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君はあるがままに なるように  作者: 風神RED
第五章 妖しい瞳に ご注意
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完勝そして

0:00越えてしまいました。すまねぇ。

4階層でリッチを狩る。リッチが出す魔石は、そこそこの質で、シルバークラスの冒険者でも、それ目当てにやって来ることがある。


「そろそろ、いくかー? 」


4階層のボスとも言える”双子リッチ”は5階層への階段前にある大広間に現れる。その大広間は扉を開けて中に入ると同時に施錠され、中に入ったパーティは”双子リッチ”との戦闘を強いられる。

勝たなければ、5階層へ降りるための階段へと続く通路につながる扉が開かない仕様になっている。


「フィーネとアメリアさんは初めてだよな? 」


ここに来るまでに感じた事なのだが、アメリアさんの実力はゴールドクラス冒険者でもおかしくないと、バンドーは判断していた。そう言えば、以前バンドーと一緒に50階層まで行くとか言ってた事を思い出す。


王国暴風騎士団の副官を務めていたのだ。今回の戦闘では純血エルフ固有魔法の”ホーリーライト”詠唱を中心に後衛に徹しているが、騎士として前衛に立ったとしても、恐らく遜色なく戦えるのだろう。


「通常、4階層のボス部屋に現れる魔物の構成は双子リッチ2体、レイス2体にスケルトンメイジが4体だ。フィーネ、一発ぶちかましていいぞ?」


「OKです! 」


ボス部屋は広く、頑丈にできている。フィーネの疾風迅雷にも耐えれるだろう。


「中に入ってすぐにフィーネの疾風迅雷、そっから双子リッチを集中的に狙えば、すぐに倒せるはずだ。」


双子リッチの体力は大体把握している。


「ユメ、レイスの処理を頼む。気をしっかり持てよ? 」


いつもはお気楽な感じのユメが、何だか緊張して見える。声に出して返事をすることも無く、ただ、うなずくだけだ。そう言えば、ユメと出会った時、レイスの狂気にさらされていたんだったな。


「Go! 」


ボス部屋の扉は開かれた。フィーネを先頭に突入する。フィーネが、駆け込むと同時に王族魔法を発動させる。


「疾風迅雷! 」


渦巻く黄緑色の雷鳴と風。それが全体攻撃となって、ボス部屋を襲う。ちらっと見た感じ、イレギュラーはなさそうだ。魔物の構成は双子リッチ2体、レイス2体にスケルトンメイジが4体。続いてチャージキープしていたカスミのサンダーが煌めく。


「サンダー! 」


双子リッチの片割れに炸裂する稲妻。双子リッチがよろけた。


「飛燕脚! 」


ユメが加速する、と同時に左右の手から火焔苦無が放たれる。レイスに突き刺さり、赤い炎を上げる。


「お役立ちです!」


フィーネが騎乗短杖アレグロを振りかぶり、双子リッチに打ちかかる。双子リッチの片割れが崩れ落ちた。計算通りだ。もう一方の双子リッチが両手を上げ、スケルトンメイジを招請しようとするが、遅い。


「そこだ!」


敵の攻撃は無いと見たアメリアさんが抜刀した。白刃が煌めき、残る双子リッチに衝撃波を与える。


後は掃討戦だった。残りは雑魚。スケルトンやスケルトンメイジでは、このパーティは止められない。


「最高だ! 」


もはや動く敵はいない。ここまでうまくいくとは、バンドーも思ってはいなかった。

素早く魔石を回収し、双子リッチが落としたシルバー武器も手に入れた。


5階層へと抜ける階段への扉が開く。パーティは油断する事なく、素早く大広間を後にする。


「手伝う暇もなかったな。カスミ・ユメ、よくやった。想像以上だったぜ? 」


二人とも嬉しそうだ。フィーネの頭もなでてやる。


「アメリアさんも、いい判断だったぜ。」


「バンドーさん! 私、私! 」


カスミもこれで、自分に自信を持てるだろう。見習いアイアンも卒業だ。


5階層へと降りると、冒険者たちがキャンプに使用しているテラスへと抜ける。


「んん? 」


テラスには、見慣れない服装をした一団がキャンプをしていた。


「シヌーク教徒だな。」


アメリアさんがバンドーに近寄り、ささやいた。


白いケープを羽織り、頭にもターバンを巻いている。聞いた事がある。イルミタニアの理と成り立ちを説き、上位精霊を崇める教義を持つとか。


「出会いに感謝し、あなた方の幸運を祈りますわ。」


バンドー達一行を目にすると、一団から、たおやかな風情の女性が歩み出る。白いケープにターバンは変わりないが、彼女の腕には3重の金の輪が嵌められ、金の指輪も目立つ。そして向けられた瞳が印象的だった。右目と左目の瞳の色が違う。金色と赤褐色、ヘテロクロミアというやつだろうか。


「ご丁寧に、痛み入る。もしよろしければ、ゲートをもらえないかな? 」


バンドーも、それ相応の態度で応じた。彼とて、最低限の礼儀はわきまえている。


「うふ・・。」


バンドーの問いかけにすぐには答えず、ヘテロクロミアの彼女は人差し指を差し出して楕円を描くと舌を出して、その指を舐めた。


「あなた、素晴らしい魔力の器をお持ちなのね・・? 」


バンドーは、その問い掛けには答えず、自己紹介で返した。


「俺はバンドー。俺とこいつら全員を地上に送ってくれたら、うれしい。」


「・・・・たまわりました、準備はいいかしら・・?」


バンドーは片手を振り、カスミ達を招き寄せる。


「バンドーさん・・、私の名前はアルシャンドラ・カルガリー。あなたとは、また別の形でお会いする事になる気がするわ? 」


アルシャンドラと名乗ったヘテロクロミアの女性は、両手を頭の上に持ってくると無詠唱でゲートを開く。


コォォォォォォォ!


お馴染みの音を立てて、5階層テラスに青白い円環が立つ。


「お前ら、行くぞ?! 」


バンドー達がゲートの中に消える。


アルシャンドラは、それを見送りながら魅惑的な微笑みを浮かべるのだった。











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