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君はあるがままに なるように  作者: 風神RED
第四章 ティアとバンドーの出会い
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思い出

ちょっと短いかもしれませんが、投下。

ティアは強い。すごく強い。10歳の女の子が、どうしてこれだけ強いのかは判らないが、バンドーがまともに触れる事が出来たのは最初だけだった。


「ケイン君? あなたはどうしてマユミ様に、乱暴な口の利き方をするのですか? 」


と言われても、説明するのは難しい。


高校3年の冬まで、マユミと付き合っていた。俺がFランクの私学に推薦で引っ掛かったその日に、マユミと初めて深い仲になった。けれど、


「あたし、大学に行ったら新しい生活を始めたいの。」


マユミはそこそこ頭のいい、東京の私学に行く事になっていた。


「だからバンドーとは、もう付き合えないわ。」


それきり、二人は判れた。きれいにと言う訳ではない。バンドーにはまだ未練があったし、けれどそれ以上に、格好をつけたい、ただそれだけの理由で、彼はマユミを止めなかった。夜、風呂に入りながらバスタブの中で暴れたのは内緒である。


(わかんねぇ・・。だったら、どうして俺としたんだ・・? )


全く、女は判らない。


それから1年ほどたった、高校の同窓会で。バンドーはマユミに会えるかも、などと思いながら参加したのであるが、彼女はいなかった。どころか、


「マユミ? 東京に行ってすぐ死んじゃったらしいよ? 」


なんだって? 知らない、聞いていない。何でも、家族がある理由から隠したらしい。理由までは判らないが。・・とにかくマユミは、いなくなっていた、この世から。何故か悲しくはなかった。何故なら、彼の中で何も変わらなかったからだ。別れてしまえば、残るのは心の中の思いだけで、生きていようが死んでいようが、マユミの存在は同じ。ふと、そんな事を考えてしまったのを憶えている。


・・・・まあ、とにかくだ。こういった経緯を全てティアに説明するのか?


「・・俺には、前世の記憶があるんだ。そこで、俺とマユミ・・母上は知り合いだった。」


いろいろ考えた末、バンドーはティアに、そう言った。


「前世の記憶を思い出したのは、流行り病にかかってからだ。」


ティアは少し首を傾げ、


「マユミ様は召喚されし者です。今から6年前にジューダスの地に現れ、ガウガメラ様と出会ったと聞いていますよ? 」


6年前? バンドーは本当なら今は24歳。6年前と言えば18歳じゃないか? マユミは東京に出てすぐに亡くなったと聞いている。亡くなって、すぐにこっちに現れたというのなら、一応計算は合うな。


「俺が・・母上と知り合いだったのは6~7年前の事だからな・・。」


何だかこれ以上考えない方が、いいような気がしてきた。そもそも、元彼女が母親とか、ちょっと辛すぎないか? 駄目だ、やめよう。とにかく、これ以上は、いけない気がする。


「だとしても、今はケイン君のお母さまはマユミ様です! 自分の子供に、あいつとかお前とか言われたら、どんな気持ちになるか、考えてみてください。」


そうだ、その通りだ。俺が辛いように、きっと真実を知ればマユミも辛いに決まっているだろう。実の子が、元カレ? しかも昔・・おっと、これ以上はいけない。


「判った、俺が全面的に悪かった!けど、あれだな。ティア姉さん。」


「なんです? 」


「ティア姉さんは、凄く強いし、気が付くし、賢い。これからも、いろいろ助けて欲しい。よろしくお願いします。」


ティアの頬が、一瞬赤くなったのは気のせいか。

バンドーは本気で、そう思ってティアに言ったのだった。

ティアは聡明だ。相手の気持ちを思いやる発言を聞いても、とても10歳とは思えない。自分は、この世界の事を何も知らない。一応、ケインとしての記憶はあるのだが、あまり役に立ちそうにない。

この娘は、今の自分にとって、何よりも得難い人間であることは間違いない。


「それでは、今すぐマユミ様に、謝りに行きましょう! 」


「えっ? 」


いや、否やはないが、心の準備というか・・


「・・こういうのは、早い方がいいのです。さあ、いきますよ・・? 」


言いながら、ティアがバンドーの手を取る。微妙に、手首を極められているような気がするのは、気のせいか。


逆らえない。


とにかく、これからはマユミの前では6歳のケインで居よう。その方が、自分にとっても楽な気がする。

バンドーは、そう決めるとティアと一緒に、素直に書庫に籠るマユミに謝りに行く。


「・・母上! この前は乱暴な口の訊き方をして、ごめんなさい! ボクが悪かったです! 」


「・・まあ、まあ、まあ・・。」


これからは気を付けよう。母上に迷惑をかけないように。


その後、ティアは


「ケイン君、私は修行があるので毎日は来れないかもしれませんが、なるべく来ます。困った事があったら、ちゃんと言ってくださいね? 」


そう言い残すと、ティアはあっさり帰っていった。



夜、久しぶりに高校時代の夢を見る。昼間、いろいろ考えたせいだろうか。


「私はあんたを許さない! 」


「どわぁ?!! 」


目が覚めた。クソっ、一体全体、振られた身である自分が、何だってそんな事を言われなければならないのか。とにかくマユミは、もう母上なのだ。


ベッドから立ち上がり、背伸びをして窓の外を見る。まだ夜だ。あれっ?


遠くの方で、建物が燃えていた。










平日は毎日、仕事から帰って2時間弱くらいかけて書いてます。

気にしないで書こうと思ってたんですが、

正直、最近アクセスが増えてきたので長さ的に、こんなのでいいのかな?と思ったり。アドラーや。

いいんですかね?

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