作戦No.01
みなさんこんにちは!瑠璃です。他の作品を書いている片手間に書いてみました。気に入ってくれると嬉しいです!ではどうぞ。
君たちは、今、日本で平和に暮らすことができている事は何故か、考えたことがあるだろうか。もし考えていたとしても、決してこの答えには辿り着かないだろう。"特殊部隊 雪月花"の存在に。
報告:雪原瑠乃、月宮照、花岡めぐみ。以上、この三名が雪月花の隊員だ。この三人はいずれも特色持ちだ。
雪原瑠乃は"白銀世界"
月宮照は"黄金郷"
花岡めぐみは"深緑源土"
幹部クラスで無い限り見つけ次第逃げろ。彼女らの特色は、特色の中でも最強クラスの空間支配系だ。黒羊のとこの特色持ちでも敵わなかった。すごく離れた地点から特色を使って偵察していたはずなのに、隊長らしき雪原瑠乃という人物と目が合った。その瞬間、背筋を震わせるような冷たい風が吹いてきた。と思うと、腕が凍っていた。そのまま氷が割れ、腕も粉々に割れた。あれは、化け物だ。
その報告書は
…凍っていた。
一週間前…
「速報です。国際指名手配された軍警の施設のみを狙う巨大テロ組織、通称"黒羊"が日本に上陸との情報が入って来ました。警察も警戒を強めています。」
「なるほど。これが、その依頼書と言う訳だ。」
そう言って、私は政府からの依頼書をこの場に集まった全員に見せた。と言っても、この場には私を含めて三人しかいない。月宮照、花岡めぐみだ。我ら雪月花は、軍の特殊部隊。他にも軍には、世間には公表していない、いや、してはいけない部隊もたくさんある。その中でも、結構特殊なのが雪月花だ。理由は二つある。一つ目は、雪月花の隊員は、全員高校生という点だ。そのため軍の命令は、依頼書という形で届く。二つ目は、全員特色、その中でも最強クラスの空間支配系という点だ。特色というのは、自分の色を強く持つ者にのみ発現する能力の事だ。特色を持っている者は、強い。そのため軍の中でもトップを争う強さを誇る。千人規模の部隊も含めてだ。
「各々場所は確認したか?良し、では、作戦内容を説明しよう。」
私は、雪原瑠乃。雪月花の隊長だ。
「いつも、隊長の考える作戦は雑すぎない?」
「照。やかましいぞ?お前らには、このぐらい雑な作戦が良かろう。」
「隊長、失礼ですわよ?」
そうお嬢様口調で話すのは、花岡めぐみ。超巨大企業花岡グループのご令嬢であるため、正真正銘のお嬢様だ。
「つべこべ言うなよ。私たちに謀略とか意味ないから作戦が簡単になるのは当たり前なんだ。」
「まあ、それもそうですわね。」
「まあ、確かにね。複雑な作戦をしろって言われてもできる自信は無いかも。」
二人は決して馬鹿では無い。なんなら、すごく頭が良い。合理性を認めると、直ぐに納得してくれるのだ。
「決まりだな。では、手筈通り二週間後出動だ。」
「「了解」」
私たちは、現場の上空にヘリで来た。流石、花岡家の令嬢だ。ヘリの伝手はあるらしい。それでも、軍からの支給金で、ヘリを手配したようだ。ちゃっかりしている。
ここは、黒羊の隠れ家の様だ。まだ、ヘリには気づいていない。
「操縦士さん、この辺で止まってください。降下しなくて結構です。勝手に降りるので。後は直ぐに帰ってください。危ないので。」
そう、操縦士に言い残すと、高さ約300m地点から飛び降りた。
操縦士の驚きの声が聞こえる。照とめぐみの呆れた声も。それから、直ぐに照とめぐみも続いた。
「やはり、隊長の作戦は雑ですわね。」
「やっぱり、空から飛び降りるは無かったか?敵も異変に気付いて寄ってきている。」
「そう思ってるなら別の作戦にしてよ!」
「だって、これが一番楽だ。」
「まあ、それに関しては同意見ですわ。」
もうそろそろ、地面に激突しそうな所で、それぞれ特色を発動させた。もちろん、無事着地。昔は良くミスって、怪我したが。
「では、作戦通りに。」
「「了解」」
雪月花の任務遂行の狼煙があがった。作戦はこう。まず、三手に分かれてひたすら暴れる。騒ぎを聞きつけて出てきた親玉を叩く。依頼書では、黒羊たちの生死は問わないとの事だ。正し、親玉は、殺せともいわれている。ただ、ここに親玉はいない。ここにいる全員、生死は問わないと言う事だ。ここでは、各々の性格が出る。
「私は早く帰りたいのでな。さっさと終わらせてもらおう。"白銀世界 絶対零度"」
いつの間にか取り出した鉄扇で辺りが真っ白な世界へと変貌した。その後、一瞬にして、辺りの人間が凍りついた。完成した氷のオブジェからは、冷気が漂っていた。
「生きてるから安心しろ。帰ったら、厳正な法に裁かれてこい。」
鉄扇には、雪に映える椿が見えた。
[こちら、瑠乃。敵の捕獲完了した。]
「君たち、運が良いのか悪いのか。どっちつかずだね。めぐみの様に喰いはしないけど、隊長の様に生捕りもしない。"黄金郷 裁きの光"」
すると、夜でも無いのに月明かりが降りてきた。その様は、息をのむほどの絶景。まるで、黄金郷のような景色だった。だが、その一瞬でその景色は、地獄に変わる。周囲の人間は、光の雨に脳天を焼き貫かれて、絶命した。
「綺麗だね。」
積み上がった死体を嘲笑うように、月明かりが辺りを照らしていた。月明かりを反射する照の瞳は、金色に光っていた。
[こちら照。敵の殲滅完了しました。]
「あら、私たちの邪魔をするんですの?素晴らしい勇気ですわ。素直に褒めたいぐらい。でも、それだけじゃダメですわ。"深緑源土 森の成長"」
いきなり、木が下から生えてきた。そして、組織の者たちを搦めとる。そして、養分を吸収し始めた。まるで、森が人間を喰っている様だ。最初は、皆、余裕そうだったが、しばらくすると呻き声が聞こえてきた。皮と骨だけになった者すらいた。
「もう、いいですわ。貴方たちは、美味しくないもの。それに、もう十分無力化できましたわ。」
そう言って、組織の者たちは、解放された。全員、命すらも喰われていた。
[こちら、めぐみ。敵の無力化完了しましたわ。]
[良し。ではこれから、親玉を叩くが、親玉の姿が見えない。と言う事で本部に突入しようと思う。]
[なんか、そうなる気がしてましたわ。]
[同じく。]
[親玉とその周辺は周りの雑魚たちより、強力な可能性がある。そのため全員で叩く。いいな?]
[[了解]]
雪月花は個人でも圧倒的な強さを誇るが、連携してこそ、真の力を発揮する。黒羊滅亡はもう直ぐだ。
黒羊日本拠点内部にて
「なんだ、あれは。軍の事は誰よりも知っていたはずなのに雪月花?なんだそれは!しかも、全員空間支配系の特色だと?クソッタレが!
…やむを得ないな。私が出よう。」
「ですが!バス!じゃなかった、ボス!」
「誰がブラックバスだ!絶対わざとだろう!」
「そんな…ブラックバスが可哀想です!」
「喧しいわ!」
「ボスが出るなら私も出ましょう。参謀、市伊符の名にかけて。」
「スルースキル高めの参謀…」
「黒羊、大人しく投降しろ。」
瑠乃がいつの間にか持ってきていたメガホンで呼びかける。
「話は聞いた。雪月花の隊長、雪原瑠乃。」
「正解だが、今私は投降しろと言っているのだ。私たちの情報を言えとは言っていない。」
「我らは、投降しない。」
「そうか。では、実力行使と行こう。照!めぐみ!」
「"黄金郷"」「"深緑源土"」「"白銀世界"」「「「融合世界、発動!」」」
三人とも空間支配系の特色を持っているからこそできる、雪月花の御家芸。辺りは、雪に包まれてる森に月明かりが差す、幻想的な空間と変わってゆく。だが、対峙している者にとっては、神秘的な風景が逆に恐怖を引き立てる。だが、黒羊の長は怯まなかった。いや、内心では、冷や汗ダラダラだった。こんな化け物にどう勝てばいいんだ。
「バス、じゃなかったボス下がってください。私がなんとか出来るかもしれないし、出来ないかもしれないです。」
「結局どっちだよ…あと絶対わざとだろ!はあ、生きてたらまた、みんなで組織再建して、軍の奴らを地獄にぶち落としてやろうぜ。」
「それを、フラグって言うんですよ。はあ、"悪色"」
その一瞬で、参謀の雰囲気が変わった。
「特色持ちか。」
「私の見間違いかな。建物が動いてる気がする。」
「照、それは見間違いじゃないぞ。全員見えているからな。厄介だ。」
瑠乃がそう言い終わる前に、建物がこちらに拳を振り下ろしてきた。
「建物に腕が生える?新しい発見ですわ!」
「いや、普通無いから。」
そう照がツッコミを入れると同時に、めぐみが特色を発動させる。
「"深緑源土 森の護り"」
辺りに生えてる、木がこちらを守るように動く。
「この、ゴーレムの拳は五百トンの重量のはずなのに、何故木ごときで受け止められるのです?」
参謀は思わず問うた。
「森の力は偉大ですわ!」
「余り答えになっていません!」
「じゃあ、次はこっちのターンかな。"黄金郷 光線銃"」
月明かりが、弾丸となって、参謀とボスを襲う。うち一発が参謀の胸を貫く。
「がはっ」
口から鮮血が吹き出す。参謀のふざけた空気が一瞬で吹き飛んだ。
「参謀!」
「あちゃー少ししくじってしまいました。」
「おい!もう喋らなくていい。じっとしてろ!」
「いえ、私はもうだめでしょう。なので、最後に言いたい事があります。
私は貴方に仕えることができて幸せ者です。必ずや、黒羊の大願を果たしてください。今までありがとうございました。」
「おい参謀?参謀!」
どんどん冷たくなっていく参謀を抱えて、無機質に、それでいて少し怒気を含んだような声音でこう言った。
「はは、そうだな。最後までお前らしいよ。まずはお前らに勝って、生き延びる事だな。"悪喰"」
ボスは、首からぶら下げたペンダントを握ると、どす黒い黒が溢れ出した。
「それは、"禁忌の色"…なぜお前が!?そうか、英雄・神響を殺しのはお前か。」
「ああ、そいつは毒ガスで呆気なく死んだよ。周りの雑魚兵と同じようにな!」
そう言い終わると同時に、溢れ出た黒が明らかにこの世の物ではない何かへと変貌し、襲いかかってきた。
「"深緑源土 森の護り"」
咄嗟にめぐみが前に出て防御する。だが、"それ"は森を貫通した。
「えっ…」
「めぐみ!"白銀世界 凍鉄扇"」
瑠乃が間一髪でそれを切り落とした。直ぐに再生しようとしたが、断面が凍っているため再生出来ない様子だ。
「助かりましたわ。隊長。私の判断ミスですの。次は失敗致しませんわ!"深緑源土 森の成長"」
森は養分を吸収し、成長していく。
「とても不味いですわ。さっきの者より遥かに!」
森は"それ"をを喰いつくし、消滅した。
「流石だ。めぐみ。」
「当然の事ですわ。失敗は取り返す。これが私の、雪月花としての矜持ですもの。」
「ああ、もう、万策尽きたか。」
「そのようだな。何か言い残すことはあるか?」
「投降しても殺すつもりだっただろう。」
「正解だ。それが任務だからな…」
「そうかい。…少し昔話を聞いてくれないか。
「少しだけだ。」
ボスは、過去の事を話し始めた。
「俺は元々軍警に所属していた。だが、あの日、俺の家族は、お前ら軍警に殺された。俺は、軍警を本来あるべき形にしたかった。そのために、軍警の基地と腐った上層部を破壊し、リセットしたかったんだ。でも、それも叶わなかった。…そうだな、神響には、申し訳ないことをした。」
「…そうか、だが許す事は出来ない。軍の者として、神響の友として。だが…せめて楽に殺してやる。」
「感謝する。」
瑠乃は鉄扇でボスの首を刎ねた。首から落ちたペンダントの中には、家族の写真と国要という名前が彫られていた。だが、血がべったり付き、禁忌の色の依代たる小さな水晶が異様な存在感を放っていた。瑠乃は、小さな水晶を回収し、ペンダントを閉じた。
「冥土の土産に持っていけ。」
瑠乃は、もう動かない体にペンダントを放り投げた。静まり返った戦場に容赦なく冷たい風が吹きつける。迎えのヘリももう直ぐ来る頃だろう。
「はあ、課題が終わる気がせん。」
面白かったでしょーか?
作者の代表作品は、別にあるので投降頻度は少ないですが、感想くれると嬉しいです。では、またの機会にお会いしましょう。さよならー
追記:今更ながら、3人の名前の読み方が分かりづらいかも。という事に気づいたので、ルビを振っておきました。




