エピソード15
「それで・・・・・これからどうするの?」
「ふむ、どうしようか」
一瞬空気が固まる
「えっと・・・・魔王・・・あんたこの後何するかとか決めてないの?」
「うん?決めようにも情報が足りないしな」
何か情報があるなら動けるが、俺がサタンから聞いたのはレイのいる場所だけだったし
レイも何も知らなそうだし
「それなら魔王・・・・君は冒険者になったらいいんじゃないかな?中身は別として見た目だけは完全に人間族なんだし」
「確かに冒険者になれば仮の身分は確保できますし、最悪私が移動する時に奴隷として移動することも出来ます・・・・最近は魔族の奴隷が増えてきているので」
最後だけ言いにくそうにレイが呟く
レイの言葉に軽めに落ち込むアコ
「私が魔王を倒しちゃったから・・・」
「そんなに落ち込むなよ」
その頭に手を乗せて慰める
しばらくそうしていると
「あのさ・・・ふと思ったんだけど。普通これ逆じゃない?どうして君はなんともないの?」
まぁ、普通の神経ならそうなんだろうが・・・・
「俺たち魔族は基本的に種族内での関心がかなり薄い。気にするのは家族や親しい人間までだな。それは魔王たる俺も同じでな」
「というよりも魔王様は基本的に執務やその他めんどくさいことを魔宰相に丸投げしていたのでそこまで関心がないのかと」
「まぁ、見かけて余裕があるなら助けるが余裕がなかったら助けないし、わざわざこちらから出向くってのもしないな」
「あんたそれでよく王を名乗れてたね。その魔宰相って人が王の座狙ってたらあんたどうしたのよ」
ん?そんなの当たり前じゃないか
「くれてやったよ。俺は王の座なんかに興味は無いし、魔宰相は俺とレイにとって父親も当然の人だ。俺の方が強かったから魔王を名乗っていたが、実質魔王はあの人だったしな。俺にはレイ達がいればそれでいい」
「魔王様・・・・・」
レイがうっとりとした目でこっちを見る
可愛かったので頭を撫でておく
「そう言えばレイ。流石に魔王様って呼び方は外でするのは危ないだろうし外では真央と呼んでくれ。真央ってのが今の俺の名前なんだ」
「わかりました。真央様」
うーん大して変わってない気がするが仕方ないか
「あっ、ついでにアコの方も呼び方変えておいてくれ」
「ついでってなんだよ!ついでって!」
ん?こいつは何当たり前の事を言ってるんだ?
「俺がレイよりアコの事を優先するわけ無いじゃないか」
「わかってたよ!ちくしょー!真央って呼べばいいんだろ!呼べば!」
キャラ崩壊してる勇者乙
・・・・・・なんて言ってる俺も相当キャラが崩壊しているんだろうか?
「それじゃあとりあえず冒険者に登録しにいくか」
「わかりました。それでは私はここでお帰りをお待ちしております」
まぁ、流石に今のうちから魔族であるレイが外に出るのはまずいだろう
それに、仮に誰か襲ってきたとしてもレイの実力なら問題ない
「おーいアコ、案内頼む」
いや、場所は知ってるけどアコは前勇者なんだし登録するときにも何かしらの特典があるかなぁと考えての発言だ
「はぁ・・・・・わかったよ」
・・・・返ってきたのは力の無いため息だったが




