294:WCS直前
お待たせしました!
「もうすぐ夏コミ⋯⋯優希くんに会う為の用意は万全です!」
大好きな優希くんに会う為に私が出来る事は全部やりました。
「夏コミの3日目はお仕事ですが、優希くんの配置は初日⋯⋯少し夜が遅くなっても2日目はおやすみなので問題なし⋯⋯よし、今回こそ大丈夫です!」
本当であれば2日目にお仕事を入れても良かったんですが、ASMRが相当な兵器との噂がありますから、1日死んでもいいように用意を済ませておきました。
「今までの私の行動を考えると押しすぎるのも問題らしいですし、お淑やかに⋯⋯頑張れ私!」
なのちゃんにも言われた自分のよくない部分を直して、頼りになるお姉さんにならないと。
「⋯⋯でも、優希くんを前にすると、どうしてあそこまで暴走しちゃうんでしょうか⋯⋯良くないとは思ってはいるんですけど⋯⋯」
まずはノリで抱き付いたりしないように気をつけないと⋯⋯いざというときは綾乃ちゃんが止めてくれるとは思いますけど、自分の意思で止められるようにならないと。
「現地で使うものの用意も済みましたし、次は投稿用動画のストックを準備しないとですね⋯⋯」
私はそう呟くとデスクに座り、編集作業を始めた。
♢
「もうすぐ夏コミかぁ⋯⋯優希くんのASMRを買うのもだけど、優希くんのコスプレも楽しみ!」
でも今年はコミケだけじゃなく、その前にWCSの本戦もあるから、優希くんと一緒にいられる時間がたくさんでわたしはとても楽しみで仕方なかった。
「とうとう今週末、かぁ⋯⋯」
WCSが終わったらまた会うきっかけが無くなってしまう。一緒に活動出来るのは嬉しいけど、離れる時が寂しくなりそうで、WCSの日で時間が止まれば良いのに⋯⋯なんて考えてしまったり。
それと勇気を出して告白したのはいいけれど、返事が早く聞きたい。でも急がせるのは優希くんに悪いし、凄くもやもやする。
「ライバル、多いからなぁ⋯⋯」
仕事が出来て美人なゆるママさん、超大人気で、優希くんの推しでもあるふわちゃん⋯⋯
「わたしだって、今の容姿には自信あるんだけど⋯⋯」
「わたしも、優希くんのために何かしてあげたいな⋯⋯」
かと言って、それをする為の時間が無いのも問題で。
「モデルやってなかったら、もうお付き合い出来てたりするのかな⋯⋯それとも、優希くんと会う事も無かったのかな⋯⋯」
こんな思いをするくらいなら、出会いたくなかったかと言われると、それはNOなんだけど。
「⋯⋯でも言う事は言った。後は優希くんにとってのわたしを大きくしていくだけ」
「少しでも、良い関係になれるように⋯⋯」
わたしは、絶対に負けないんだから。
♢
「はぁ⋯⋯週末にはWCSか⋯⋯」
優希くんが日本代表に選ばれたこと、それはとても喜ばしい事。だけどその分、優希くんが遠くに行ってしまったみたいで、少し寂しい自分がいた。
まだWCSの日本代表に選ばれただけなら良かった。優希くん一人だけなら。
だけど、優希くんの先輩であり、GloryCuteの看板モデルでもあるHaruちゃん、彼女の存在が私を不安にさせる。
「あの子、絶対本気だろうし⋯⋯うぅ⋯⋯優希くんとくっついたらと思うと気が気じゃない⋯⋯」
それなら口にして自分と付き合って欲しいと言えば良い。そう分かってはいても、それが原因で関係が壊れる事も恐ろしい。仮に付き合うことが出来なかったとしても、私は優希くんのサポートを辞めるつもりも無いし、これからも支えたいと思ってる。
優希くんがどう思うかなんて私にはわからないのだけど。
「コミケの方も、今回は現地までは一緒に行くけど、配置は別だから寂しくなるな⋯⋯」
私のところも、優希くんのところもきっと忙しくなるだろうし⋯⋯あっ、でも終わった後に打ち上げくらいは⋯⋯いけるかな?
「はぁ、こんな年になってなんで乙女みたいな事考えてるんだろ私」
そんな事を考えているこの時間がとてももやもやして、だけどそれ以上にドキドキして、言葉にするのが難しい。
「私には私のやれる事があるんだし、頑張ろう」
優希くんの隣に立っていても恥ずかしくないように。
それぞれの想いを胸に、熱い夏が始まる。
カウントダウン更新!!!!
2日目にして死にそうです!!!
そして残り4日になりました!!!!!




