしい!


 たまたまだと言われればそれまでだが、それでもやはりおかしい!

 すると黙って魚人がサイを振る手元を見ていたポルドが、魚人に指摘し始めた。


「その振り方はアリなのか? 俺の知っているこの手のサイを使ったゲームでは、その振り方は禁止されているぞ!」


 どういう事だ? サイの振り方に何かあるのか?

 ポルドの指摘を受けた魚人はすまし顔で応えておる。


「誰がいつそんなルール決めた? このゲームのルールを決めたのは儂だ! ダイスの振り方は自由だ!」


 俺はポルドと魚人が何の事を言っているのかわからなかった。

 するとポルドが俺にもわかるように説明してくれる。


 ポルドは盤上のサイを二つ手に取ると、6の面を上に向けた状態で親指、人差し指、中指で摘むように持ち、転がすのではなくスライドさせるように盤上に投げると、サイコロは双方6の数字を上面にしたまま止まっている。


「これはよくサイを使ったギャンブル等で行われるイカサマだ!」


 俺はポルドの説明を受け、やはり魚人はイカサマをしていたと知り問い詰めると、魚人はイカサマではないと言い張る。


「いいか、何度も言うようだがこのゲームを考案したのは儂だ、儂がいいと言ってるんだからいいんだよ」


 なんと言う理不尽なゲームだ!

 だが相手の魔技、テリトリーのルールに乗っとて戦うのは、仕方がない。

 悔しいがどうする事もできん。


 俺たちは諦め、ゲームを続けることにした。


 ゲームの序盤は互いに青いマスの宝箱を目指し進められたのだが、結局俺が取れた宝箱は南の荒野にあるひとつだけだった。

 宝箱は入手する武器を選べたのだが、俺はポルドのアドバイスで剣を指定した。


 ポルドは騎士であるフレイはもちろん、騎士団団長マグルも青白い髪の騎士ルーベルトも剣を使用するから、使えるものが多い剣にすべきだと言っていた。


 俺もその言葉に納得したのだが、盤上の駒の位置を確認してミスに気が付いた。

 俺は武器を取る事に夢中になり、リリアーナを一人東の森へ向かわせていたのだ。


 フレイとタコルは中央の草原、マグルとルーベルトはアリアのいる西の湖に向かわせていたのだが、リリアーナの駒の2マス横には、武器を手にした敵の駒が迫っていたのだ!


 リリアーナは丸腰だ! このままでは確実に敵と接触してしまうのだが、鍛え上げられた騎士たちとは違うリリアーナが、このまま丸腰の状態で敵と接触するのは不味い!

――次回 73話、ツル。

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一話だけでも……!
是非お読みください!
モンスターボールを投げたらノーコン過ぎて女勇者を捕まえてしまった件。
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