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君はあるがままに なるように  作者: 風神RED
第六章  元の鞘
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理由

短いですかね?

仕事上がって、家に帰ってきて空いた2~3時間で書ける範囲で投下してるので、お察し。


ケイン・ジューダス・コモロ。これがこの世界でのバンドーの名前。


父はガウガメラ・ジューダス・コモロと言い、王国騎士だったらしい。と言うのも、彼がこのイルミタニアに転生した時、既にガウガメラは流行り病で亡くなっていたし、ひと頃はあった、転生前のケインの記憶も、最近では徐々に薄れつつある。


そして母はマユミ。彼女は実年齢のままイルミタニアに来た。この世界では『召喚されし者』とか『召喚者』と呼ばれている。バンドーにとっては、リアル世界で高校生の時に付き合っていた元彼女であり、イルミタニアではケインの母でもあるから、ややこしい。リアル世界で自殺して、ここに来た筈なのだが、詳しい理由は知らない。聞けない。


一時期は、そうケイン6歳の時は自分も騎士になるのだろうかと、ぼんやり考えていた事もあった。

もしあの頃、騎士に叙勲されたなら素直に喜ぶことができただろう。


「不満ですか? 」


片膝を付いたまま、動かないバンドーにカタリナは問いかける。

この人は本気モードとふわふわモードの使い分けが激しい。


「何故、自分がと? まあ、無理もありませんが、素養は充分にあると見ました。それが一つ」


そこでカタリナは考え込む。演技かもしれないが・・


「あと、ふたつばかり理由はあるのですが、今は言いません。けれど・・」


バンドーはゆっくりと顔を上げ、カタリナの表情をうかがう。


「そうですね~、これは賭けてもよいですが、あなたはいずれ感謝するでしょう」


「判るよ」


「あれぇ~? 」


扇をくるくる回しながら、胸元に納め、人差し指を頬に当てながらにっこりと笑うと言葉を続ける。


「うかがいましょう~」


「バランスだろ? フィーネ姫とパーティを組むリーダーが一介の冒険者だと、示しがつかないとか、王国を騒がせる元になるとか、そんなところだろ? 」


「あらあら、まあ! 正解でーす。これでも私は~、王国の揉め事を解決する、お仕事をしているのですよ~? 早いうちに、混乱の種は摘んでおきませんと~ ねっ? 」


「判ったよ。ある程度、納得した」


「もっと言うと~、もしもあなたがフィーネちゃんに相応しくなかったとしたら~、排除していたかも~しれません」


今更、にっこり笑って、そう言われても。

まあ、つまりは、お眼鏡に適ったと言う訳か。


「けど・・! 」


先を言いかけたところで、カタリナ姫の人差し指が、バンドーの唇の前に立てられる。


「判っていますよ、今のところ騎士として身分を拘束したりしませんから・・今までと同じく、ダンジョンに潜っていただいて結構ですし~、ギルド登録も、そのままです~」


ふと、カタリナ姫が右手を半円状に上げる。何もない空間で素早く魔方陣を描くと、そこから一振りの剣を取り出した。


(移送魔法じゃねーか?! )


移送魔法というのは、遠くにある物を近くに引き寄せる高等魔法で、位階魔法には無い。使っているところを見たのも初めて。


「また忘れちゃうところでしたけど~、この剣をあなたに与えます~。」


バンドーの顔が変わる。目を見開き、差し出された剣を取ると両手で握り構える。


「騎士は、任命されたら剣を与えられます~。あなたには、この剣がよいでしょう? 」


「こいつは、親父の? 」


不意に記憶が甦る。バンドーと、そして薄れつつあったケインの記憶が。


「昔、あなたの家から持ちさられた剣ですね~。あなたを調べる中で見つけましたので~」


業物ですよ? と付け加える。


昔、バンドーは使いこなす事が出来なかったが、両手剣『血濡れのテュルフィング』と呼ばれる魔剣であり、血を吸うほど威力を増す他、『戦場の霧』と『同士討ち』のスキルを持つ。正真正銘の業物。だが魔力を必要とする。


後日、その性能をイルミダに鑑定で指摘され、知る事になるのだが。


「それでは、今度こそさよならです~」


久し振りに見た両手剣に目を奪われる中、カタリナの声が薄れた。

あわてて顔をあげるが、もういない。


(いない? )


いないのだ、カタリナが。そしてバンドーは、この移動方法を知っている。


「・・あいつ、レイ教授のオリジナルも使えるのか?! 」


レイ・クリサリス・バーサクが得意としている空間転移魔法ワープを使ったとしか思えない。

彼が王都の離宮にすら自由に入れる所以である。


「・・けど、もうひとつの理由って何だろな・・? 」


今度カタリナに会ったら聞いてみよう。































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