第19話 ダンジョン
突然だが、ダンジョンというのはご存知だろうか?
ダンジョンとは、ゲームや異世界モノの定番で、
冒険者が強力な敵や財宝を目当てに挑む魔窟だ。
ダンジョンの中は多くの敵で満たされており、
加えて、トラップが散りばめられている。
そんなのに挑むなんて酔狂なことだと思う。
そして、僕の前にはダンジョンの扉があり、
僕のバックには大量の食料や予備の矢が入っている。
話がつながらないだろう?
安心してくれ僕もだ。
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少し前、ギルドにて...
「ダンジョン?」
「あぁ。もう兄ちゃんも立派な冒険者だろう?
この街の近くにはな、ノールダンジョンって
のがあってな。どうだ、行ってみないか?」
「へぇ...どんな敵がいるんだ?」
「そうだなぁ、ダンジョンにはアンデットの類が発生
するからな...スケルトンとかゾンビが多いな。」
「ちなみに、一番危険なのは?」
「ノールで危険つったらデーモンのノールだな。
ノールダンジョンの名の由来だ。
なんでも聞いた話によれば冒険者の亡霊を
操る恐ろしい奴らしいぜ。」
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きっと、あの病が暴走した結果だろう。
来てしまったものは仕方ない。
財宝眠る魔窟なんてそそる言葉が悪いんだ。
.......
扉は金属製の頑強なもので、モンスターの流出を防ぐ様になっていた。
ちなみに今はランプを使って周囲を照らしている。
昔はフラッシュを使えば良かったが、今はもう出力
過剰だからな。
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出た、あれがスケルトンか...
人々の骸がモンスター化したものアンデットの一種でコアを破壊すれば消滅する。
よく出来た骨格標本みたいだけど、実物と考えると
気味が悪い。
亡骸を傷付けるのは気後れするが、許してくれ...
「フォトニックセイバー!」
切り刻まれたコアは砕け散り、その骨格も消滅。
「主の名の下に汝が罪、赦されんことを祈って。」
この世界の弔い方はこうらしい。
何だか一部、聞き覚えがあるな....
............
そう思っていると....
「酷い腐臭、溢れ出す内臓.....ゾンビで間違いない。」
これまたファンタジックなゾンビのご登場。
スケルトンとは違ってコアが見えない分手間はかかるが、十六階層あるダンジョンの内の三階層目のもの、
簡単に倒すことが出来る。
その後も、迫り来る敵を薙ぎ払い、特に大きな問題もなく順調に十一階層まで進んでいた。
途中、ダンジョンから引き返す者達に出会ったが、
彼らも大きな怪我をしている様には見えなかった。
それらが良くなかったのだろう、
僕の警戒心は緩んでしまった。
ダンジョンは生物だ。
なら当然養分を必要とする。
そしてダンジョンにとっての養分とは、外界から由来する冒険者だ。
故に、警戒の怠慢は許されない。
「なっ! 床が!」
僕の足元に穴が開く。
いや、僕の足元にあった口が開き、呑み込まれた。
その先にあったのは....
「この空間....ダンジョンにとっての胃か。」




