エピソード24
『魔軍師 アゲハ』
魔王軍四天王の一人で魔宰相の実の息子でもある
つまり俺やレイにとっては兄弟みたいな物だ
一応立場的には部下といった扱いになるのだが、何かと仕切りたがり、「立場をわきまえんか!」とよく魔宰相に拳骨を落とされていた
それでも結局態度は変わらず魔宰相も嘆いていたものだ
クールぶっているがテンパってしまうと素が出てしまい、混沌としている四天王の一応の纏め役であるこいつがテンパってしまうと大抵収拾がつかなくなってしまう
一応頭は俺たちの中の誰よりもよく、戦術などもこいつに任せていた
魔軍師という二つ名に恥じないその知略とその支援回復の技術でよく俺たちを助けてくれたものだ
ん?誰かに似ている?気にするな
俺もスキルを聞いたときはかなり驚いていたんだ
あいつらの持つスキルが全て四天王の持つスキルの劣化版だったんだから
しかもそれぞれ性格が似てる奴が持ってたし
「アゲハ兄様がいらっしゃるんですね。久しぶりに会いたいです」
ふむ、俺もアイツにあいにいきたいものだ
アイツの事だ
ただ酔狂でギルドマスターになったというわけでもあるまい
何らかの思惑があるはずだ
「なるほどそれなら君たちはA級に上がったら彼のいるギルドへと向かうということでよいのかな?」
「はい!」
レイの言葉とともに俺は頷く
「君たちが私のギルドに所属してくれないのは残念だが・・・・それは君たちが決めることだし何より彼のギルドを助けてくれるのならありがたい事だ。私も応援しよう」
どうやらギルドマスターも応援してくれるようだ
「それで・・・・A級に上がるための試験はどんなものになるんだ?」
俺の問いかけにギルドマスターは少し考えた後
「うーん・・・・・まずは簡単な筆記試験と模擬戦かな。模擬戦は少なくともA級相手に戦ってもらうことにするよ。ただ、本来なら従魔を使うのは問題ないんだが、今回の試験に限ってそのヨルムンガンド君の力は使わないでほしい」
ふむ、言いたいことは理解できる
「俺の力じゃなくてヨルムンガンドの力だと思う奴がいるからだな?」
「正解だ。一応形式は一対一で、勝っても負けても実力を示すことができればA級に昇格・・・・ということでどうだい?」
「別に勝ったら・・・・でも構わないぞ?俺もレイも絶対に負けないからな」
俺の言葉にギルドマスターが「ほぅ」と呟く
「面白い。それなら君の相手はそこのアコに任せようじゃないか。彼女はこう見えて魔王を倒した勇者で実力的にはSS級だがとある事情で今はA級の彼女に君は勝てるかな?」
その言葉にアコの顔がひきつる
「構わん。誰であろうと倒すだけだ」
「ほぅ!よほど自信があるらしいな・・・ならば試合は二日後。お互いに相手を死に至らしめるような攻撃は禁止だ。一応君の実力を知ってもらうために観客も用意するが構わんか?」
俺は再び頷く
「よし、それでは解散としよう」
いつも寝る前にしている星占いに反応があったのが一週間ほど前の事だ
寝る前に生存や怪我の具合を確認しているレイや他の四天王の皆の他に大きな力が5つほど人間の国である昼に突如として出現していた
「彼らはまた勇者を召喚したのか・・・」
しかもその内一つの力が問題だ
他の4つは明らかに僕達四天王に劣っているし、もし4対1で四天王の中でも武という面だけで見れば最弱の僕が戦っても負けることは無いだろう
しかし、この最後の一つだけには一対一でやっても勝てる気はしない
今はそんな力がレイと共に行動している
「さて・・・・この力の動きはこの世界に何をもたらすのかな?」
僕は一人そう呟いた




