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ep.5 念願のVR(ヴェリディアン・レゾナンス)
ブライアンは古物商を出ると、まず近くの金物屋に立ち寄った。
目指すは、折りたたみ式の手押し荷車。
ヨボヨボの彼が、高価なVR筐体を一人で運ぶには、それが必要だった。
真新しい荷車を引いて、彼は電器店へと向かう。
電器店のショーケースに飾られたヴェリディアン・レゾナンスは、まるで美術館の展示品のように輝いていた。
その青緑色の筐体は、ブライアンのよれた服や、汚れた手からは想像もつかないほど洗練されている。
彼は店の隅で荷車を広げ、店員に手伝ってもらい、筐体を慎重に荷台に乗せた。
店員が心配そうに「お一人で大丈夫ですか?」と声をかけるが、ブライアンは無言で頷くと、ゆっくりと荷車を押し始めた。
軋む車輪の音だけが響く中、ブライアンは慣れない荷車をヨロヨロと引きながら、自宅へと向かう。
彼の背中は丸く、その足取りは頼りない。
だが、その瞳の奥には、彼にしか見えない「インフィニタス・オンライン」の世界が、既に広がり始めているようだった。




