246:WCS予選!
お待たせしました!
もうすぐ四月、新社会人の方や学生の方頑張ってくださいね!
それとなろう版失恋VTuber、なんと累計PVが1100万を突破しました!
すごい!!!
「そろそろ時間、だね」
『う、うん⋯⋯』
ボクは今日、WCSの予選の為にコスプレイベントへ来ていた。 そして今はその予選の出演の順番待ちをしていた。
「あと2組のアピールが終わったらわたし達の番、か⋯⋯」
『き、緊張して手が震えてるよぉ⋯⋯』
「⋯⋯」
ボクは多くの人の前で踊る事、しかもそれが女装をしながらだと考えると、より一層緊張してしまう。
「大丈夫」
ぎゅっとボクの手を握りながらHaruお姉ちゃんがそう言った。
『ふぇっ!?』
「ゆかちゃん、大丈夫。
あれだけ頑張ったんだから」
『う、うん⋯⋯』
「それにダメでもこうやって一緒に頑張れただけでも良い経験だったと思うし、ダメなら来年だってあるんだよ?」
『そう言われると、確かに⋯⋯』
「だから気負わないで、気軽に行こ?」
『うん! ありがとう、Haruお姉ちゃん!』
「どういたしまして!(どうしよどうしよ!
勢いで手繋いじゃったけど、優希くん嫌な素振り見せないし、このまま繋いでてもいいのかな!?!?
こ、このまま手繋いでステージ行って仲良しアピールとかしちゃう!?)」
そして待つ事十分、とうとうボク達の出番がやって来た。
【次の出演者はー!この二人だー!】
ナレーターの声に会場は盛り上がって行き、ボク達は流れ出したBGMに合わせてステージへと歩き出した。
手を繋いだままステージの中央へ立ったボク達を見て会場では悲鳴のような物が上がった。
だけど、それを気にする余裕は無く、軽くボク達の紹介をナレーターさんがすると、ボク達が踊るダンスの曲のイントロが流れ始めた。
一瞬、深呼吸をして、今まで練習して来た成果をここにいる皆に見せる為、ボクは集中して踊り始めた。
♢
「おい、そろそろ始まるぞ?」
「ちょっと待ってよー石油王ー」
「変態淑女が遅いんでしょ?」
「そんな事ないよー!」
「まぁまぁお前ら落ち着けって、はいこれ皆に貸してやるよ」
「なんだ⋯⋯あぁ、助かる」
「双眼鏡?」
「確かに、最前に行くのは無理そうだものね⋯⋯」
「っつー訳で、ちょい後ろから双眼鏡で間近で見てる感だけでも味合わせてもらおうぜ」
「おー! 名無しのお兄ちゃん流石!」」
「へへっ、ゆかちゃんの勇姿、見届けるか!」
掲示板メンバーが勢揃いで見に来たゆかちゃんとHaruちゃんのWCS予選、ステージに上がって来た二人はいきなり手を繋いでいた。
「「「「グハァ!?」」」」
いきなりクリティカルヒットだった。
手を繋いで登場とか刺激が強すぎるだろ!?
「お、お前ら、大丈夫か⋯⋯?」
「な、なんとか⋯⋯な」
「致命傷で済んだわね⋯⋯」
「グフゥ⋯⋯」
変態淑女が沈んだか?⋯⋯いや、ギリギリで耐えてるなこれ。
そしてBGMが切り替わり、ダンスがいよいよ始まった。
どうやら今回ゆかちゃん達が踊るのは百合ダンスと呼ばれる物で、かつて有名なアイドルグループのメンバーが踊った事で話題になったものだった。
とある百合アニメのOPである事を知るものは意外と少なく、ダンスにだけ目が行きがちだった。
そしてこのダンスの特徴は二人息の揃ったダンス、そしてその二人の距離感だ。
ラストに片方がおでこにキスをすると言うのが原作のOPであったのだけど、それを再現する人はいなく、ただ手を繋いだりして終わる事が多かった。
おねロリ系のアニメだった原作を考えると、ロリ側を踊っている方がお姉さん側のおでこにキスをするのを見たい物だが、それを期待するのは野暮ってものだろうな。
「⋯⋯普通にダンス上手くないか?」
「あの二人が向かい合いながら手を握り合う部分てぇてぇ⋯⋯」
「これ原作だとラストにおでこキスあるけど、再現しないかなー」
「ははっ、そんな事されたら死ぬぞ俺ら」
「だよねー」
そしてダンスもラスサビ、俺達は最後までゆかちゃん達のダンスを見届けているとその瞬間に事件が起きた。
♢
「⋯⋯」
ダンスは自分の想定以上に上手く行っている。
このままなら、もしかしたら優勝もいけるかもしれない。
でも、インパクトが足りない気がする。
「!」
そんな時わたしの脳裏にとあるアイデアが浮かんだ。
「(この曲の原作のアニメ、OPのラストにおでこにキスするシーンがあったっけ⋯⋯)」
この曲とダンスだけが有名になったせいでOPの事を知る人が少ない事もあり、OP映像の方を再現する為にラストにキスを入れたらインパクトが増すかもしれない。
「(問題は、わたしにそんな勇気があるか、だけど)」
今までは無理矢理時間を捻出出来たけれど、WCSが終われば時間を作るのも難しくなる。
そうなると優希くんに好意を伝えるのは今がチャンスと言える。
⋯⋯万が一、こ、告白とかするなら優希くんの卒業式の日って決めてるけど、アピールくらいは良い⋯⋯よね?
そして優希くんとのダンスの時間ももうすぐ終わりを迎える。
勇気を出すなら今、頑張れわたし!
【そっと口付けを】
最後のその歌詞に合わせて、わたしはそっとおでこにキスをした。
してしまった。
『ふぇっ』
一瞬優希くんのそんな可愛い悲鳴が聞こえた。
【良いダンスをありがとうございました!】
そして次の人も控えている事もあったから、わたしは優希くんの手を引き、ステージから去って行った。
♢
「「「「「「「「ああああああああああああ!!!!!!!!!!!」」」」」」」」
ダンスが終わった瞬間、会場には血飛沫が上がった。
「グボォァ!?!?」
「へぶぇぁ!?」
「もう、無理」
「あっあっあっあっあっあっ」
「むりむりむりむりむりむり」
恥ずかしそうにそっとゆかちゃんのおでこにキスをするHaruちゃん、その姿があまりにも尊すぎたのだ。
周りにいた数十人の人が倒れているのがわかる。
「大丈夫ですか!?」
「クソッ! 大量の尊死者が出てやがる!
急いで医務室へ運べ!」
「これほどの尊死者を出すなんて、珍しいですね⋯⋯」
「ここならたまにこう言う事がある、お前も覚えておけ」
「は、はい!」
救急隊らしき人が話しているのが聞こえたんだが、ここ、そんな魔境だったのか。
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