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君はあるがままに なるように  作者: 風神RED
第五章 妖しい瞳に ご注意
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事の結末は予想外

空気の焦げたような匂いがわずかに残る。空間を突き抜けた青白い稲妻とエネルギーの塊のせいだろう。

その場にいた全員が思わず振り返る、その中、


「あいつ、何でここに?」


小さな人影が見える。白を基調に、ビードロの吹き手を上にしたような曲線の青いラインが腰から太ももにかけて入っている、華奢な身体にフィットする肌着に黒のラインスパッツ。肩までかかる柔らかな銀髪は見紛う事が無い。


「フィーネ、よせ! 」


その場にいた全員が、壁際に退避を開始していた。言うまでも無い、フィーネ姫の普段、薄赤い瞳が深紅に染まっている。そして彼女が右手に持つ騎乗用短杖『アレグロ』の先に装備されている魔法詠唱発動体が青白い魔法の炎を噴き上げている。


「お母さま?! フィーネは王族魔法が使えるようになりましたよ?! 」


(あの馬鹿、何考えてやがる?! )


バンドーは、外出後に自宅で起こった一連の出来事は、無論何も知らない。フィーネが闇精霊インフラムに侵されている事も、過去夢に取り付かれている事も。


だがそれでも、今ここでやるべき事は、ただひとつ。


瞬時にバンドーは『飛足』を発動させていた。気の能力ちからで身体がわずかに浮き上がるようになり、フィーネ目がけて高速移動する。


「退避しろ! 全員退避! 」


スキルを行使しながら、バンドーは叫ぶ。


窓を破って外に転がり出る者、別室に飛び込み身を伏せる者多数。緊急『ゲート』の詠唱音が響く。


(間に合わねぇ・・。)


バンドーの手がフィーネに届く前に、フィーネの王族魔法は発動する。無論、バンドーには効かないのだが、彼を避けるように後方にエネルギーの本流が放射される。


「くっ?! 」


バンドーは、そのままフィーネを抱きかかえると、開け放たれていた扉から神殿の外に飛び出す。


大地と建物ごと振動させる重低音が辺りに鳴り響き、振り返ると神殿が揺れている。


「この! ばか娘! 」


腕の中のフィーネの耳元で思わず叫ぶと、フィーネの深紅の瞳が薄赤い普段の色に変わる。


「あ、あれっ? バンドー様? 」


程なく、何人かのパーティメンバーが側に集まり始める。


コオオオオオオオオオオオ


とお馴染みのゲートの音がしたかと思うと、ティアも姿を現した。


「ひどい目にあったわね。ルーンを選定する間が無かったから、ハイナスケインまで飛んじゃったわ。」


神殿内に引き返しては見たものの、アルシャンドラの姿はもうない。どころか、地下に通じる穴が開いていて、後日判った事だが、それはどうやら迷宮デスパレスにつながっているようだった。


「参ったな・・。教授に、どう報告すりゃいいんだ、これ? 」


彼にとっては予想外の結末。ではあるのだが、有りのままに伝えるしかない。


周囲には徐々に人垣ができつつある。


「あ~?! 」


しばらくして、耐え切れなくなったかのように、音を立てて神殿が崩れ落ちた。


バンドーは口を半開きにしながら、ティアをみるしかない。こういう時のティアはいつも頼りになる。


「はーい、『星屑の光』のみんな。今日はお疲れ様でした。ここで一時解散します。今回の報酬は、ギルドに報告して結果が判り次第、お伝えします。ヒミカは悪いけど神聖神殿まで重症者の搬送をお願いするわ。ギルド装備をなくした人は報告してちょうだい。私は冒険者ギルドに出向かないといけないので、何かあったら、そこにいるわ。」


ティアは集まっているメンバーに手を打ちながら、そう告げるとバンドーを振り返る。


「それじゃあ、取りあえずギルドに行きましょうか? 」










ここでいったん、章を切る予定。

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