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++プロローグ++

 今しがた、高校を出た海崎かいざき 健太郎けんたろうが家路に就いている。

 通りかかった線路下の河原に、人らしきものが、それも女の子が倒れている。

 行き倒れか、そう思った健太郎が女の子に駆け寄る。

 女の子は、ボロボロの服で、怪我をしており、辛うじて意識がある程度だった。

「君、何があったんだい?」

「や……やられた……」

「誰に?」

「侵略者に……」

「侵略者? は?」

 健太郎は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をする。

 彼女をこのままここに置いておくわけにはいかない、そう思った健太郎は、少女を抱き抱え、河原から移動する。

「殿方よ、瀕死の私をどこへ連れて行く気だい?」

「病院だよ」

「では、羽生田はぶた動物病院へ行ってくれ。ここから割と近い」

「は? 君は人間だろう?」

「私は、人間ではない」

「え?」

 少女が、お尻に生えた細長い尻尾をゆらゆらと動かした。

「ほれ」

「これは?」

「見てわからないか。尻尾だよ」

「え? ええ!?」

 健太郎は驚いて歩を止めた。

「お主、はよ羽生田のところへ連れていかぬか!」

「は、はい!」

 健太郎は羽生田動物病院へと足を運ぶ。

「ここ、だけど……?」

 健太郎は少女を抱えたまま病院へ入る。

「すいませーん」

「どうされ……って、美幸ちゃん!?」

 女性の動物看護師が驚いた様子でこちらにやってくる。

「一体何が?」

「あの、この子が河原に倒れてて、ここへ連れてこいって……」

「こっちに来て」

 動物看護師の案内で診察室へ移動する。

 男性の獣医が姿を現し、美幸と呼ばれる少女を治療する。

「はい、おしまい。美幸くん、侵略者退治もいいけど、無茶な戦いはしないでくれよ」

「テヘヘ……」

 少女は舌を出して顔を緩ませた。テヘペロってやつだ。

「えっと、尻尾があるけど……」

「君はこの子の友達ではないのかね?」

「はい、今日が初見しょけんです」

「私、ドラゴンなんだ」

「ドラゴン? 願いを叶えるために球から出てくる?」

「それはドラゴンボールという漫画でしょうが。で……あんた、名は?」

「海崎 健太郎」

「健太郎か。私はバハムート・アレクサンドロス。地球では桂木かつらぎ 美幸みゆきと名乗ってるわ」

にわかには信じがたいんだが、本当に人間じゃないの?」

「百聞は一見にしかず。見せてあげるよ」

 美幸はスーッと深呼吸をして、ドラゴンに姿を変えた。

「な、なんですと!?」

 驚き戸惑う健太郎。

 ドラゴン、もといバハムートは美幸の姿に戻った。

「ゆ、夢だよね……?」

「うん? 現実だよ」

「そ、そんな、ドラゴンが実在するだなんて聞いてないよ!」

「それは公表してないからね」

「海崎くん、と言ったかね?」

 と、獣医。

「彼女の面倒を見てやってくれないか?」

「はあ?」

「なによ、あんた? 可愛い女の子と一緒に住むのが嫌なの?」

「いや、まだ状況が飲み込めてないだけ」

 健太郎は状況を整理した。

 美幸はバハムートというドラゴンだった。

 この世界には侵略者というものが紛れ込んでいる。

 バハムートは侵略者と日夜戦い続けているのであろう。

「夢を見てるような気分だけど、現実なんだよね?」

「うん、現実」

「海崎くん、どうだろうか?」

 獣医が口を開く。

「え?」

「美幸くんを君に預かってもらいたい」

「だからなんで勝手に決めるんですか?」

「私のこと、飼ってくれないの?」

「……わーったよ」

 かくて、健太郎は美幸と同居することになった。


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