にた
鼻が食いちぎられ目玉があった箇所は血のしたたる赤い空洞となっていてもはや
誰であったかすら不明だが、盗賊の誰かだということは間違いないだろう。
そんなグロテスクな物体の上に数秒遅れて巨大な赤い肉塊が降ってきた。
バキバキと耳を塞ぎたくなるような
骨が折れて肉を突き破る音は生理的嫌悪感を大いに誘う
新人盗賊は眼を丸くし、顔をしかめて
いる、だが彼の顔に不思議と焦りはない
「ご機嫌よう お嬢さん、私とダンスを踊ってくださいますか?」
と軽口を叩く 彼の右手にはいつの間にか
グリフィンのレリーフがついた芸術品のような白いダークが握られていた。
彼は左手を前に突き出し、右手とダークを隠すように背中にまわす。腰を屈め重心を低くする姿勢はどことなく獣の狩りを想わせる。
徐々に前傾姿勢になり左手が地面のタイルを掴んだところで、彼はクラウチングスタートのように一瞬で矢の如く駆け出した。
元盗賊の化け物は一瞬動揺したかのようにも見えたが、すぐに人間より三倍程の長さの腕を滅茶苦茶に振り回し周囲の建物ごと新人盗賊を破壊しにかかった。
黒い骨に申し訳程度についた赤黒い筋肉繊維は攻撃のたびに千切れたり崩れたりするが、構いなく化け物は暴れまわる。
しかし、その攻撃は新人盗賊にはカスリもしない
化け物は右へ左へ規則性なく目の前の獲物を殺すことだけに全力をそそぐ
「それじゃあ俺は殺せないぞ」
頭部を殴りつけ
「踊りは得意じゃないようだな」
と呟くと化け物の指を切り飛ばした。
「カテゴリEくらいだな、楽なもんだ」と
指輪を回収しようとしたが見当たらない
「んん?」
ああそうか飲み込んだのを見たな、
となると……やはり化け物はこちらに
に向かって




